人工島見直し現地ツアー募集

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 いま福岡市では昨年の市長選挙の公約に従い、吉田市長は人工島事業見直しをしています。この人工島見直しの論点は

①平成16年に山崎前市長が2度目の人工島見直しを行い、博多港開発から399億円で買い取った市第5工区(旧博多港開発第2工区)95㌶の埋立地の埋立を続けるのか否か。

②子ども病院市民病院の統合移転をどう見直すのか

③港湾整備を従来通り進めるのか

です。

①なぜ福岡市が博多港開発から博多港開発第2工区を買い取らなければならなかったのか。それは、銀行団がこれ以上埋立事業には融資できないとして、銀行の損害をなくすために福岡市に融資した額に見合う価格(これまでに要した費用及びその金利)で福岡市に買い取らせたからです。つまり、銀行団はこの事業は破綻しており、採算が取れないとしたためです。では、福岡市が肩代わりして埋立を続けると展望が開けるのでしょうか。

 吉田市長は埋立を止めるとこれまで投資した費用が無駄になると入っています。ではこの理屈は本当でしょうか。埋立を続けるためには更に300億円、埋立が終わった土地に道路や下水道、公園などを整備するために100数十億円かかります。そして土地を売るためには更に補助金が使われ、市が購入するなど税金が注ぎ込まれます。

 6月公表された中間報告では、人工島の土地処分は難しい、企業誘致も難しい、土地処分を前提にした事業計画に問題があるとしています。これを素直にくみ取れば、売れない土地を作るために税金を注ぎ込み、更に売れない土地を売るために税金を使い、博多港開発第1工区(照葉の街)に見られるように土地の造成原価を大幅に下回る価格(照り葉の街では造成原価の半額)で土地を売り、様々の補助金付けで土地を売ることになります。結果として市民に大きな借金を残すことになりかねません。

 吉田市長の発想は、損したお金を取り戻すためにお以前を当時、更に損を増やす博打と同じことをしようとしています。ハッキリと人工島事業の破綻を見切り、これ以上の捨て金を作らない決断が必要です。これまでの損失の責任は別途取るべきです。破綻の責任問題と無駄な公共事業継続とはキチンと区別して議論しなければいけません。

 市民の財産にするためには、第一にはこれ以上無駄な税金は使わない、第二に市第5工区はまた埋立は終わっておらず水辺が残っているので、ここを干潟に復元し、和白干潟と一体の保全を進め、博多湾の自然を生かした街づくりをすべきです。福岡市の歴史と文化と自然を生かした街づくりを見直すいい機会です。

 福岡市ではマンション問題が多発しています。その背景には、福岡市が街づくりについてトータルな視点を持ち合わせいないことにあります。その典型を上げると、一つは御供所町の景観指定地区に隣接した場所に40階建てのマンション計画が出されようとしたことです。幸いにも住民の反対で計画は見送られましたが、市の都市計画に本質的な問題があります。

 二つ目場愛宕浜の問題です。ここは市が決めたルールを市が自ら壊すというものです。まさに市民を愚弄するご都合主義の典型であり、犯罪です。

 三つ目が東区香椎操車場跡地に10棟もの高層マンションを屏風のように立てる計画を黙認していることです。住民には戸建てと説明していたものを、土地を高く売るために高層マンション建設を容認、それも屏風のように建てることを黙認してきたことです。屏風のようなマンションができれば何が起こるか誰でも想像がつきます。環境アセスさえしようとしていません。

 今回の人工島見直しはまさに街づくりの視点が問われていますが、残念ながら売れな土地を作り、どうしたら売れない土地を売ることができるかとう言う見直しになろうとしており、福岡市全体を俯瞰した街づくりの視点がないことに大きな問題があります。 

②子ども病院と市民病院の頭語移転の見直しについては、福岡市の財政問題を軸に、公立病院が果たす役割を見直すとしています。国や県の病院行政の変化、また九大病院に小児科センターや救急救命センターが作られなどの環境の変化を上げています。人工島への移転の必要性や、病院経営のあり方の見直しも提言されています。市民にとって長必要なのか、税金の無駄遣いにならないような見直しが必要です。

③産業構造や物流形態が大きく変わっています。博多港でも、3万トン以上の船の入港は減り、1万とクラスのコンテナ船が増えています。取り扱い港も中国・韓国とのと取り扱いが3分の2をしめています。これらの状況を見ると、博多港は一層フィダー港化している実態があります。

 今回の見直しでも、港湾整備特別会計はどう見ても通常の企業活動から見ると異常なものとしか言えません。臨海機能整備事業(ガントリクレーンや倉庫などの利用料で収支を取る)は70年かかって収支が合う計画になっています。このような長期の計画は事実上見通しがつかないことを意味するのではないでしょうか。しかもその収支計画には25年毎に必要な設備の更新は計算には入れられていません。
 また、臨海土地整備事業は50年にで収支が合う計画になっています。それも計画通りに土地処分ができたとしてですが、現状では土地は計画通りに売れていません。
 以上のことから考えても、港湾整備計画は抜本的に見直しが必要です。

 そこで、市民の目で人工島見直しの現場を見るツアーを計画しました。多くの方の参加をお待ちしています。