参議院議員選挙の結果と市長選

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 去る7月11日投票の参議院議員選挙の結果は民主党大敗という結果になりました。しかし、票の動きを見ると、選挙区では民主党が自民党に大敗しつつも比例では民主党が自民党の得票数を400万票上回るという結果となっており、必ずしも自民党復活を国民が望んでいないことが窺えます。みんなの党が浮動票の受け皿になった状況であり、国民の意思は旧来の構造を変えてほしいという結果ではなかったかと思われます。福岡県の状況を見ても、そのような動きを感じます。
 11月に予定されている福岡市長選に於いてこのような状況を勘案すると、福岡市政を変える大きなチャンスと思われます。こども病院人工島移転は単なる病院移転場所の是非を問うものではなく、福岡市政の将来を問う問題です。ギリシャ財政破綻による世界金融の動揺はEUのてこ入れでとりあえずは回避しているものの、本質的な解決には至っていません。資本主義社会が物作りの実体経済から大きく乖離した投機資金が支配するシステムに変質したことは、今後とも「市場」が支配する不安定な経済を意味します。そのような状況で、高齢化が一段と進み、人口減少が始まり、日本経済が縮小へ向かうと同時に財政支出の圧力が一段と強くなります。増税の議論が始まろうとしていますが、国民の借金は1000兆円(GDPの2倍強)を超え、先進国最悪の財政状況にあり、国の財政および地方財政の抜本的な改革は避けられません。
 このような状況で、財政負担が極めて大きい「こども病院人工島移転計画」が認められるはずはありません。こども病院が最もアクセスの悪い人工島に移転することで、緊急時にこどもの命が救えなくなる、まさに医療の質の低下、その一方で毎年30億円の赤字を30年間出し続ける市民負担増える計画は、財政健全化を進めなければならない福岡市政に於いて認められるはずはありません。現地立て替えを含め、市の中央部に整備する事が、より安い費用でより良い医療を提供出るのです。何故現場の医師の声を聞かないのでしょうか、何故患者・家族の声を聞かないのでしょうか、何故市民の声を聞かないのでしょうか、ここにいまの福岡市政の問題があります。
 こども病院人工島移転撤回を公約する市長に交代させる事は、福岡市政を変える事につながるのです。