開発と環境共生する街

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 10月9日(土)午後に熊本一規明治学院教授を招いて「博多湾は誰のもの、おかしいぞ!人工島」という演題で講演会を開催しました。熊本教授は入会権の研究を行い、志布志湾埋立問題や諫早湾干拓の住民運動を支援してきました。また、混み・リサイクルなどの環境問題も研究しており、大学ではタイのマングローブ林の開発やデンマークでの開発について、現地に学生を引率して研究しています。この度、開発の歴史、問題を話して頂きました。
 「開発」という概念は、第2次大戦後トルーマン大統領が冷戦が始まる1949年に示したと言うことです。共産主義の革命による開放という夢に対抗して、資本主義社会の夢としての「開発」と言うことを提唱したと言うことです。日本でも戦前は「開発」という言葉はなく、戦後1950年国土総合開発法が初めてです。4大工業地帯の形成、瀬戸内海工業地帯、東海工業地帯と工業化が進められ、続いて地方の開発として苫小牧東部、むつ小川原、秋田湾、周防灘、志布志湾の開発計画が続きました。その後、第5次総合開発計画まで進められました。しかし、地方の開発はことごとく破綻しています。
 埋立は公共用物(公共用水面)を埋立、誰でもが自由に使えるものを私有化するものです。開発は特権層の利益のために民衆の生活基盤が奪われることになります。例えばタイのマングローブ林をエビ養殖池にすることで漁民の生活基盤が奪われます。
 デンマークは開発よって食糧自給率は300%、エネルギー自給率は155%となっています。デンマークでの開発は生命維持を理念としている為問題は起きていません。具体的にはデンマークは国土が平地であるため飲料水は地下水を利用しています。そのため、農地の肥料の量が厳しく管理されていることや、養豚業では屎尿を9ヶ月貯留が義務づけられています。開発者が農民や消費者で共同組合や会社を作ることで、利益を得るものと不利益を被るものが同じであるため、歯止めが出来ています。自然エネルギーに力を入れていますが、風力発電も海上に設置するなどで低周波音による被害を軽減しています。
 日本の開発は明治時代の富国強兵策による官営工場の払い下げに始まり、戦後の臨海コンビナート形成など、特権層が公共物を私物化することで経済発展を進めてきました。その結果、地域住民や農漁民は公害等による多くの害がなされました。デンマークの開発と日本の開発を比べた時、誰による開発か、開発の担い手が誰かがにあります。農漁民や地域住民による開発でなければ、農漁民や地域住民の利益にならず、持続可能な開発な地域を形成できません。地域の住民や農漁民が自らの権利を知ることで、その権利を行使しなければ地域の資源が奪われることになります。地域の持続可能な「開発」の事例として、1次生産から流通、販売、企画を共同で行う「6次産業」がその一つの在り方といえます。
 写真は人口の湿地です。クロツラヘラサギが群れでいます。私たち市民が市民の利益になるよう活用すべきです。ここに環境保全センターを作る案が提起されています。エコツーリズムや環境教育の場、国際香料の場にすることが、埋め立てするよいも市民に大きな利益を与えるものと考えます。「開発」は命を大切にするものでなければなりません。私たち市民の利益になるものでなければなりません。