文化・スポーツ振興推進協議会調査

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 福岡市では市民体育館と市民会館の建て替えが検討されています。文化・スポーツ振興推進協議会で、比較的新しい施設を調査に行きました。文化・スポーツ施設は収益施設でないだけに、建設費だけでなく維持管理費が市民負担になることを考えると、建て替えについて規模、施設内容、場所、財政状況を市民を含めて議論が必要です。

文化・スポーツ振興推進協議会調査
2011年11月10日、11日

10日 小牧市小牧スポーツ公園 パークアリーナ小牧
施設 都市公園
   メインアリーナ 40m×65m 固定席(2階)1868席 可働席1120席           車いす12席 2階席の後ろはジョギングコース 1周250m
           フットサル、音楽会、展示会等も可
   サブアリーナ 35m×40m 固定席300席 車席2席
   トレーニング事務棟(ジムと会議室)トレーニング室には32種58台の器具
   サッカー場 人工芝 ゴム粒子を撒いている
   交流ホール・こども運動室 使用料無料
   駐車場 600台
   総事業費 168億円 (補助金26億円、内サッカー場2億円)
        建物 110億円 体育館施設80億円 サッカー場 4億2千万円 
用地費 58億円(地権者80名)
        補助金の関係で都市公園とした
   平成12年に体育館、平成20年にサッカー場供用
   災害避難拠点として、非常用発電、食糧の備蓄
   雨水利用施設 雑用水および散水用(470l)
   トレーニングジム棟は屋上緑化し公園と一体化

業務、設計施工は住都公団に委託 費用はかさむが事務手続きがスムースにいくことや人 員を配置しなくてすむということであった   

建設理由 バスケット2面の体育館1館、バスケット1面の体育館1館しかなく、市民要     望による
場所選定 まとまった土地がなかったこととは一バランスによる
     
運営 小牧市体育協会が指定管理者
委託料 4億820万円
   事業収入 体育館関係 2,249万円
        トレーニングジム 
        計4,191万円
 
利用状況 メインアリーナ 22万人 75%(92%) 750万円
     サブアリーナ 9万8千人 79%(89%) 360万円
     サッカー場  6万5千人 62%(83%) 720万円
会議室    6万5千人 49%      401万円
トレーニングジム 8万4千人

     市内7割、市外3割

11日 神奈川芸術劇場
建設の経緯
 県営病院跡地の民間による再開発がリーマンショックで中座。山下公園、中華街、元町 地区をつなぐ地域活性化のために県が事業を行う。現在一部は空き地、一部は自動車販 売店の状況。
 
建物はNHKと合築 県125億円 NHK40億円
芸術劇場は神奈川県芸術振興財団が指定管理者
その他、県民ホール、県立音楽堂(音楽専用)、アートホール(神奈川シンフォニー)を管理

芸術劇場の目標
■ものを作る 新しい劇場作品を作る
■人を作る  技術者、政策スタッフなどの育成
       アートマネージメント 大学からのインターシップや大学での講義
      (現実的にはアートマネージメントを学んでも職場がない状況がある)
       職員間の経験交流、
■街を作る  地域つなぐ回遊性、集客施設としての機能

メインホール 赤と黒の色調 あでやかな雰囲気で好評とのこと
 高度な設備 床は合板で取り外し可、席は横列ごとに上下可動 舞台枠の移動
       舞台の奥行きが深い、大きいリフト、数多いつり下げバー
       カンパニースタッフ室を舞台に設置 バレー、歌舞伎も対応
       劇場用の反響しない音響設計
       ホール以外に大・中・小練習場兼劇場、専用練習場、トイレ、クローク
       喫茶コーナー(催事時1階レストランが経営)、
       保育室(催事時に専門業者に委託、託児料2000円)

事業 自主事業が5割、貸館事業
   10ヶ月の状況はまずまずの出だし、集客は出演者によることは避けられない
   維持管理費は年間7億円

案内者から松本市民劇場の視察を進められた。

考察
 文化施設は不可欠の要素であるが、博多座との兼ね合いで市民会館をどのような施設にするのか、費用と効果を検討する必要がある。