震災特別委員会

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2005年6月9日(木)

 まず市からⅠ地震および被害状況について、Ⅱ公共施設の普及状況、Ⅲ被災者生活再建支援について、Ⅳ中小企業者および農林業業者等に対する経営支援について、Ⅴ玄界島の復旧・復興に向けた取り組み、Ⅵ福岡市地震災害復旧・復興本部について、報告がなされた。この後各会派が持ち時間制で質疑を行った。
 この特別委員会では、福岡市が地震は起こらないということで何も用意をしていなかったことが重ねて明かになった。しかも、今後直近に地震が起こると思っておらず、震災対策についても不十分であることが明かとなった。小中学校や避難場所となる体育館などの耐震補強が急がれるが、積極的に動く気配は感じられない。また、民間施設の耐震診断、耐震補強についてもし独自の施策として進める動きはない。また備蓄についても、水食糧の備蓄は27000食しか考えておらず、横浜市等に比べ大幅に少ない。避難施設についても長期避難を考えているとは思えず、施設整備の考えは示されていない。被災者支援についても、あくまでも国の施策の補完的なものであるとして、年齢・所得制限の撤廃などの支援制度の拡大を拒んでいる。国はあくまでも個人資産については補償しないとしているが、住宅再建は生活再建の基礎であり、いわゆる個人資産と見るべきではない。兵庫県の災害被害住宅再建共済制度のような制度も必要である。
 以下特別委員会で出された論点は、
①震度7を想定した防災計画の見直しをすべき、
・地盤調査とハザードマップの作成
②耐震診断と耐震補強を横浜市のように市独自の施策として進めるべき
・横浜市は耐震診断は無料、耐震補強は助成している
・市内で耐震診断が必要な建物は162,000棟、内戸建ては55,000戸
 昨年の耐震診断はわずか5件
③民間の病院等の耐補強を進めるべき
・118病院の内耐震が必要に規模の病院は47病院、内11病院は耐震設計
④公共施設の耐震補強早急にすべき
・市役所本庁舎および消防本部は建築基準の1.5倍、区役所や消防署は1.25倍の強度となっている。断層真上にあること、本庁舎に近いことから消防本部の移転の必要性 が提起された。
・市営住宅は改修時に補強しているが、それ以外では2団地のみ耐震補強をしている。それ以外は当面大丈夫と判断している。
・こども病院と市民病院は統合移転後耐震化する
・小中学校棟は、耐震診断が必要な学校は170校、平成16年2校、17年4校耐震補 強を実施。市は年間4~5校補強すると言っているがこのペースでは20年以上かかるため、早急に実施が求められた。
・体育館60館について耐震補強が必要。建て替えれば150億円、補強では30億円。
・公民館144館の内、耐震補強が必要な公民館は11館
・水道、ガス、電気、下水等のインフラの耐震化
⑤長期避難に備えて避難場所にシャワーなどの整備をすべき
⑥水食料等の備蓄をすべき
・福岡市は今後備蓄倉庫2ヶ所に27000食を備蓄するとしているが、横浜市の20万食などに比べると全く話しにならない。
⑦共同住宅被災者への復興支援について地震被災住宅再建支援金およびマンション共用部の支援について年齢制限・所得制限の撤廃を求める
⑧地震被災住宅再建支援金の適応を一部損壊にも広げるべき
・神戸市の震災不幸基金農制度や、鳥取嫌悪制度、兵庫県の災害被害住宅再建共済制度のような制度が求められた。
⑨初期対応が必ずしもうまくいっていなかったのではないか
・避難場所の開設がスムーズに出来なかった
⑩就学児童の安全確保の対策
⑪地域防災体制の強化
・自主防災組織は144校区の内76校区に出来ている。しかし、今回必ずしも機能したところばかりでない。
・防災士の育成(全国5433人、福岡県13人)
・ボランティア、特に専門ボランティアのネットワークとコーディネートできるリーダーの育成。
・市は福祉協議会を軸にネットワークくりとリーダー研修を進めているとしている。
⑫要援護者の避難誘導体制の整備と訓練
・民生委員や障害者団体を通じて登録を進めている。地域の複数の人と連絡できるように求められている。
・外国人に対する避難誘導の体制
・実地訓練の必要性
⑬被災者総合相談窓口の設置を防災計画に組み入れるべき
⑭中小事業者、農林漁業者への支援の充実
⑮オープンスペースの確保と不燃化の推進など二次災害防止の街のつくりに
⑯震災時の情報提供、安否確認および震災時の帰宅体制について
・公民館には防災無線が設置されている
・登録者には震災メールをおくる
・報道機関に協力を求める