水道法改正について

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水道法が改正により民営化が可能

福岡市の水道事業が狙われる!!

 水道法改正が加勢されました。改正理由は「人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し、水道の基盤の強化を図るため」としています。具体的には、自治体間の連携による広域化と民営化を示しています。民営化については、地方公共団体が、水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組み(コンセッション)を導入します。資質の保持や実体との乖離の防止を図るため、指定給水装置工事事業者の指定に更新制(5年)を導入するとし、条例において、給水装置工事は指定給水装置工事事業者が行う旨を規定すれば、各水道事業者は給水装置(蛇口やトイレなどの給水用具・給水管)の工事を施行する者を指定できます。

しかし、水道管の交換には1km当たり1億円もの費用がかかるといわれており、福岡市のような人口密集地域は維持が可能ですが、過疎地では財政的には厳しいため水道料金を上げざるを得なくなっています。このような状況で水道事業にコンセッションを導入することになれば、必然的に利益を生むところにしか事業者は参入しないことは明らかです。これは儲かる大都市では民営化が狙われ、儲からない地方都市では広域化とともに税が投入されることになります。つまり福岡市のような健全な運営が出来ている都市がハゲタカファンドのターゲットになる可能性が高いと言えるのです。

福岡市では水道管を耐用年数が80年程度のポリエチレンスリーブに交換をしており、これまで毎年40kmの交換のペースを45kmにすることで2026年までには全ての水道管の交換が終わり、その後は老朽化が進んだ超過管が生じない計画となっています。その意味で福岡市はターゲットになり得るのです。

今回の水道法改正の目的は安倍政権が進める「公共施設を民間の収益事業に解放する」一連の政策です。

今回、導入されるコンセッション方式の先駆けはフランス。パリでは1980年代に水道民営化を実施。
現地に住む人によると、当時、民営化されたのち3か月に一度値上げがあったという。結局、パリでは25年間で水道料金が2倍以上に高騰。そして、2010年に再び公営化に戻った。

 

○コンセッションとは

 コンセッションとは民間事業者が投資家から資金を集めSPC(特別目的会社)を設立し、国や自治体から施設の運営権を買い取り、収益事業を行ない、法人税等を払い更に投資家への配当をします。施設は国や自治体の所有となりますが、SPCは日常的な施設の維持管理を行い、利用者からの利用料金額は自由に決めることが出来ます。運営権は契約期間を過ぎれば国や自治体に返還されます。運営権は融資の担保にすることが出来ます。

PFIはSPCが施設の建設及び維持管理を一体で受注し、発注者の自治体は20年~30年程度の期間で使用料としてSPCに分割払いします。この仕組みは基本的にコンセッションも同じですが、異なるのはPFIでは施設の利用者から徴収する料金は自治体が決めますが、コンセッションはSPCが利用者の利用料金額を決めることが出来ます。

PFIもコンセッションも事業内容は知的財産とされて公開されないため、自治体の議会では本当に安くなるのか検証できません。また、福岡市のPFIの事例を見ると働く人の賃金が引き下げられることから、低賃金構造を助長する恐れがあります。

PFIもコンセッションもSPCは利益が出る業務しかしないし、リスクがあるものや収益を悪化させるものについては自治体が負担するケースが多くあります。また、銀行からの借入金利は自治体が借りる金利より高いケースがあり、近江八幡市の病院のPFIの場合はプレミアム金利まで加算された例があります。

 

○PFI発祥の地イギリスでは、官民パートナーシップ(PPP)請負企業カリリオンが2018年1月に倒産した直後、英国会計検査院は、英国が25年もPFIを経験しているにもかかわらず「PFIが公的財政に恩恵をもたらすというデータが不足」と報告しています。PFIが公的な財政にプラスであるという証拠が乏しいと結論づけています。さらに多くのPFIプロジェクトは通常の公共入札のプロジェクトより40%割高であると報告。

ヨーロッパ会計監査院(ECA)不明確な政策と戦略、不十分な分析、PPPの債務が公的なバランスシートに現われないこと(オフバランスシート)、政府と民間企業のリスク分担が不公平であることが特に問題である」と結論。ECAはEU委員会とEU加盟国は指摘された問題点が改善するまでPPPを広い分野で集中的に使うべきではないと勧告。「公的機関に大規模なインフラを一つの手続きでまとめての発注を可能にするが、これによって競争効果はなくなる。受注者同士の競争がないうえに、ひとつにまとめることで発注者への依存度が高まり、発注者の公的機関は交渉において弱い立場になる。」としてきしています。

以下コンセッションについての調査報告書を作りましたので一読ください。

コンセッションの事例報告181202