5月議会報告

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2005年5月17日(火)~19日(木)
17日(火):議案説明の後質疑
 今回の臨時議会は、3月20日に発生した福岡県西方沖地震の震災復旧のための専決処分および補正予算案でした。全会派および私の9名が質問に立ち、福岡市の震災復旧について質疑がなされました。特に問題になったことは①避難所での初期対応が出来ていないところがあったこと、②マンション被災の支援で、所得制限の問題と共用部の支援金支給について、③避難場所である小中学校の耐震補強について、④避難所での水・食料およびその他備品の備蓄について、⑤今後の財政運営についてでした。それぞれから、福岡市直下を震源とする直下型地震を想定した防災対策の見直しが求められました。以下私の質疑から。

 3月20日の本震および4月20日の余震による被害は市管理の道路や公共施設の被害は424億円程度、民間の被害額についてはまだ把握できてと答えています。市民の生活支援および民間事業者の支援に要する費用は約100億円程度と答えています。震災復旧費用の財源として、市管理の道路や公共施設の災害復旧事業の財源は国が2/3を負担、市は1/3を起債、その他市独自の災害支援制度や国の補助対象外の市単独事業についての費用等は起債および前年度の決算剰余金を充てることになります。現時点でも200億円を超える起債が必要であり、玄海島の具体的復旧が始まれば更に市の負担は増えることになります。
 3月および4月の緊急措置に必要な専決処分による支出および今回の補正予算の財源として、14億円余を起債、財政調整基金30億円余を取り崩しまた。その結果、財政調整基金の残高は8億6千万円ほど、財政調整に使える基金の残高は、13億円余となっています。また、予備費の執行状況状況は、3月および4月に合わせて1億円支出しており、残高は2億円程度になっています。
 このような中、財源確保として、事務費等の執行を5%の削減、公共事業の契約1%の削減するとしており、これにより10数億円の財源確保をするとしています。また、出来るだけ国の災害復旧事業の指定を受け特別交付税の基準財政需要に算入出来るよう、国に求めるとしています。
 このように、震災復旧に多大な費用が生じており、人工島事業など無駄な公共事業をやめるよう求めましたが、市は相変わらず福岡市の将来に必要であり、港湾施設や緑化フェアの準備の進行、住宅の建設など実績を上げており、事業を進めと言っています。果たして市民が納得いくでしょうか。

 次に被災者支援について、漁村特定地域(志賀島、勝馬、北崎校区)とその他の地域に支援策を分けた理由について説明を求めました。市は農漁村特定地域は面的な被害が大きく、生業と住居が一体となっており、高齢化が進んでいることから、住居の再建が出来なければ地域のコミュニティが壊れるということで手厚くしていると答えています。しかし住居は生活再建の基礎であり、農漁村部都心部とで異なるわけではありません。都心部においてマンションは一つのコミュニティを形成しており、マンション再建がコミュニティの維持の大きく関わります。所得制限等支援要件の緩和とマンション共用部について利子補給だけでなく支援金給付を求めました。

 次に埋埋立地における液状化による被害の状況および、淡水化施設の送水管の被害等人工島の被災状況についてお尋ねました。港湾局長は、海岸部において液状化による墳砂や地面の陥没、隆起、亀裂はあったが建造物の被害はなかった、また人工島も地面の陥没や隆起、亀裂はあったが住宅部部分には液状化は起こっていないと答えています。しかし、菜の花畑では液状化の跡が見られ、住宅建設が進んでいないために被害が顕在化していないだけです。

 地震に対する防災計画についての検証はこれからだとは思いますが、現時点で検証できものについてお尋ねました。。
 まず、阪神淡路大震災後、地震活動は静穏期から活動期に入ったと指摘されていましたが、市当局としてどのような認識を持っていたのかという問いに、これまで福岡市には大地震の記録がないことから、風水害中心の防災対策をしてきたことを率直に認めています。
また、今後福岡市直下を震源とする大地震に備えて、市の対応や市民の行動の検証、水・食料、消火器などの備品の備蓄、地盤調査やハザードマップの作成、耐震診断や耐震補強、地震保険など災害保険の加入促進に関心を持つなど、地震対策を進めると答えています。

 
18日(水):第4委員会
 第4委員会は建築局および都市整備局の専決処分についての審査、消防局については補正予算案および補正予算の専決処分がないため報告だけであった。
 建築局の専決処分は市営住宅の緊急補修の経費であり、本格的補修については6月に補正予算として出される。市営住宅135団地、2256件の被害、約3億円と見積もられている。被害の多くは外壁とのヒビなどで、1件11万円以上という国の補助基準に満たないものが多く、総額として補助対象に認めるよう国に寄せすることを求めた。補助対象になれば1/2が国の負担となる。大きな被害は東区37団地719軒、博多区38団地478軒と2区が多く、高層が被害が多く埋立地などの地盤の問題もある。平成7年~11年に耐震調査を行い、平成15年に2団地耐震補強をした。残りについては81年の法改正の基準を満たしていないが危険度は低いとし、改修時に合わせて耐震補強を行うと答えている。
 専決処分に関する質疑の後、被災者支援策等について説明がなされた。
1)市営住宅の高層階等からの住み替え要望について、敷金を再度取ることに関して見直しが求められた。現在相談は23件あるが、申し込みはないということであった。
2)本会議でも多くの会派が指摘していたことであるが、市独自の支援策の創設は評価するが、万諸運被害の救済について見直しを求めた。農業村特定地域(志賀島、勝馬、北崎校区)では、20%以上の被害について、条件なしで建て替え300万円、補修150万円を上限に1/3となっているが、他の地域は50%以上の被害で年齢制限と所得制限がある。その違いの理由として、特定地域は被害が面的に広いこと、生業一体となった地域で高齢化が進んでおり住宅再建が出来なければコミュニティが崩壊すること、財政上支援が広げられないことなどをあげた。しかし、住居は生活再建の基盤であり、特にマンションは都心部のコミュニテイの核となっていること、市民の7割は共同住宅に住んでいることなどを見ると、特定地域と同じような扱いにすべきであり、共用部の改築についても利子補給だけではなく支援金を給付するよう求めた。
3)3月の第4分科会の場でも、耐震診断と耐震補強の取り組みを求めたが、当局は国の補助制度を紹介すると答え、積極的に進める姿勢がなかった。今回の地震を受けて、改めて耐震心診断と耐震補強をを進めることを求めた。当局は他都市の事例も参考にして積極的に耐震診断と耐震補強に取り組むと答えた。

 都市整備局の専決処分は、百道浜や愛宕浜における液状化による公園の地割れや施設の損壊の緊急補修であった。被害は49ヶ所、7千万円、今回の専決処分は緊急を要する8ヶ所900万円となっている。その後の改修は6月議会で補正予算案として出される。特に意見はなかった。
 専決処分の審査の後、玄海島の復興について説明がなされた。玄海島の被災状況は負傷者10名、家屋被害は全壊107棟、半壊46棟、一部損壊61棟、計214棟となっている。4月25日に荒戸にあるカモメ広場に仮設住宅100戸に入居、翌26日には玄海島に設置された仮設住宅100戸に入居、43戸が市営住宅に入居。玄海島にこれ以上仮設住宅を造る計画はないかという問いに、島民間で調整しており、復興が済むまで変更はないと答えている。玄海島では斜面崩壊があり、4月から地盤調査をしている。
 復興に向けた体制づくりとして、3月21日「災害復興情報会議設置」(4月12日「玄海島復興推進会議」に名称変更。)3月29日、福岡県と共同で「玄海島災害普及対策連絡会議」設置。4月12日、山野副市長をリーダーに「玄海島復興プロジェクト」と「玄海島復興事務所」をを設置。玄海島冬眠の代表13名かなる「玄海島復興対策委員会」が設置され、5月7日に第1回の会議がなされた。
 島民の声が復興には円されるよう、市と冬眠の協議の場をキチンと作ることを求めた。

19日(木)
 委員長報告、討論の後採決。その後震災対策のための特別委員会設置を議決。その後の特別委員会理事会で6月9日(木)に特別委員開催を決めています。

5月臨時議会賛成討論
 議案第198号平成17年度補正予算案および議案第201号ないし209号平成16年度、平成17年度専決処分に賛成し討論を行います。
 本議案は去る3月20日に起こった福岡県西方沖地震の災害復旧に関する専決処分および補正予算案であり、市民生活再建支援に必要な措置として賛成するものです。しかし、今回の地震に対する備え、また震災復旧のあり方、この後の震災対策に関して指摘すべき点があり、意見を申し述べるものです。

 第1点は地震対策に真剣に取り組む必要がある点です。日本の地震活動は100年から150年の周期でプレート型の巨大地震が発生しており、静穏期と活動期が周期的にやってきます。静穏期においては巨大地震発生でエネルギーが解放されるため比較的地震は少なく、活動期になるとプレート間の歪みのエネルギーが蓄積され内陸部直下型地震が各地で発生します。平成7年に阪神淡路大震災が起こり、地震活動は静穏期から活動期に入ったと指摘されてきました。その後、鳥取大地震、震昨年暮れに起こった新潟中越地震と内陸部直下型大地震が起こっています。
 しかし、福岡市においては過去に大地震の記録がないことから大地震が起きないことを前提に防災計画が作られ、安心安全の街づくりとして耐震診断を計画的に行い、耐震補強を進めるなどの政策を積極的にとってきませんでした。また、小中学校や公民館等避難拠点において水・食糧の備蓄や消火器や発電機等備品の備蓄、耐震補強などを積極的に進めていませんでした。幸い震源地が福岡市直下でなかったこと、日曜日の昼前であったことから火災が起こらなかったこと、横ずれ地震で津波がなかったことなど好運に恵まれ、阪神淡路大震災に比べて被害が軽くてすみました。
 とはいえ、死者1名、重傷者50名、軽傷875名、計926名の人的被害、全壊家屋129戸、全壊共同住宅3棟、など計4720棟の家屋・共同住宅が被害を受け、玄海島をはじめ地域的には甚大な被害が出ています。市が管理する公共施設の被害額は424億円、災害復旧と市民の生活再建および民間事業者の事業再建に向けての支援に多大な経費が必要となっています。
 今回の地震は日本のどこでも大地震が起こり得ることを改めて示しました。福岡市には警固断層が中心部を走っており、福岡市直下を震源とする地震が何時起こってもおかしくありません。また、県内には南部の水縄断層、東部には西山断層など福岡市に比較的近いところに確度Ⅱの断層があります。決して福岡市は安全な街とは言えない状況です。今回の地震を教訓とするために、地震発生時での市の対応、市民の行動を震度7の状況を想定して検証する必要があります。
 福岡市の防災計画における震度分布の予測と今回の地震の震度分布には大きなずれがありました。地盤調査をおこない、福岡市直下を震源とする大地震、震度7を想定して、時間帯および気象条件を変えて被害のシミュレーションを行い、防災計画を見直しすることを求めます。
 また、これまで福岡市では耐震診断および耐震補強を積極的に進めてきませんでした。今回の地震により警固断層が動くことは否定できないことが明らかになっており、これまで積極的に進めてこなかった耐震診断と耐震補強を政策的に進めることを求めます。更に、地震及び風水害に備えての災害保険加入促進について、政策的検討を求めます。
 
 次に第2点として、今回の地震で改めて埋立地には必ず液状化が起こりることが示され、人工島埋立事業を見直す必要があることです。
 埋立地は地盤が弱いために揺れが大きく必ず液状化が起こり、大きな被害を出します。今回の地震において、愛宕浜や百道浜では液状化による地盤沈下や地面の亀裂、陥没、マンホールの隆起などの被害が、人工島でも液状化により地盤沈下、道路の隆起、陥没、道路のひび割れと被害が出ています。人工島では液状化により地盤が1メートル以上隆起し淡水化施設からの送水管が破壊され、外周護岸はひびが多く入っていました。人工島では家屋等の建築が進んでいなかったために被害が顕在化していませんが、このようなところに住居や病院を造ることが決して適当ではなく、まして博多港開発救済のために病院移転や青果市場移転を進めていいはずはありません。福岡市内の住宅は既に余っており、今回の地震で、人工島に「新しい都市空間」を作る必要性がないことが更にはっきりとしました。この際、人工島事業を抜本的に見直しすることを求めます。

 第3点は、今回の地震により、どこに優先的に財源を投入すべきか、改めて福岡市政が問われています。
 今回の地震により、福岡市の財政に余裕がない状況であることが露呈しました。これまでも市財政は厳しい状況が続くとされ、平成17年度予算においては、昨年に引き続き財政調整基金をはじめ、本来取り崩すべきでない諸基金、また外郭団体の基金など、計118億円余が取り崩され、基金全体として底をつく状況に近づいていました。今回の福岡県西方沖地震による震災復旧のために財政調整基金30億円余が取り崩され、財政調整基金を含め財政調整に使える基金は残りわずか13億円となり、すでに他の基金も底をつき始めておりさらに危機的状況となっています。
 厳しい財政状況で、災害復旧、市民生活再建の支援、民間事業者の事業活動再建の支援、加えて福岡市直下を震源とする大地震に備えて震災対策、今後の不測の事態に備えるために予備費の積み増しなど、安心安全なまちづくりに向けての財政需要が膨らみます。市は震災復旧の財源確保に一般会計の執行を5%削減するとしていますが、この取り組みでの財源は10数億円程度であり、更に財政支出を抑制する必要があります。現状では新たな不測の事態が生じれは、もはや対応できない状況になりかねません。このような中で、不要不急の事業の中止、破綻が明らかな人工島事業を中止、破綻している博多港開発の清算を行い、これ以上無駄な税金を使うことやめるよう求めます。

 第4点は震災復興に当たり、生活再建のもととなる住居の確保についてです。今回、市独自の単独事業による支援制度を創設したことは評価できますが、都心部の復旧については必ずしも充分とはいえません。大名・薬院地域では甚大なマンション被害が出ており、マンションの再建が住民の大きな課題です。阪神淡路大震災でもマンションの再建が大きな課題となりました。先日の質疑でも指摘がなされましたが、福岡市において7割の世帯が共同住宅に暮らしており、共同住宅が一つのコミュニティを形成しています。マンションが都心部での最も基礎的なコミュニテイの単位となっていることからも、マンション再建の支援は社会的に大きな意味があります。
 都心部におけるコミュニティ再建のために、マンション被害の支援金制度は農漁村特定地域同様にするとともに、共用部の復旧については利子補給だけでなく支援金給付をすべきです。財政難を理由に支援金給付をしようとしていませんが、人工島に無駄な税金を使うことを止めれば十分対応できるはずです。今後の震災対策として、都心部におけるマンション対策を視野に置くことを強く求めます。
 
 今回好運が重なり、阪神淡路大震災のような被害には遭わなくてすみました。しかし、地震発生した3月20日夜、副市長が執務室で酒を飲み、それを誰もとがめない、市長も何ら措置を執らなかったことは、現場の市職員の努力に汚点をつけるものです。市責任者の緊張感のなさを真摯に反省することを求めます。その真摯な反省のうえで、福岡市直下を震源とする地震を想定して防災計画を立てること、計画が実行あるものにするために地域や行政機関において定期的に地震に関する訓練を実施することを求めます。
 今後も厳しい財政状況が続く中で、どこに優先的に税金を使うのかが改めて問われおり、市民生活優先に税金は使われるべきです。市民生活再建の支援および民間事業者の事業再建支援、そして福岡市直下を震源とする地震に備えての安心安全なまちづくりにまず優先的に税金を使うことを求めます。
 これまで、市長は漠然と人工島事業は福岡市の将来に必要だと言い続けていますが、銀行でさえ融資をしない破綻している事業を、福岡市が権利を買い取って事業を続けても結果が変わるわけではありません。全国各地の埋立事業で成功した例がないことを見ても、人工島事業を続ける意味はありません。震災対策を充実させるために、破綻している博多港開救済にこれ以上無駄な税金を使わないこと、そして人工島建設中止を求めます。
 以上の意見を述べて賛成討論を終わります。