福岡市教育委員会・夾竹桃を全て伐採

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 今朝の新聞(12/11)に福岡市は「夾竹桃に毒がある」という一通の手紙で全ての市立学校の夾竹桃約600本を伐採するという記事が掲載されていました。オレアンドリンという毒が含まれているということですが、食べなければ全く問題がないと専門家は言っています。スズランなど毒を含む植物は他にもあり、食べないよう注意を喚起すればとりわけ危険なものではないということです。問題なのは、キチンと調査・検討をせず、過剰に反応したことです。こどもの命を守る為と言うより組織保全の判断が動いたとしか言いようがありません。
 それにしても不思議なことは、人工島の学校用地および予定地からヒ素が基準の4.9倍検出されていることに何の反応も示さないことです。福岡市はこれまで北部九州の地質から検出される量と大差ない、人為的な由来でない、地下水は使わないので問題なとしてきましたが、埃などで長期に摂取する可能性があることを考えると大変問題と考えます。自然由来と人為的由来とでヒ素の毒性が変わる訳ではありません。一般的に毒性についてはむしろ乳幼児や小児は大人より極めて大きな影響があると言われており、不特定多数のこどもや乳幼児が生活する場に、ヒ素が含まれていることが判っている土壌を使用したことに問題があります。水俣の有機水銀中毒に見られるように、ヒ素の慢性中毒は極めて判断が難しく、「慎重なる回避」という予防思想が福岡市には欠如していることに問題があります。さらに、安全宣言をして何ら対策を取らない専門家なる人たちの責任は大きいと言えます。
 今回の「夾竹桃事件」は保身に走る行政の滑稽さと同時に、御用学者の権威を利用する政治的な行為に口をつぐむ行政の姿が対照的に見えてきます。このような福岡市で良いはずはありません。