人工島タウンミーティング

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人工島・タウンミーティング
2005年2月1日(火)
福岡市と西日本新聞共催
テーマ:これからのアイランドシティを考える
コーディネーター:溝越西日本新聞論説委員会副委員長 
福岡市:山崎市長、松井港湾局理事
パネラー:出口九大大学院助教授、
     福井都市経済研究所研主任究員
     松本ウェットランドフォーラム代表、
     太田(株)都市・計画・設計研究所神戸事務所長
佐藤博多埠頭(株)顧問(元三井物産)

 まず、市長が人工島事業について、税金を使っているという批判があるが、道路や学校づくりは福岡市の将来への先行投資である。厳しい社会経済状況、金融状況があるが将来に必要なので事業を続ける。博多港開発では長期安定的に事業を続けられないので直轄化すると挨拶で述べた。続いて、松崎港湾局アイランドシティ経営計画部長から事業の概要の説明があり、その後、パネラーからの発言がなされた。パネラーの発言の趣旨は
太田:六甲アイランドについて映像を使って説明。自然と調和した街、景観を配慮、図書   館・美術館など公共施設の充実、外国人学校や病院を誘致、外国人向け住居も造っ   た。
出口:①埋立は都市の成長の問題、②人口減少で質が求められている、環境の視点が重要
   ③天神は海に近いにもかかわらず海が見えない、人工島は四面が海に囲まれており、    海との新しい関係が作れる、チャレンジの場になる。また、いい街をつくるため    には丁寧にインフラの整備をすべき。    
松本:国際水準の環境都市を福岡市が目指しており、人工島には多くの野鳥が飛来してお   り、人工島の擬似干潟を残して整備すべき。野鳥公園は狭く人工的で問題。
佐藤:九州は人口10%といわれているが経済は10%も満たない、この落差は視点経済   にある。東で荷下ろし、西へを流す構造から博多港を軸に西から東へに動かす構造   にするべき。そのためにには中小企業が業態毎に求まって事業を行う、市場拡大を   することが必要。いま人工島は推進14mのバースは1バースしかなく不便で、こ   のままでは船舶会社は逃げる。
福井:博多港を強化するためにはコスト削減、手続き時間の短縮、経費削減が必要。また、   外国企業および外国からの人材を誘致する対策が必要。アジア企業の誘致が必要。   市民全体が英語を話せることが国際化の基本である。

 会場からの意見や質問をアンケートで集約した。150枚ほどアンケートが出されたが、やはり人工島中を求めるものが多かったと紹介された。コーディネーターが取り上げた質問は①東区では住宅はは余っており、どうして人工島に住宅を造らないといけないのか、②野鳥の飛来が減っており、人工島の擬似干潟を残すべきではないか、であった。また会場からの質問は、①パラマウントを誘致すべきではないか、②市長は3度見直ししたが、その責任について、③人工島は破綻しており博多港開発は会社精算すべきではないか、④パネラーはバラ色の夢を語るが責任はとれるのか、が出された。
 山崎市長は、人工島に福祉・医療が整備された新しい街作る必要があること、ラムサール条約登録を目指すこと、野鳥公園は充分広いこと、パラマウントは土地を買うことが出来ないだろう、人工島が破綻していることの議論は議会でしているなどを答えた。

 今回のタウンミーティングは、人工島事業を宣伝する企画であることは表題を見ても明らかであった。六甲アイランドの話しはバブル期の話しであり、現在の福岡市には前例にならない。大阪市の事例や、神戸市のポートアイランド第二期埋立の現状、東京都の臨海副都心、みなとみらい21,大阪府のりんくうタウン、これらの現状を見れば、どうしてバラ色の展望を語れるのか不思議である。
 福岡市の人口減少は平成37年頃見込んでいると港湾局理事は言っているが、高齢化が進む中で土地処分が計画的に進むとは考えられない。港湾機能の話しと人工島の土地分譲の話は別の問題である。同時に、中国沿岸部が貿易の中心になることは避けられず、福岡市がハブ港になることはあり得ない。ローロー船が増えれば大型岸壁は必要なく、ガントリークレーンも必要なくなる。現に大型船はピーク時の半分に減っており、博多港の機能としては消費財輸入港という特質からもハブ港にはならない。
 今回のタウンミーティングのパネラーは無理矢理人工島にこじつけた理屈を展開している。山崎市長自ら「博多港開発では事業が出来ないから福岡市が埋立をする」と発言し、人工島計画が破綻していることを認めている。どんなに強弁しても、埋立はどぶに金を捨てるようなもであることがこのタウンミーティングでも見えた。