「30年請願第2号人工島関連予算の否決について」に賛成して討論


私は緑と市民ネットワークを代表して「30年請願第2号人工島関連予算の否決について」に賛成して討論します。

本請願は破綻した人工島事業に毎年100億円規模の投資を行って来たことをやめ、人工島事業の抜本的な見直しを求めるものです。2012年2月の事業見直しにおいては最小160億円、最大421億円もの赤字を見込んでいます。翻ってみると、人工島事業は計画が公表されて以降、多くの市民は博多湾の環境保全の視点から、また、全国の埋め立て地の状況や将来の人口減少、経済構造及び産業構造の変化から人工島事業が破綻することを指摘してきました。1989年に公表され、1992年3月には12万人の人工島事業反対の署名請願が出されました。同年5月に市民意見発表会が市の主催で開催され、圧倒的多数の人工島埋立反対の意見が発表されました。このような経緯の中で市が説明してきたことは、人工島事業は1円も税金は投入しないと繰り返されました。1998年には山崎元市長は「引き返す勇気を持って人工島事業を見直す」と公約して市長に当選しました。

当選直後には既に人工島事業の破綻は明かとなっていましたが、山崎元市長は見直すどころか、博多港開発の32億円を増資、開発者負担である道路整備等を市が負担することとし、銀行に損失補償を行い、計画を大幅に変更し売れない土地は市が購入、さらに、住宅用地を福岡地所・積水ハウスグループに造成単価12万7千円を大きく下回る平均単価7万円で売却、博多港開発の資金繰り悪化に計82億円を緊急融資、さらに2004年には事業の見通しがないということで博多港開発第2工区、現在の次第5工区を埋立が終わっていないにもかかわらず399億円で市が購入しました。そして人工島にこども病院、青果市場を移転させることを進めてきました。2005年には8万人余の署名による人工島事業の是非を求める住民投票条例の直接請求もなされています。

2006年の市長選挙では「こども病院移転見直し」を公約した吉田元市長が当選しました。ところが吉田元市長は「現地建て替え費用85億円は安すぎる、ゼネコンに聞いたら128億円かかるとし、人工島に移転した方が安いという理由でこども病院の人工島移転を決めました。しかし、この128億円の根拠は裁判所の嘱託尋問でも虚偽であることが明かになったにもかかわらず、未だウソを言い続けています。

2010年の市長選挙では高島市長が当初の公約である「こども病院人工島移転推進」を「見直す」に変更することで市長に当選しました。高島市長は当選後、「人工島移転の方が安いという結論の経緯に問題があればこども病院の人工島移転は止める」として、北川元三重県知事を座長に据えて「人工島事業検証委員会」を立ち上げ、一見公正な体裁を整えつつ、現地建て替え費用を1.5倍に水増しした経緯を検証する目的を人工島が適地という結論にすり替え、市民をだましました。さらに、多くの市民や事業者が反対する青果市場を人工島へ移転強行、九大箱崎キャンパス跡地など適地があるにもかかわらず総合体育館を人工島に建設など、人工島の土地処分のために市民の利便性を犠牲にしてきました。市内事業者及び人工島住民も含めた人工島フォーラムで人工島の土地処分は難しいとの意見を受け、4年間で240億円の立地交付金を予算化し、さらに多額の住宅市街地総合整備補助金を人工島における事業者に交付するなど、一般会計から多額の補助金を交付し、現在も続いています。

以上人工島事業の経緯を見ると、人工島事業により市政がゆがめられ、多額の税金が浪費されてきたことが見えてきます。超高齢社会、人口減少社会を迎え、日本経済の成長は見込めないだけでなく、市財政も今後さらに厳しくなると考えられます。このような状況で破綻した事業に投資し続けることは市民の共感も合意も得らないことは明らかです。以上の理由から本請願に賛成するものです。