2月議会補正予算

Pocket

2月議会補正予算案はでは消費税値上げの影響を緩和するための「好循環実現のための経済対策」による補正でした。議案として問題になったのは、①この経済対策によってようやく小中学校全校を対象にした空調機設置をすることになったこと、②立地交付金の増額、③中央保育園移転について、保育園父母等の反対の声があり、着工が①っかげつおくれたことに対して議会に報告しないまま要綱を変更し、着工遅れによる経費増額分の3/4である3,568万円を追加補助したことでした。中央保育園移転移管する補助金の交付についての議案質疑に、こども未来局局長が「要綱がなくても地方自治法232条の2によって補助できる」と答弁し、更に福岡市の隠蔽体質が問題となった議会でした。

2月議会反対討論
私は今議会に上程された諸議案の内、議案第1号、議案第6号、議案第13,議案第19号ないし議案第22号、議案第24号ないし議案第26号、に反対して討論をします。

今議会の補正予算は4月から消費税5%から8%に上げることによる経済への影響を緩和するための「好循環実現のための経済対策」による補助金及び地域の元気交付金等による補正です。事業対象は、切れ目なく公共事業が出来るよう、即効性が高いものや緊急性があるものなどとなっています。今回の補助金や交付金を活用し、市民に必要な事業を進めることは必要ですが、景気対策を進める最も効果的な施策は消費税値上げをやめることです。この様な観点から、消費税値上げに関連する議案に反対するものです。

次に立地交付金増額について述べます。厳しい財政状況が続く中で、立地交付金のあり方は問題です。とりわけ人工島における立地交付金は地価を値下げしても土地処分は進まない破綻した人工島事業の救済であり、市民負担を増やすだけです。今議会の補正予算でも、人工島の土地処分は計画通り進んでいないために港湾整備事業基金の積立が減額となっており、事業の破綻は一層鮮明になっています。北九州市は埋立事業の破綻を認め、三セク債を使い事業の清算をするとしています。人工島事業も抜本的な見直しが必要です。人工島事業での立地交付金の原資として一般会計に港湾整備基金から貸し付けを行っていますが、これは市民負担を増すことであり、当初人工島に一銭も税金は使わないと説明したことに反することです。これ以上破綻したした人工島事業に税金をつぎ込むことをやめるよう求めます。よって立地交付金増額に反対します。

今回の一般会計補正予算案における中央保育園移転に関する補助は、市長が中央保育園と児童館合築による建て替え計画を突如変更したことに端を発しています。着工を遅らさざるを得なくなった理由は、保育の環境に適さないことや災害時の避難に問題があるなど指摘する利用者や市民の声、保育士などの現場の声を無視して計画変更し、移転強行したことにあります。そもそも移転の理由はこどものためではなく、西鉄による児童館と商業施設の合築による再開発、それに伴う中央保育園の移転と福住の土地転がしの利権によるものといえます。今回の着工の遅れは市民の声を無視して移転計画を強行した結果であり、その責任は市長が負うべきものです。加えて、補助金の支出のあり方も問題です。
地方自治法第232条の2は「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄付または補助をすることが出来る」となっていますが、自由裁量のもではないとされ、客観的な必要性を求めています。この客観的必要性を明らかにするために条例および規則が作られ、要綱を定めて運用しています。この趣旨からすると、今回の議会に報告及び説明がないまま要綱を変更して補助することは、恣意的でありあまりにも姑息な手段としかいいようがありません。しかも、今回の要項改正の中身は補助の制限をなくす、新たに補助の額について市長が特に必要と認めた場合増額できる旨を加えるなど、中央保育園移転で指摘されてきた問題を隠蔽するものです。今回の要綱改正については議会での議論が必要と考えられる変更です。議会に報告及び説明をしないまま要綱を改正し補助することは、法が要求する客観的必要性に欠けると言えます。この様な補助は執行すべきでなく、よって反対します。

財務省の報告によれば12月末における国の公債発行残高及び借入金の総額は1017兆9千億円余、前年同期に比べ26兆3千億円余と借金は増え続け、地方の借金200兆円を加えれば国民一人当たり1千万円の借金にもなっています。国は財政規律を無視したバラマキとも非難されている経済対策をこれ以上続けるべきではありません。今回の「好循環実現のための経済対策」の財源は税の増収分等により新たな国債発行によらないとしていますが、本来この財源は債務の削減に使われるべきものです。地方財政においても財政規律を守らなければなりません。経済対策に伴う新たな起債は地方財政を将来にわたり悪化させることになります。補助金や交付金などを活用して、学校施設空調整備事業など市民に必要な事業を進捗させると共に、地域の雇用創出とさらなる財政健全化を求めます。