緑と市民ネットワークの会として「福岡市議会委員会条例改正の検討を求める申し入れ及び議会事務局人事に関する市長への申し入れを求める申し入れ」を行う

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2017年5月15日

福岡市議会委員会条例改正の検討を求める申し入れ及び議会事務局人事に関する市長への申し入れを求める申し入れ

 

福岡市議会議長 おばた久弥様

緑と市民ネットワークの会

代表 荒木龍昇

 

1、福岡市議会委員会条例第20条(出席説明の要求)の改正を求めます。

現福岡市委員会条例第20条では、「委員会は審査または調査のため、市長、教育長、選挙管理委員会の委員長、人事委員会の委員長、農業委員会の会長及び監査委員その他法律に基づく委員会の代表者又は委員並びにその委任又は嘱託を受けたものに対し、説明のために出席を求めようとするときは、議長を経てしなければならない。」となっています。この条例の趣旨からすれば市長は委員会における審査又は調査のために説明を求められた時には特段の理由がない限り出席し、説明するものと解すべきです。

ところが先般の「活力ある福岡空港づくり条例案」が再議に附され、第3委員会の審査において市長へ委員会に出席するよう議長を通じて要請しましたが、市長は福岡市委員会条例20条において出席の義務が明記されないことを理由に挙げて委員会への出席を拒否しています。再議に附したのは市長であり、審査するに当たり市長が再議に附した経緯及び判断した理由等を説明する責任があります。又副市長の本会議における議員への働きかけに関しての答弁が委員会審査における答弁と異なる状況が明らかになり、また、委員から市長の関与も指摘され、市長は委員会に出席して説明する責任があることは明らかです。

加えて、市長は報道機関のインタビューで「通常、委員会出席しないので、なぜ今回、委員会で話す必要があるのか、議会に尋ねているがまだ回答がない。議会で決めたからとにかく来いというのはちょっと乱暴だと思う」と言っています。再議に附したのは市長であり、市長に説明責任があります。出席を求める理由は明確である上、「通常、委員会に出席しない」ことが理由にならないことも明らかです。第20条の規定は、通常の委員会でも必要があれば特段の理由がない限り出席することが想定されています。

今回の市長の対応について、地方自治における二元代表制の意味が理解されていないと考えられます。この様な事態を是正するために、福岡市委員会条例第20条の2として「議長から審査または調査のため、市長、教育長、選挙管理委員会の委員長、人事委員会の委員長、農業委員会の会長及び監査委員その他法律に基づく委員会の代表者又は委員並びにその委任又は嘱託を受けたものに対し、説明のために出席を求められた場合は、特段の理由がない限り出席して説明しなければならない。」を加える条例改正を求めます。

 

2、議会事務局人事に関する市長への申し入れを求めます。

地方自治法では議会は執行部とは独立した機関としてあり、「地方自治法第4節議長及び副議長、[議長の議事整理権、・議会代表権] 第104条 普通公共団体の議会の議長は、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理し、議会を代表する。」となっています。次に、「地方自治法第11節、議会の事務局及び事務局長、書記長、書記その他職員 [事務局の設置及び議会の職員] 第138条②市町村の議会に条例の定めるところにより、事務局を置くことが出来る。第138条⑤事務局長、書記長、書記その他の職員は、議長がこれを任免する。第138条⑦事務局長及び書記長は議長の命を受け、書記その他の職員は上司の指揮を受けて、議会に関する事務に従事する。」となっています。

また、地方公務員法第2章人事機関 (任命権者) 第6条では議会の議長は「職員の任命、人事評価、休職、免職、及び懲戒等を行う権限を有するものとする」と明記されています。地方自治法及び地公務員法では議会事務局の人事権は議長にあることは明らかです。今回の議会事務局の人事について、市長が議長との協議をすることなく人事を執行したことは、議長の権限を侵害し逸脱した違法行為です。市長の行為は二元代表制を否定し、議会を軽視するもので許されるものではありません。緑と市民ネットワークの会は、議会として市長に謝罪を求め、今後このような行為をしないよう市長に申し入れることを求めます。