玄海原発3号機事故に続き4号機事故に抗議

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事故続きの原発は直ちに廃炉に!

荒木龍昇

5月2日16時に玄海原発4号機炉心冷却水ポンプの冷却水異常(事故)が発生,福岡市に連絡は5月3日11時30分過ぎに危機管理課長に携帯電話で連絡があったとのここと、危機管理課長はどんたくであったにも係わらず、九電の事故ではないという報告を鵜呑みにし、何の危機感も持っていませんでした。炉心部の事故であり、万が一にも重大事故であれば市民への避難指示が手遅れになる恐れがあり、ましてどんたくには200万人の国内外の観光客が来ており空恐ろしくなります。今回の事故は、炉心部であり、専門家は構造的欠陥と指摘しており、全ての原発を止めて点検すべきですが、九電は原因究明中にもかかわらず3号機を稼働し続けています。どんたくという大イベント時に事故が起こる可能性について考えていない福岡市の防災計画は極めて問題です。市民団体(私も参加)は九電に以下の抗議を行いましたが、九電の対応は極めて不誠実でした。万が一にも大事故になれば被害を被るのは私たちです。事故続きの原発は廃炉にすべきです。

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玄海3号機蒸気漏れ事故に続く 4号機一次系冷却材ポンプ事故

私たちの不安と不信は募るばかり

再稼働中止を求める

2018年5月9日

(株)九州電力 代表取締役社長 瓜生道明 様

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会プルサーマルと佐賀県の100年を考える会

玄海原発反対からつ事務所/原発を考える鳥栖の会

今を生きる会/原発知っちょる会 /風ふくおかの会/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/たんぽぽとりで /東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会

 

5月2日、再稼働へ向け試運転中の玄海原発4号機で、放射性物質を含む一次系冷却水を循環させるポンプ2台で、流入防止用の水の流量が通常の2倍にも増える異常が見つかったと、5月3日夜に報道があった。

約1か月前の3月30日には再稼働直後の3号機で蒸気漏れ事故を起こしたにもかかわらず、原子炉を止めず、配管の総点検もしないで4月17日に発電再開を強行した直後の今回の事故に、私たちの不安と怒りは増大するばかりだ。

九州電力に対して強く抗議するとともに3・4号機の再稼働中止を求める。

今回異常が発生した2台のポンプの「シール部」は今年1~3月に新品に換えたばかりだったというが、なぜ事故は起きたのか。点検で見落としがあったのではないか。部品交換だけで済まされるのか。残りの2台は分解点検しないのか。同じ部品を使っている3号機も運転を止めて点検しなおすべきではないのか。構造的欠陥があるのではないか。

4号機は2011年12月25日以来6年4か月停止しているが、長期停止の影響はないのか。

ポンプが破損し、冷却材喪失、放射能放出につながる事故に発展していた可能性はなかったのか。

九電は事故についてこれまでに公開したのは概略図1枚だけであり、どのような事故であったのかほとんど分からない。シール水の流出量のデータや事故原因について明らかにし、住民に丁寧に説明する責任がある。

自治体・住民への通報連絡体制も問題だ。2日16時に「異常」が発生したが、自治体への最初の通報は、「再稼働工程に影響する可能性が出てきた」翌3日11時だった。異常発生から19時間も経ってからの連絡だった。

佐賀県の副島副知事は蒸気漏れ事故の際に「空振りでも結構なので、日頃と違う状況がある段階で本県に連絡を」と九電・山元取締役に要請した。九電は今回「今までなら分解点検が決まった段階(3日13時10分)で連絡するので、早く対応した」という。しかし、事故進展が早ければ、報告すべき案件か判断している間に遅れるということがありうる。「異常発生」後ただちに通報しなければ、住民は放射能から逃れることが困難になりかねない。

同様の事故は全国の原発で相次いできた。玄海原発1号機では1999年1月に通常運転中に同様の事故が起きて、原子炉を停止した。最近では2016年7月に再稼働に向け調整運転中だった四国電力伊方原発3号機で同様の事故が起きた。

異常のあった一次冷却材ポンプのシール部は、圧力に耐えている部品同士が相対的に移動しあっており、内部から液体が漏れるのを防ぐのは至難だと言われている。元東芝の技術者・小倉志郎さんは伊方の事故後、「一次系冷却材ポンプのシール部は、原発のアキレス腱だ。恐ろしいのはこの構造的欠陥、ポンプの軸受け部のシール技術の未確立から繰り返されてきた水漏れ故障事故が、冷却材喪失事故に直結する可能性があること」だと指摘している。

ひとたび放射能を放出するような大事故になれば、私たちの大地や自然、水や食べ物がすべて汚染され、取返しのつかないことになる。

今回の事故を警告として重く受け止め、大事故が起きる前に再稼働を中止すべきである。

【 要請事項 】

(1)玄海原発3・4号機の再稼働を中止すること

(2)事故の原因や影響について、自治体と住民に詳しく説明する場を設けること

後日、上述の疑問や本要請に対する回答の場を求める。