2月議会報告

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25年度決算の黒字による財政調整基金47億円積立をはじめとする基金の積立および昨年12月27日閣議決定された「地方に対する緊急経済対策」3.1兆円規模の増額補正によるものが主たるものです。福岡市での主たる事業は人工島の青果市場建設費国庫補助100億円余増額、都市公園整備国庫補助12億円余増額など既存事業費の補助増額と、地域創生交付金としてプレミアム商品券発行助成や子ども応援券(商品券)が3月議会に上程されます。住宅リフォーム助成制度のような地域の中小企業ができる小規模な公共事業を実施しなければ、バラマキになりかねない内容と考えています。その他、人工島事業救済のため市民体育館建設用地購入47億円、一般議案として志賀島航路大岳寄港廃止が出されました。

2月補正予算議会反対討論

本議会に上程されました諸議案の内議案第1号、議案第6号ないs第9号、議案第12号、議案第13号、議案第16号、議案第18号に反対して討論を行います。

まず、議案第1号平成26年度福岡市一般会計補正予算案および議案第7号補正26年度福岡市港湾整備事業特別会計補正予算案の中で、市民体育館建設予定地取得の問題および企業立地交付金に関して反対意見を述べます。

市民体育館予定取得については,なぜ今補正予算に挙げないといけないのか、その理由は全く不明です。3月にPFI事業者を公募する予定としており公募前に土地の取得が必要という理由を挙げていますが、その説明をした2月4日の文化・スポーツ振興推進協議会では土地取得に関する報告はなく、議会を軽視するものです。仮に用地を取得するのであれば新年度予算でも問題はなく、なぜ今補正予算で突如購入をするのか、それは港湾局の都合でしかないことは明らかです。港湾整備事業特別会計の資金繰りのために突如補正予算で購入を決めるという今回の補正予算案は、破綻した人工島救済のための市民体育館移転でしかないことを改めて示しています。

そもそも市民体育館の設置場所として人工島が適地なのかを見ると、こども病院人工島移転や青果市場の人工島移転同様に、土地処分が進まない人工島事業救済のためであることは明らかです。そこには市民のための市政は存在しません。人工島の市民体育館建設予定地と九大箱崎キャンパス跡地を比較すれば一目瞭然であり、人工島には鉄軌道がないうえ、交通の利便性が悪く、駐車場の規模、近隣に食堂やホテルなど体育館利用者の利便施設がないなど、スポーツ振興の拠点施設としては問題がありすぎます。箱崎九大キャンパス跡地のように適地があるにも拘わらず、九電体育館利用期限を口実に破綻した人工島事業救済のために市民体育館を人工島に建設する事業を認めることはできません。

立地交付金について破綻した人工島事業救済のために一般会計から税金を使うことに反対するものでです。そもそも人工島の土地処分のために立地交付金を引き上げたことが問題な上に、港湾整備事業特別会計基金からの繰入の資金を使い、企業への交付後10年で一般会計から償還するといういびつな資金繰りをしてまで,本来市民生活のために使うべき多額な税金を人工島の土地処分に使うことは許されません。加えて、今回の立地交付金に関する補正予算案は、交付される企業の都合で交付時期を変更とするものであり、企業を優遇してまで破綻した人工島事業に税金をつぎ込むことは認められません。

次に議案第16号福岡市営渡船条例の一部を改正する条例案について反対意見を述べます。この議案は航路事業の健全化を図るために博多港出航後西戸崎、大岳に寄港後、志賀島着となっていたものが、大岳の寄港が廃止されるというものです。この航路変更については住民の反対が根強くあり、福岡市政が市民の声をどのように受けとめているのかが問われる問題です。大岳からの利用者は現在36名おられ、この方たちの移動の自由を保障することは住民の福祉を実現することを本旨とする自治体としての責務です。しかも大岳寄港をやめることによる経費削減効果は、将来の岸壁等更新費を除けば年間約700万円にすぎません。立地交付金の額との比較および事業優先度から考えれば、大岳寄港廃止は必要ないと言えます。

髙島市政の行財政改革では、陸路と繋がる志賀島方面の海上交通は必要ないと考えています。これは近視眼的金銭観しか持ち合わせていないものです。博多湾が持つ自然、歴史、景観、そして文化的価値を理解しない、まさに「貧困なる精神」の世界と言えます。これまで福岡市は博多湾が持つポテンシャルについて理解していなかった結果、ベイサイドプレスの事業が失敗し、志賀島航路の利用者減を招いていることに繋がっています。これまでの志賀島地域住民の努力についても、単なる地域の取り組みとしか考えて折らず、福岡市としての地域活性化の取り組みとなっていないことが利用者減の背景にあります。営業努力だけの縮み思考ではなく、多様な資源を生かし、定住化の促進と、都心部と湾岸部、志賀島を繋ぐ観光戦略を展開する必要があります。まずは市民がもっと航路を利用して志賀島へ旅を楽しむ企画が必要です。市営渡船利用者減の責任は一義的に福岡市の姿勢にあり、この様な条例案を出すのではなく、もっと将来を展望できる施策を出すべきです。
以上の理由から諸議案に反対するものです。