九大移転対策協議会

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九大移転対策協議会(移転予定地の視察)

日時 2003年9月24日 9:30~13:00
場所 九大移転予定地

 9時30分、ばすにて市役所議会棟を出発。10時過ぎ、現地福岡市土地開発公社事務所到着。まず、事務所でビデオと図面により進捗状況を説明。続いて、文化財の発掘状況と保存についての説明がなされた。その後、建設中の研究教育棟Ⅱ・Ⅲを視察。周辺には共同溝や理系図書館の建設が進められていた。昼食をとり現地視察は終了した。

 敷地275ヘクタールの内170ヘクタールを造成。全体を4工区に分けて造成。第1工区は造成が終わり、現在工学部研究教育棟Ⅱ、Ⅲが建設中、隣の理系図書館も基礎工事が始まっている。工学部研究教育棟Ⅰは来年からPFI方式で建設が始まる。平成17年秋、18年秋に工学部が移転開港予定。第3工区(実験施設・農場・運動場など)の造成が始まっている。第2工区(文系地区)は幹線道路部分に工事だけ、第4工区(農場)は九大が最後に造成予定。
 造成にあたっては、生態系を保全するといくことで生物や植物が生息する状態で土壌ごと切り取り移植、原生の立木を移植や切り株を斜面に移植、また斜面は出来るだけ緩傾斜にし、流域の変更がないようにする、土木学会から賞を受賞している。しかし、やはり造成現場を見ると大きな地形変化をもたらし、生態系や地下水への影響は避けられないと感じた。キャンパスはノーマライゼーションの設計となっているということであった。

 文化財については円墳約70基、前方後円墳7基が確認されており、円墳30基、前方後円墳4基が保存される。古墳からは精緻な金の指輪やガラス、須恵器、太刀、鉄鏃など多数の副葬品が発見された。製鉄炉27基、住居跡、溜池の跡、多量の鉄滓などが発掘され、7世紀の鉄を集荷する荷札の木簡が見つかっている。2工区北側では30棟もの倉庫跡と考えられるものが見つかり、また役人が身につけていたベルトの金具が見つかっていることから、役所があったと考えられている。ここは7世紀当時は桑原川の河口にあたり入り江の傍であった。周辺は鉄を多く含む土質で、近くの海岸は砂鉄が多量にとれる。ここは鉄の大生産工場で、山から水を引き砂鉄をとりだし、近くの山で作った木炭で鉄をつくり、鉄板に加工して船で出荷したと考えられる。

 キャンパス建設は進んでいるが、改めて貴重な文化財を保存し、考古学の研究教育のフィルドワークの場として残し、アジア文化の研究交流拠点にすべきと感じた。また、現地を見て、交通アクセスが将来に亘り大きな問題として残ることが予感された。