第4委員会報告

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第4委員会
日時 2004年7月29日
議題 福岡市住宅供給公社の平成15年度決算

 審査に先立ち、建築局長から、市全体で外郭団体の見直しをすることになっており、住宅供給公社の初期の目的は終わったと考えているとし、今年度末までには見直し案を出したいという挨拶がありありました。続いて16年度事業計画の説明の後15年度決算報告がなされ、続いて委員から質問が出されました。
 まず、昨年レイクヒルズ野多目8番館、9番館の約半数の部屋が2年間売れずに、約3割の値下げをして売った件について質問が出されました。具体的に9番館を例として、隣どおしで、当初購入者は74.51㎡の部屋を2500万円で購入、片や91.3㎡の部屋を3102万円から2040万円に値下げされて購入していることで住民から訴訟などの動きがないのかと質問が出されました。建築局は、住民は早く販売して街を成熟させることを望んでいること、国も実勢価格で販売することを指導していることから値引きはやむ得ないとしています。当初購入した方には特に補償はしていないが、管理組合を通じて、駐車場やエレベーターに監視カメラを設置する、光通信のLANを設置するなどの環境整備を公社がすることで住民の理解を得ていると答えています。
 しかし、昨年の値引き販売で5億6800万円の損失を出しており、残りの3棟については公社で建築し販売することは止めるべきではないかと私が質問してことについて、全体の土地が共有地になっていることから公社が事業を続ける責任があると答えています。しかし、周辺の実勢に合わせて販売が出来るように、民間企業に建築と販売をセットで委託したと答えています。また、北側の戸建て部分は、良好な住環境を維持することを条件として戸建て用住宅地として土地を民間業者に売却するということでした。毎年約4000戸の住宅が挙窮されており、局長の挨拶通り抜本的な見直しを求めました。
 人工島の住宅地処分についての質問に、平成16年度売却予定のものが6月25日に積水ハウスと、7月20日に積水ハウスと福岡地所グループ、同じ日に九宅協開発と売買契約書が交わされたことが報告されました。3月末時点では協定書であったことについては、事業が確実に実施できるよう協議をするためであると答えています。しかし、売買契約が協定書の6月30日までということからずれ込んでいることを見ても、事業の見通しについて企業が厳しい見方をしており、さまざまな条件が付けられたのではないかと思われます。
 売買価格は戸建て部分が30,000円/㎡、共同住宅部分は平均93,000円/㎡となっています。住宅供給公社はB-1の部分は平成14年度に113,900円/㎡で購入しており、また戸建て部分(D)は30,000円/と売買価格を設定していること、積水グループへの売却価格を最終的に107,752㎡の土地を76億4000万円(70,600円/㎡)としているために、B-2、C部分は格安で博多港開発から購入しています。Cは77,600円/㎡、B-2は93,000円/㎡で博多港開発から住宅供給公社は購入しています。平成16年度時点では総額72億9,300万円になる価格(B-1は102,000円/㎡、Cは97,900円/㎡、Dは30,000円/㎡)ですが、B-2は平成20年までに売却となっており、それまでの管理費3億4700万円を加えた価格で売却するとしており、11,200円/㎡ほど高くなり104,200円/㎡となります。果たしてこれで売れるのかという私の質問に、建築局はそのときの状況によると答え、予定通りの価格で売れなければ住宅供給公社は赤字を抱えることになります。
 この売買状況を見ると、いかにデタラメな売買かが見えてきます。積水グループに購入してもらために、総額の価格を決めて造成原価とは関係なく叩き売ていることがよくわかります。事業見直しをした平成14年に住宅供給公社はB-1を113,900円/㎡で購入、平成15年度はD(戸建て)を62,000円/㎡、C-1を116,000円/㎡、平成16年度はC-2を118,000円/㎡購入となっていましたが、平均7万円/㎡で売却したのです。照葉プロジェクトの失敗後、何とか土地処分をすすめるために道路の価格82,500円/㎡よりも安い価格で叩き売るということになったのです。
 隣接する香住ヶ丘では公示価格は100,000円/㎡以上しており、戸建てが30,000万円/㎡はあまりにも安い価格で全く周辺の実態を無視したものとしかいいようがありません。しかも、購入した会社は当初から噂されていた積水ハウスと福岡地所という福岡市の埋立事業と深い関係を持つ会社でした。埋立原価をはるかに下回るこの販売による損失について、一体誰が責任を取るのでしょうか。そして誰が甘い汁を吸うことになるのでしょうか。
  
 福岡市住宅供給公社の審査の後、8月18日~20日の消防局関係の調査日程を確認して終わりました。