多様な移動手段について:北九州市三ヶ森タクシーの取り組み

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日時 2016年4月19日(火)15:00~16:00

場所 北九州市八幡西区三ヶ森 三ヶ森タクシー

説明者 貞包三ヶ森タクシー社長

目的 移動の自由を確保するためには、地下鉄およびバスなどの基幹公共交通と玄関とをむすぶフィダー交通の組み合わせが必要である。フィダー交通としてタクシーが一つの交通手段と言える。多様な取り組みをしている三ヶ森タクシーを調査した。

 

1、三ヶ森タクシーの取り組み

①タクシー定期券

特定の区間の1ヶ月乗り放題、但し上限月80回。

1ヶ月の定期代は区間運賃(事前に区間料金を調査し一番安い料金)×20日×2

買い物などで途中下車はできる。

利用されている方の例:ご夫婦の内一人が入院し、病院に頻繁に通う人、

 

②学割定期券

学生のみ限定

特定区間のみ1ヶ月乗り放題

1ヶ月の定期券代は区間運賃×18日×2

 

③高齢者フリーパス券

65才以上の方に限定

特定範囲運賃1ヶ月乗り放題、上限は96回

高齢者フリーパス券の料金運賃×30×2×0.8

運賃は利用者が指定、例えば初乗り料金670円を指定すると、32,160円となる

生活圏内でちょっとしたおでかけには便利である。乗り継ぎはできない。

 

④のりのり100

1ヶ月の利用料金が1万円を超えると10%割引となる。申込時に1万円を入金、利用が1万円を下回っても返金はない。申し込み時にタクシーチケットを渡し、1ヶ月間利用後に清算。

⑤のりのり150

1ヶ月の利用が1万5千円を超えると15%割引になる。申込時1万5千を入金。チケットを発行し、1万5千円の利用がなくても返金はない。

 

⑥ちくタクきっぷ

筑豊電鉄三ヶ森駅と黒崎駅を利用するきっぷとタクシー利用がセットの乗り継ぎきっぷ。筑豊電鉄で5枚綴りのチケットを販売。筑豊電鉄とタクシー会社それぞれで割引。タクシー会社は西鉄タクシーと三ヶ森タクシー。

 

⑦空港乗り合いタクシー

前日に空港まで予約し、乗り合いで空港に運ぶ

現在一人4500円に値上げ、夜間は市の補助で2500円

 

所見

利用者は①~⑤はそれぞれ数名。やはりタクシー利用料金が高いため、利用目的に合った人しか利用していないが、利用者にとっては便利である。三ヶ森タクシーのアイデアを発展できないか検討の余地はあると思われる。三ヶ森タクシーの「タクシー定期券」はJTBが福岡市で実験している「ジェロンタクシー」と類似している。

 

※JTBジェロンタクシー(WEBニュースからの転載)

高齢者向けに定額乗り放題のタクシーサービス「JTBジェロンタクシー」を開発した。これは自宅とかかりつけの病院、いつも買物する商店街やスーパーマー ケットを指定目的地とする2地点をあらかじめ登録し、定期券を示せば、その間のタクシー移動を1カ月間定額で乗り放題となる。通常、乗車単位で支払うタク シー運賃を旅行業における募集型企画旅行商品で企画実施することで1カ月の定期券として商品化する。免許証返納後、高齢者が外出するための日常の移動手段確保や交通不便地域の高齢者に利便性を提供する。
今回の社会実験は、JTBが全国ではじめて福岡市内で実施するもので、有料モニター50人を募集する。社会実験は、2016年度からの本格的なサービス導入に向けて利用意向・サービス内容などを検証することで、新たな高齢者の日常の足として定着を目指す。
対象は福岡市東区・博多区・中央区在住の70歳以上の高齢者。有料モニターの代金は自宅と指定目的地間のある区との組み合わせにより決定し、1カ月間でマイ カー維持費程度の2万8000~6万8000円となる。モニター乗車参加のアンケート謝礼として2000円のJTBナイスギフト(商品券)を進呈する。