「都市未来ふくおか」の清算・成長志向の終焉

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 「都市未来ふくおか」が清算することになりました。1988年に都市科学研究所(現在福岡アジア都市研究所)とセットで設立されました。都市科学研究所が都市政策を作り、都市未来ふくおかが都市開発を進めるという構造です。この組み合わせで福岡市の都市開発が進められてきました。福岡市ー桑原市政がバブル期の右肩上がりの経済を前提に都市膨張政策を進めてきた原動力です。元気な都市と言われてきた福岡市は、実は地下鉄建設や人工島建設、ユニバシアード誘致、ベイサイドプレなど臨海部の開発、博多リバレインなどの都市開発により、桑原市政12年間で1兆円の借金を築いたのです。そして都市開発で成功した例はないのが現状です。
 都市未来ふくおかは博多リバレインのSBCが2002年に破綻したことにより63億円の債務保証を抱え、2010年3月時点では90億円の債務を抱えて破綻です。福岡市の出資額2億5千万円は消えてなくなります。これまでもベイサイドプレスの破綻などで次々と出資金と言う市民のお金が消えてきました。今回の都市未来ふくおかの破綻清算は経済成長主義による都市膨張政策の終焉を物語るものです。
 ところが、吉田市政は相変わらず経済成長を前提とした都市膨張政策を続けています。高齢化が更に進み人口減少が始まり、日本経済は構造的にゼロ成長の時代になっているにもかかわらず舵を切ることができていません。税収の減少と歳出の抑制を進め、同時に都市経済を維持し市民の生活を守ると言う二律背反をどう実現するのか、まさに政策の選択と集中をしなければなりません。過大な投資をするこども病院人工島移転は論外です。持続可能な福岡市を実現するためには、まさに身の丈にあった公共投資と福祉・教育への投資、NPO・NGOなど市民活動の新規事業支援の投資、福岡市の資源を生かした街づくりによる地場民間事業による活性化です。