MOXが玄海原発に到着

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 昨日23日(土)にフランスから使用済み核燃料を再処理したプルトニュウム混合ウラン燃料が玄海原子力発電所に搬入されました。九州電力は全国にさきがけ、11月からMOXを使って原子力発電を稼働させるとしています。九州電力では現在使用している炉をその間も使用するとしていますが、日本が再処理を委託したヨーロッパの国々はプルトニウム利用から撤退ししています。世界的にも例のない運転計画であり危険性が高く、事故が起これば玄界原発から70km程度しかない福岡市内も西風に乗った死の灰により危険にさらされます。プルトニュウムは毒性が強く、半減期は2万4千年といわれています。一旦事故が起これば重大な被害が長期にわたり生じることになります。
 地球温暖化が喫緊の課題となっており、その対策に原子力発電所が注目されていますが問題です。再生可能なエネルギーを推進すべきであり、原子力発電、ましてプルサーマルを始めることはやめるべきです。先日、日本政府はポスト京都議定書として、2020年までのCO2削減中期目標について公聴会を開きました。政府は1990年度比+4%からマイナス25%の6案を示しました。産業界は+4%を支持、NGOはマイナス25%を支持という報道がありました。EUでは2020までに1990年比20%削減を2007年に決定しており、既に前倒しで実現可能といわれています。
 EUでは2020年までに全エネルギーの20%を再生可能なエネルギーとすることを決めており、スエーデンでは2020までに再生可能なエネルギーを全エネルギーの50%にする、ドイツでは2050年までに再生可能なエネルギーは全エネルギーの50%を目標にしており、アメリカでさえ25%を目標としています。ところが、日本の再生可能なエネルギーが全エネルギーに占める割合の目標はなんと1.6%ととても信じられない計画となっています。
 ドイツを始めEUでは太陽光発電でだけでなく、風力発電、菜種油のダイオディーゼル、バイオガス、木材によるエネルギー(暖房や発電)など多様な再生可能なエネルギーを進めています。しかし、日本では多様な再生可能エネルギーに対する政策は極めて遅れています。CO2対策としては排出権取引により一時的な帳尻合わせの発想しかなく、根本的な環境政策がありません。今回のプルサーマル計画の本質的な問題点は、再生可能な脳エネルギーを推進する環境政策を真剣に考えていないことにあります。
 
 原子力発電は決してクリーンなエネルギーではありません。ウランの採掘、濃縮、輸送には多大なエネルギーを消費し、多くのCO2を排出します。更に使用済み燃料および関連機器なお放射性物質を排出し、その勝利ができない問題を抱えています。プルトニュウムは核のリサイクルといいますが、再処理をする施設周辺でのでの放射能汚染、プルトニュウムの毒性、更に核爆弾の原料を保有することの危険、再処理廃棄物の処理と危険がいっぱいです。
 プルサーマル問題は、脱原発社会をどのように作るのかが問われています。脱原発社会、エネルギー浪費社会からエネルギー消費削減社会および再生可能なエネルギー利用社会への転換を実現することが求められています。