福岡市の都市計画の杜撰さ:人工島への高速度路導入問題

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 先日福岡市、福岡県、国で人工島に高速道路を接続させることが合意されたと報道されました。何故今頃このようなことが議論されるのでしょうか。福岡市の都市計画の杜撰さを改めて示したものです。これまで福岡市はウォターフロント開発と称して海岸部の埋立や、鮮魚会館、ベイサイドプレス、マリンメッセなど箱ものづくりを進めてきました。しかし、交通体系が全く検討されないままに箱ものづくりをするため、街は不連続な回遊性がない構造になっています。
 今回高速道路を人工島に延伸することが合意されましたが、環境アセスや財源の問題があり10年以上かかると見られ、こども病院の人工島移転や青果市場移転には間に合いません。話しによると青果市場移転に反対する人たちへの説得に高速道路を間に合わせると言うことであったということですが、関係者をだます手口が横行していることが垣間見えます。
 今回のこども病院人工島移転でも、「現地立替は高くつく、人工島移転が安い」と市民をだました手口と同じ発想です。トータルな都市計画の視点に立たず、個別の利権に振り回され、場当たり的な対応、場合によっては市民をだましてでも目的を果たすという手口は、行政不信を生じさせるものです。このことは福岡市の住宅政策やマンション問題などにも現れています。福岡市の根本的問題は、将来を見通す都市計画の視点に欠如しており、市民の声が反映できる仕組みがないことにあります。