12月議会報告

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 市長選挙は市民の力で市長を変えることができました。福岡市を変えるためには議会を変えなければなりません。来年の市議会選挙ではみどり福岡として各区から候補者を立て、議会を変えるために頑張る所存です。ご支援よろしくお願いします。

12月議会報告
2006年12月15日(金)~25日(月)
15日(金)
午前
 吉田新市長が「心耳をすまして市政を行う」そして公約を守ることを冒頭挨拶で表明した。その後2005年度決算についての討論と採決が行われた。

12月議会2005年度決算に対する反対討論
 決算特別委員会に附された諸議案の内、議案第143号ないし146号、第150号、155号ないし158号、161号、162号、164号、165号に反対して討論します。
 今回の市長選は市民の声を無視してオリンピック招致を強引に進めた山崎市政に対する市民の批判の結果でした。その背景には前小泉内閣からのアメリカ型新市場主義・グローバリゼーション化を推進し、大企業優遇の政策進める一方で、国民に負担を求める政策への怒りがあります。無年金者や無保険者が増えざるを得ない状況で、山崎前市長が進めてきた市民を犠牲にした「財政健全化プラン」に対する市民の怒りであったといえます。
 景気が回復したといわれながら、一部の大企業を除いてその実感はなく、リストラと正規職員の削減による企業業績の回復は、失業者と非正規労働者を増加させ、勤労者の所得低下をもたらし、生活保護世帯の増加という社会状況を作り出しています。加えて、さまざまな控除の廃止や定率減減税の廃止などの税制改悪によって、収入が増えないのに税負担が重くなっており、更に追い打ちをかけるように年金給付の削減、医療費の負担増、介護保険の負担増、障害者自立支援法施行による原則1割負担、と市民生活は一段と苦しくなっています。ところが福岡市においては、財政再建策として受益者負担の適正化と称し、昨年は下水道料金の値上げ、ごみ処理有料化、留守家庭子ども会の有料化、介護保険料の値上げ、国民保険料の値上げ、歳出の抑制としてこれまで行ってきた障害者や高齢者に対する補助金や助成を削減するとして敬老パスの削減など行い、今年は高齢者医療助成の廃止をしており、市民の負担は年々重くなっています。
 2005年度決算では「三位一体の改革」により地方交付税・補助金は削減され、歳入は頭打ちの状況でしたが、人件費や投資的経費を抑制する一方、保健福祉費や教育費を大幅に削減し、結果歳出の伸びを抑えることが出来ています。言い換えれば、財政健全化プランとして重点政策では破綻している人工島など大規模開発に資金を集中し、一方で各局予算を毎年10%程度削減させ、市民サービスの切り下げと市民への負担を求めた結果といえます。しかし、経常収支比率は0.1ポイント改善されたとはいえ91.1%と高水準であり、財政硬直化の状況は改善されていません。1992年に942億円あった財政調整金は大型開発事業を進めるために取り崩され、2005年度末で73億円しかなく、財政状況は極めて悪い状況です。
 2005年度末の市債発行残高は2兆6690億円余、前年度の2兆7092億円余に比べ400億円ほどの減少となっていますが、外郭団体に対して市が負わなければならない債務は815億円と増えてます。起債制限比率は前年度17.9%から18.1%へ上昇、今年度から新たに導入された実質公債費比率は21.9%、全国の都道府県、政令市の中で4番目に悪く、福岡市の財政は極めて悪い状況を示しています。これまでゼロ金利政策により借金が増えることを抑制できていましたが、ゼロ金利政策が解除され、長期金利が上昇し始め、また自治体の財政状況に応じて金融機関の貸出金利に格差が生じる動きが出ており、金利の上昇が市財政を更に逼迫させることが予測されます。過去の借金があまりにも大きいためにわずかな金利変動でも影響を受けます。来年度から税源移譲が始まりますが、地方への税分配は削減される方向が示されており、福岡市の財政は今後とも脆弱な状況を脱することができるとは考えられません。
 本来国民の最低限の生活を守るべき国が責任を放棄し国民に負担を求める状況で、地方自治体が住民の生活を守らなければならない状況がよりいっそう求められています。地方分権が進み、住む街によって住民が受けるサービスに格差が生じる状況になっています。ところが、福岡市の財政再建計画では市民負担を求めることで財政再建を進めようとしてきました。福岡市の図書館の数は全国平均の半分以下、図書館の司書数も足りない、学校司書は小学校144校に対してたった15人、児童館は1つしかない、保育園も足りず毎年500人程度の待機児童、特別養護老人ホームも足りず5千人の待機者、毎年議会へ充実を求める請願が出されています。小中学校の耐震化が必要な166校中耐震化が終わったところはわずか6校、民間住宅の耐震化はほとんど進まない、警固断層による直下型大地震の可能性が高まっていると言われているにもかかわらず市民の安心安全の予算さえ削り続けてきました。住宅についても、市営住宅の応募率は20倍と高水準にあり、また入居者の所得階層も第1階層が年々増えており、安価で良質な住宅が求められていますが、市営住宅を新たに増やす計画はなく、住宅政策の見直しが必要です。
 国が国民に対する責任を放棄し、国民への負担増を求める悪政の中、地方自治体の責任は大きくなっています。厳しい財政状況が今後とも続くと考えられ、限られた財源をどのように使うのか、それは市民が安心して暮らせる施策のために使われなければなりません。従来のような経済成長を前提にした都市膨張政策は最早時代遅れです。ゼロ成長時代に対応した、安心して暮らせる街づくりが求められています。大規模開発による都市の活性化を図る手法は時代遅れであるだけでなく、市民生活も環境も破壊し、将来の世代に大きなツケを残すだけです。山崎前市政がつくった財政再建計画である「財政健全化プラン」を抜本的に見直さなければいけません。都市膨張政策を進め、必要もない水源開発を行い、破綻した人工島をはじめとして開発事業に重点的に予算を配分し、市民に負担を求めることで財政再建を図った2005年度決算を認めることは出来ません。
 先日の報道で、2040年には北極の氷は消滅するというアメリカの研究機関の予測が発表されました。資源・エネルギーの限界がみえ、地球環境の破綻が目前になっており、世界はこのまま経済成長し続けることはできないことは明らかです。従来のような経済成長を前提にした都市政策からスローな都市政策・持続可能な都市へ政策転換することを新市政に求めて反対討論を終わります。

午後
 12月議会に上程された主な議案は、人事委員会勧告による職員給与削減について議案、「三位一体の改革」として所得税から地方税へ税源移譲する市税改定条例案、人工島中央公園ぐりんぐりん館の使用料を決める条例案、昨年の緑化フェアの黒字6億7千万円余をみどり基金2億5千万円余と緑化基金4億2千万円余に積み立てる条例案、人工島港湾地区の土地処分の議案でした。

議案質疑
1、議案第217号福岡市市税条例の一部を改正する条例案
 今回の市税条例改正の主たるものは地方交付税・補助金の削減とともに行われる国からの税源移譲にとして、所得税を減らし住民税を一律市民税6%、県民税4%とするものです。そこで、まず一点として課税所得が200万円未満の方は市・県民税併せて5%から10%に上がることになりますが、所得税の減額と併せて増税にならないのか、具体的にどのような措置がなされているのか尋ねしました。今回の税制改正では新たな負担を生じることにはならないということでしたが、これまでの税制改悪によって税負担が重くなっており、特に低所得者の負担が増えていることから、何らかの軽減措置を求めました。市としては失業等で収入が激減したときには税の軽減措置をしているということでした。
 第二点として税制改正により、市民税の増収はいくらになるのか、また、補助金削減に見合う税源移譲なのか、福岡市の財政に与える影響について説明を求めました。税源移譲により市税収は約70億円程度増えることになりますが、地方交付税・補助金は83億円削減により市歳入そのものは減ることになります。差額13億円については交付税措置されるから影響はないと答えていますが、交付税全体は削減がなされ今後とも厳しい在財政状況が続きます。
 第三点は税源移譲により一般財源化が進むことの影響です。税源移譲により一般財源化が進むことは、市の裁量権が拡大するということです。自由に使える税が増えるということは、これまで義務的に使っていたものに縛られなくなる、補助が付く事業を優先的にしなきても良くなります。つまり、市がどのような政策を優先するかがより市民生活に大きな影響を与えることになります。住む街によって住民が受けるサービスの格差が大きくなることを意味します。私は山崎前市長が進めてきた市民を犠牲にした財政再建策「財政健全化プラン」をどのように見直すのか、吉田市長に質問しました。吉田市長は「市民のニーを踏まえ、市民に密着した公共事業を優先する。今あるものを活用し不必要なものは作らない。来年度にリニューアルプランを作り見直しをする」という答弁をしています。今後の市政をチェックしていく必要があります。

2、議案第218号福岡市みどり基金条例案
 今回上程されている福岡市みどり基金の創設は昨年人工島で開催された第22回全国緑化フェア、通称「花どんたく」の収支が黒字になったので基金を創設するとしていますが、その収支について質問しました。
 まず、収入および支出の内訳、特に市負担額がいくらだったのか、緑化フェアの事業費以外の関連する経費がいくら使われたのか説明を求めました。総収入49億円のうち30億円は市の負担、更に関連費用として2億2千万が使われています。緑化フェアの収益金6億7千万円余は税金であり、新たな基金を創ったり、緑化基金に積み立てるべきでなく、市民のために付くべきです。私は一般財源に戻すことを主張しました。
 また基金創設の目的として緑化フェアの開催意義を継承するためとしていますが、実際は破綻した人工島救済のための企画です。人工島の住宅販売を始める時期に合わせ緑化フェアを開く、そのために30億円もの税金を使うことが許されるはずがありません。この意味からも収益金は一般会計に戻し、市民のために使うべきなのです。

3、議案第219号福岡市公園条例の一部を改定する条例案
 この条例は人工島の公園に建設されている「ぐりんぐりん」館の使用料を定めるものです。そこでこの施設ではどのような事業がなされる予定なのか、また運営はどのようになされるのかお尋ねしました。ぐりんぐりん館は3棟の構造になっており、屋上は庭園となっており、入場料100円を取ります。1棟はイベント等企画スペース、1棟はランなどど亜熱帯植物の展示室、1棟は体験学習などの部屋となっています。熱帯植物の展示室など、植物園と同じような施設であり、本当に必要な施設なのか疑問です。また、公園全体の管理運営を指定管理者が受け、ぐりんぐりん館の企画もすることになっています。ガーデニングなどの企画が計画されていますが、どこまでしてい管理者が責任を持つのか明確ではありません。
 また、「ぐりんぐりん」館の建設費はいくらで、維持管理費は年間いくらか、公園全体としての維持管理費はいくらなのかお尋ねしました。ぐりんぐりん館の建設費は16億3千万円維持管理費は約3600万円程度(公園全体の維持管理費9300万円に含まれている)と答えています。すぐそばの香椎パークポートには大規模な100年公園があります。人工島に15㌶もの公園が必要だったのかが問題です。そもそも銀行が博多港開発に融資をやめる・凍結する状況の中で、山崎前市長が平成13年3月に「銀行に決して損はさせない」という念書を書き、計画を大幅に変更して損失保証を約束したことに始まります。福岡市は銀行に対して売れない土地は全て福岡市が買い取る、道路や下水道は福岡市が整備し、博多港開発は返済できなくなったときは福岡市が博多港開発に貸付て確実に銀行に偏差させるというものでした。人工島の公園はこのため126億円で福岡市が買い取り、65億円をかけ公園を整備しました。
 このように破綻した人工島事業救済のために多額の税金が使われています。私は吉田市長にこのような壮大無駄遣いを繰り返さないために、人工島への病院移転や青果市場の移転を中止するように求めました。市長は緑化フェアは福岡市の緑化推進のために行われたもの答えています。病院移転については移転候補地の一つとして検討するといっています。人工島事業をどう見直すのか見えない回答でした。

4、議案第228号埋立地の処分について
 この議案は人工島市第1工区の土地処分です。質問に答えて当該処分地の面積約1.5㌶、平米単価1万3千円で売られています。この間市第1工区で処分した土地の面積は4.4㌶、平成15年度0.5㌶平米単価13万3000円、0.5㌶13万1000円、平成16年度2.2㌶、平米単価13万960円と答えており、地価は下落して売られています。土地処分についても処分を進めるために不動産業者に5千万円を上限に成功報酬を払う売買仲介制度を設けていますが、一件も成立はありません。
 また市第1工区における土地処分計画及びその進捗状況については事業認可当初計画では平成16年3月であったものが現時点では平成21年3月となっていますが、第3工区、第4工区はまだ浚渫土砂の受け入れも終わっておらず、いつ竣工するのか見通しがない状況です。また土地処分計画も竣工後速やかに行うとしていますが、第1工区も計画から遅れており、昨年計画通り処分ができず今年度にずれ、百道浜中学校用地の土地処分を急いだことで港湾整備特別会計が維持できている状況です。また、市工区全体の造成状況及び土地処分計画も平成39年を目処としていますが、第3工区、第4工区の竣工の見通しが立っていないためにいつ土地処分が終わるのか不透明な状況です。
 私は先日神戸空港の視察に行った際、神戸市ポートアイランド第二工区や神戸空港の土地処分が進んでない状況を見てきました。経済構造は大きく変化し、土地需要そのものがなく、全国の埋立地の土地処分が進んでいません。山崎前市長が「人工島を将来の財産にできた」いっていることについてどのように考えているのか尋ねました。人工島には既に宅地の形成が進んでおり、今後も良好な整備は必要、土地利用がまだ決まっていない5工区にについては社会環境の変化、企業のニーズ、市民みなさんの意見を聞いて早急の見直しをするとこたえています。人工島をどう見直すのかそのプロセスは見ませんでした。
 また、山崎前市長が書いた「銀行には決して損はさせない」という念書をどうするのか尋ねましたが、当時の厳しい融資状況で市の姿勢を示したものと聞いている答えてており、破棄する意思はありませんでした。将来の財産となるよう見直しをするといっていますが、今後人工島をどう見直すのか、この答弁からは見えてきません。

20日(水)
一般質問
12月議会一般質問
1、スポーツ振興策について
 この1年間、オリンピック招致が大きな議論となりました。今回のオリンピック招致のもう一つの課題はスポーツ振興策のあり方であったと考えます。子どもの健全育成と市民の健康づくりのためには見るスポーツから参加するスポーツへの取り組みが改めて問われています。そこで、施設・グランドの整備状況や地域での指導者育成について市の取り組みを尋ねしました。
 福岡市では1975にスポーツ振興計画を策定、基本計画に則って施設の整備や指導者育成に努めてきたが、人口も増え、少子高齢化が進むなどの社会環境の変化や競技施設の不足状況もあり、新たなスポーツ振興計画を作り充実に取り組むと答えています。
 また大相撲開催地でもある福岡市において、子どもの健全育成として取り組まれている相撲大会に他都市の施設を利用している状況ありますが、このことについてどのように考えているのか尋ねしました。相撲振興については今後も取り組む、施設整備については武道館などの既存の施設の活用していくと答え、新たな相撲競技施設の新設の考えは示しませんでした。

2、マンション問題について
1)高宮2丁目のマンション問題について
 高宮2丁目のマンション建設では、事業者である三井不動産およびマンション建て替え組合は周辺住民との協議を拒否し、工事協定を結ばないまま建設を強行していることについて、市としてどのように受けとめているのか所見を求めました。市は、事業者は12階を10階に下げる、日影の影響を軽減するため建物の位置をずらすなどの努力をしている、また工事については工事時間や安全対策など必要な説明を個別訪問して説明し、一部の住民には同意されているが大部分の住民には同意を得られていない、工事協定を結んでいないことは好ましくはないがやむ得ないと答えています。
 個別に協議をしているということですが、近隣住民はあくまでも被害を軽減するためにやむなく協議しているのであって、建設計画に同意している訳ではありません。本来工事協定が結ばれるまで工事を開始すべきでな、事業者が工事協定が結ばないまま工事を進めることは紛争防止条例を否定するものです。
 マンション建設事業者は採算性から10階建てという基本的な計画の変更はしない、また自動車の出入り口についても現在工事用につくっている大きな通りに面したところは使わずに交差点そばを使用するとして譲ろうとしていません。互譲の精神からすると、一方的に採算性だけを主張して譲らないことは、事業者の社会的責任、倫理観の欠如といわれてもしかたががありません。条例では建築主の責務として、「周辺の居住環境に十分に配慮するとともに、市民の良好な近隣関係を損なわないように努めなければらない」なっています。市は今後も工事協定が結ばれよう指導すると答えいます。。

2)名島台のマンション問題について
 名島台のマンション建設について、事業者である西鉄は風害はないとしていますが、住民の調査ではビル風が生じ被害が生じることが分かっています。西鉄が行ったシミュレーションは現地での実測に基づいた調査ではありません。環境アセスしようとしないことや被害についての責任の所在が明らかになっていないことについて住民は危惧をしていますが、環境影響評価や責任の取り方について市の所見を求めました。事業者は誠意を持って住民に対応しており、被害が出れば誠意思って対応すると考えていると答えています。
 また、屏風のように視界を遮る10棟ものマンション群ができれば住民は、風害、照り返し、輻射熱や廃熱による影響、交通量の増加、眺望など一方的に我慢を強いられることになります。既存の5棟のマンション周辺での被害調査が行われ、また今回住民による風速の調査では既設マンション周辺と建設されていないところでの風速の差は約2倍生じていることが分かっています。新たにマンション建設予定の西鉄、昭栄の2事業者に対して環境影響調査を指導すべきと考えていますが、市はマンション建設は環境影響評価の対象でないとして指導する考えは示しませんでした。
 そもそも、今回のマンション建設の基本的な責任は市とURにあります。市が都市計画を建てたたにもかかわらず、土地処分をURに丸投げした結果ではないかと考えます。そして10棟ものマンションが屏風のように建設されればどのような事態になるのか想像せずに土地処分を進めたことにあります。環境影響評価については土地区画整理事業開始が条例制定前であったことを理由に実施しようとしていません。市は問題が起こればURが窓口となって対応すると答えいますが、愛宕浜マンション問題にも見られるように、市が決めた都市計画をその後検証する仕組みも責任を取る仕組みもない、無責任体制に問題があります。

21日(木)
都市整備局議案審査
 緑化フェアの収益金6億7500万円のうち、2億5千万円をもって福岡市みどり基金を新たに造る条例案、4億2500万円を財団法人福岡市森とみどりのまちづくり協会に対する出資金とし福岡市緑化基金に積み立てるための条例案、人工島中央公園に建設されている「ぐりんぐりん館」の手巣料を決める条例案、人工島中央公園外3箇所の公園管理を行う指定管理者の指定についての審査でした。
 緑化フェアの収益金処分についての審査は議案質疑と同様の質問がなされた。公園管理の指定管理者指定については、障碍者の雇用、男女共同参画推進、労働者の雇用については法の遵守などを指定条件するなど、低賃金労働を助長しないように求めました。 

 議案審査の後、都市計画審議会附議議案の説明がありました。この中で、桜坂で住民発議による地区指定の申請がなされている案件について質問をしました。この制度は都市計画法が改正され、0.5ヘクタール以上の地域で、住民の3分2以上、土地の3分の2以上の同意があれば地区計画指定を申請することができるようになりました。法の趣旨は住民の発意で街づくりをするというものです。市が認めれば地区計画が施行され、市が認めなければ都市計画審議会に諮られ決められるというものです。この地区計画では10mの高さ規制を予定していますが、市は現在風致地区に指定がなされており現状でも地区計画による規制の約8割程度をカバーしており、高さ10mを超える建物が建てられ可能性は少ないことこと、住民の合意が不十分として却下する旨を都市計画審議会に諮るというものでした。同意は7割を超えて法の基準をクリアーしていますが、市は地権者の権利を規制することになるのでもっと多くの同意が必要としています。逆に言えば地権者は現状より2割程度の権利の制限しか受けないとも言え、住民自らまちづくりを進めるという法の趣旨から市の判断は間違っていると意見を述べました。

22日(金)
消防局・建築局 議案審査
 消防局の議案は救急患者を病院へ搬送したときに、ストレッチャーの向きを変えるときに患者を転落させ、負傷させたことに対する損害賠償の議案でした。
 建築挙の議案は南区の多賀地区を新たに地区計画決定に伴い加える、友岡3丁目の地区整備終了に伴い地区計画区域の変更、西区室見が丘の地区計画の名称を室見が丘地区計画に名称変更のための条例改正でした。

 報告事項としてサムシングが関与した建築物の安全性に関する調査の現状報告がなされました。現在民館141施設が対象、内訳は26施設が調査終了、偽装疑い4件、その内構造耐力不足1件、調査中78件、未提出25件、調査不納12件となっています。市有建築物は42施設が対象、内訳は終了が39件、偽装の疑い1件、耐力不足はなし、調査中3件となっています。今後福岡県福岡市、北九州市、久留米市、大牟田市、佐賀県、佐賀市、長崎県、長崎市、熊本県、熊本市と国土交通省住宅建設指導課、国土交通省九州地方整備局建政部で九州地方構造計算書偽装問題対策連絡協議会(仮)を設置するということです。その後第1回の会議が持たれたことが法動作rています。
 また、サムシングによる福岡市への風評被害による損害賠償請求訴訟が起こされており、福岡市は棄却を求めていることが報告されました。

 報告事項として福岡市競艇場駐車場解体工事において、アスベスト除去工事を免許がない有限が会社MK工業にさせていたことについて、建築業法違反で行政処分がなされたことが報告されました。元請けの松田都市開発は専任の技術者を配置していなかったことで改善指導の文書処分、下請けの株式会社森輪商工は孫請けの株式会社ムトウへの丸投げで建世業法違反、公共工事の15日間の営業停止、株式会社ムトウは曾孫受けの有限会社MK工業への丸投げと無許可業者への下請けで建設業法違反、37日間の公共工事の営業停止、有限会社MK工業は許可がなくて工事したことで建設業法違反で3日間の公共工事の営業停止処分が出されました。この処分は軽いのではないかという質問に、市は指名停止処分が別途なされるので厳しい処分となるということでした。
 この問題は私が今年の初めから福岡市に追及してきた問題でした。アスベストが訂正処理され呈すのかが大きな問題であり、箱財期中学及び福岡中賀のアスベスト除去工事をした業者の処分及び、適正処理についての対策を質しました。問題の業者については廃棄物処理法違反で処分されたということであり、アスベストについては持ち出した量とマニフェストの記録から見てほぼ適正に処理されたと判断したということですが、真相は闇の中です。
 また、アスベストの適正処理の対策は、搬出時には職員が立会積み込み量を確かめている、またアスベスト、防護服、シートの種別に分けて搬出し量を確認する、計算量と積み出し量に著しい差が生じたときは計算を仕直し確認する、搬出についての記録を残すとしています。手続きを明記することを求めましたが、仕様書に記載しているとしています。また、後からの追跡できるよう責任者の明記と記録の保存を要請しました。

25日(月)
 議案についての討論の後採決。
12月議会反対討論
 本議会に上程された諸議案の内、議案第205号、第218号、第227号、229号に反対して討論を行います。
 議案第205号、218号、227号は昨年人工島の公園で開催された第22回都市緑化ふくおかフェアの収益金6億75万円余を緑化フェア実行委員会から寄付を受け、4億2千万円余を福岡市都市緑化基金に積み立て、2億5千万円余を福岡市みどり基金を創設して緑化事業に使うというものです。そもそもこの緑化フェアは何のための開催され、そして税金がどれだけ使われたのかを顧みたとき、この収益金は緑化事業に活用するべきものではないと考えます。
 昨年の緑化フェアはなぜ残暑厳しい9月に開催されたのか、それは破綻した人工島救済のため、人工島の住宅販売開始に合わせて住宅の宣伝するためでした。緑化フェアの収入49億円余の内福岡市負担は約30億円です。黒字の原因として市民の協力、企業の協力、市民のボランティアによる経費削減によるとしていますが、そもそも破綻した人工島事業救済のために市民を動員したことに問題があると考えます。しかも厳しい財政状況で30億円の税金が使われたことに問題があります。国の悪政により、増税、医療費や介護保険の負担増、加えて留守家庭子ども会の有料化など様々な市民負担が求められている中で、収益金は市の歳入に戻し市民のために使うべきです。よってこの議案に反対するものです。

 次に、議案第217号市条例の一部を改正する条例案については賛成するものですが、以下意見を述べます。
 今回の市税条例の改正の主たる理由は税源移譲により、市民税率を改正するものです。この所得税から地方税へ税源移譲することで新たな税負担は生じないよう措置されとしています。様々な控除の廃止や定率減税の廃止など、この間の国の税制改悪により、国民の税負担は重くなっています。今回の税制改正による税負担は生じないとしても、低所得者ほど税負担が大きくなっており、公共料金の軽減措置など何らかの助成措置が必要と考えます。
 また、税源移譲がなされても地方交付税、国庫補助金は削減され地方への税分配は削減されます。今後とも厳しい財政が続くことが予想されます。税源移譲により一般財源化が進み、地方自治体の裁量が広がることになります。既に自治体による住民サービスの格差が大きくなっており、厳しい財政状況でどのような政策を進めるのかますます問われることになります。今回の市長選挙は「これ以上無駄な税金を使ってほしくない、無駄な開発は止めてほしい、市民のために税金を使ってほしい」という市民の声が山崎前市長落選という結果となっています。吉田市長はこの市民の声をしっかりと受けとめ、山崎前市長が進めてきた「財政健全化プラン」を抜本的に見直すことを求めます。

 続いて、議案第221号ないし224号、指定管理者の選定については賛成するものですが以下意見を述べます。
 第1点は人工島公園の維持管理のための指定管理者の指定及びぐりんぐりん館の使用料に関する条例を定めるに当たり、そもそも人工島の公園が必要だったのか、またぐりんぐりん館が必要だったのかのかを問う必要があります。香椎パークポートには百年公園が整備されているにもかかわらず、なぜ人工島に15㌶もの公園を造ったのか、それは銀行が人工島事業の破綻を認め融資を凍結・撤退する中で無理矢理事業継続するために山崎前市長が「銀行には決して損はさせない」という念書を書き、計画を大幅に変更し損失保証として売れない土地を買ったためです。もともと計画になかった土地購入であり、使い道がないために公園にしたものです。それに付随する施設としてぐりんぐりん館が作られましたが、先日の質疑でも明らかなように、植物園と同じような施設であり、必要性があるとはとても考えられません。一度建設すると建設費だけでは収まらず、維持管理費が将来的にも生じます。今回の条例は賛成しましたが、この壮大なる無駄遣いを繰り返さないために、山崎前市長が書いた「銀行には決して損はさせない」という念書を破棄し、現在計画が進められている人工島への病院移転や青果市場の移転は止めるべきです。

第2点として指定管理者の選定条件に関するものです。指定管理者の指定は民間の活力を活かしてコスト削減とサービスの向上が謳われています。しかし、コスト削減によって就労する人の労働条件が悪化するのならば問題です。企業業績回復のためにリストラを進め、非正規社員が増え、賃金の低下と労働条件の悪化が進んでいます。市民の雇用の確保と労働条件改善のためには、市及び外郭団体と契約する企業に労働者に対する適正な労働条件の確保を求める必要があります。また、障がい者の就労を進め、男女共同参画を進めるために、指定管理者の指定にあたっては障がい者の雇用や男女共同参画推進を進める企業を優先的に指定すべきです。
 また、市民サービス向上については、管理や企画など達成目標を市民に明らかにし、キチンと市民が評価できる仕組みをつくる必要があります。誰でも分かりやすい評価の仕組みをつくり、当初の設定目標に対する到達点を明確にしなければなりません。客観的評価ができる仕組みを求めます。

 続いて、議案第228号埋立地の処分については賛成するものですが以下意見を述べます。
 先日の質疑で明らかなように人工島事業はおおはばに遅れています。更に竣工した土地の処分も進んでいないのが現状です。全国各地の状況を見ても埋立地の土地処分の見通しは厳しいものがあります。そもそも経済構造が大きく変わり、土地需要そのものがない中で、人工島の広大な土地処分が進むとは考えられません。港湾計画での人工島の竣工時期は当初計画平成16年が平成23年になっており、土地処分計画は計画通り進んでも平成39年となっています。53%しか竣工しておらず、人工島の現況を見るとその後の埋立事業そのものも平成23年までに終わるとはとても思えません。港湾整備特別会計も破綻しかねない状況です。先日の質疑でも、土地処分の遅れについて他の土地処分により計画に支障は出ていないと答えていますが、この間問題となってきた百道浜の中学校用地を医師会や住民の反対を押し切り無理矢理処分したことで乗り切ったのであり、正常な事業進捗とはとても言えません。人工島事業に見切りをつける必要があります。
 港湾整備のあり方も見直しが必要です。博多港には大型船の入港は減っており、上海便や釜山便など近距離の小型船舶が増えています。これは博多港がフィーダー港化していることを意味しています。大水深岸壁を作れば大型船が寄港する訳ではありません。港湾局長は世界のコンテナ船は大型しているから大型船が接岸できる岸壁が必要と言っていますが、コンテナ船が大型化すればするほど効率化のために寄港港は減り、博多港への大型船の寄港は減ります。博多港は規模的にも釜山や上海に30分の1程度しかなく、ハブ港湾の機能はありません。加えて世界の工場である中国からは近距離であり、しかもRORO船に見られるように流通形態が小規模多品種、生産地仕分けとなっており、港湾における上屋やガントリークレーン、コンテナヤードなど港湾施設も不必要になっています。つまり、港湾間連用地の需要も見込めないのです。
 アジアビジネス構想も破綻しており、博多港開発第1工区の土地処分も計画通りに進むとは思えません。市第5工区(旧博多港開発第2工区)の造成を進めてのも土地処分の見込みはありません。市工区についても埋立がいつ終わるのか、土地処分が進むのか全く不透明です。経済構造の変化を見れば土地需要もなく、港湾整備も過剰投資になることは明らかであり、人工島事業は破綻していると見切りをつけるべきです。破綻が明らかなが明らかな人工島事業の抜本的見直しを求めて討論を終わります。