12月議会報告

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 12月議会の主たる課題は「地方主権改革関連条例」27件他、自転車安全運転条例、職員強の引き下げに関する条例、指定管理者の指定、福岡市グリーンアジア国際戦略総合特区の推進に関する条例、人工島土地処分、福岡市基本構想及び第9次福岡市基本計画(案)でした。議案以外とし、福岡市行財政改革について各局の取り組みが報告されました.高島市長は今年「自立分権型行財政改革に課する有識者会議」を立ち上げ、魚婦財政改革を進めることとしています。この件について一般質問を行いました。

「地方主権改革」により、保育園の設置基準や福祉施設の設置基準を地方自治体で決めることが出来るようになり、条例制定が進められています。今回は国の基準をスライドさせたものになっていますが、今後市民の声を反させ変えることは可能になっています。市民に本当に必要なものは何か、市民参画で決めていくことがますます重要になっています。
 昨年人工島や九大周辺などがグリーンアジア国際戦略総合特区の指定を受け、自治体の具体的支援措置を決める必要から提出されたものです。具体的には似ていき順に合致した企業は法人税の減免措置及び規制緩和、福岡県は土地取得税の減免、福岡市は認定後固定資産税の減免を3年間行います。グリーンアジア国際戦略特区に人工島や港湾部が指定された背景には、人工島土地処分が絡んでいます。この件について議案質疑を行いました。

1議案質疑
1)福岡市グリーンアジア国際戦略総合特区の推進に関する条例について
 この条例は人工島及びその周辺の港湾区域、九大周辺などがグリーンアジア国際戦略総合特区に指定されたことに伴い福岡市の支援措置を決めたものです。企業の国際競争力を付ける支援措置には反対するものではありませんが、大企業優先の支援のあり方は問題です。むしろ中小企業支援策の充実が地域の雇用につながります。とりわけ人工島の指定は土地処分を進めるためとしか考えられず、企業立地交付金の上限額が30億円に引き上げられ、今回人工島内の土地購入企業はそれぞれ約8億円,7億円、香椎パークポート購入企業は約6億円の立地交付金が交付されることになっています。人工島内については2012年度から4年間で260億円の立地交付金を交付する計画になっており、グリーンアジア国際戦略総合特区の支援策を含めると非常に大きな補助金が交付されることになります。破綻した事業にこの様な多額の税金を使い続けることの問題を指摘しました。

2)ロボスクエアの指定管理者の指定について
 ロボスクエアは元々博多リバレイン救済のために設置されたものです。経費節減のため百道浜の福岡市の三セクソフトリサーチパーク内に移転した経緯があります。新技術開発支援作田に様々あり、ロボスクエアを設置する理由はありません。この様な不要な事業はやめることを求めました。

2、一般質問
 自立分権型行財政改革について
 高島市長は今年「市立分権型行財政改革に関する有識者会議」を設置して、行財政改革にと陸としています。柱は「ビルトアンドスクラップ」、「局区が責任もって予算を組み成果を出す」、「市民に納得と共感が得られる改革」、「職員ががんばれる給与体系を含めたシステム」というものです。これはなにを重要課題にするのかを局・区が主体的に決め、その財源は局・区で捻出するというものです。ところが、重要課題について各局・区が出す前に財政強は削減すべきものを示し、事実上削減ありきとなっています。しかもその中身は行政のスリム化、企業会計・特別会計の見直し、行政サービスの見直し、公共施設の見直しなど、基本的には市民負担を求めることがベースとなっています。
 問題なのは既存の事業については「必要」の一言で抜本的な見なしをしないことです。破綻した人工島計画、必要が無い五ヶ山ダム建設、地下鉄七夢魔線延伸、全く必要が認められない南部清掃工場建設、九電に濡れ手で粟の儲けさせているクリーンエナジー、多くの市民が反対しており、過大な事業となっている事業となっているこども病院人工島移転、これらの事業をpばっぽんてきに見直さない限り、市民の納得も共感も得られなことを指摘します。市民参画でこれら6事業見直しを求めました。

反対討論
今議会で上程されている議案264号基本構想、第265号基本計画に基づく諸計画やビジョンが検討されています。基本構想、基本計画は、環境問題が世界課題となっている状況を反映しているとは言え、これまでの基本構想及び基本計画の検証がなされないもので、従来の都市膨張政策の焼き直しといえます。

 この基本構想及び諸計画実現の裏付けとなる行財政改革が検討されていますが、行政目的である市民のためという視点から見ると、多くの問題を抱えています。これまでの事業についての検証がない、市民が参画する仕組みがない、都市間競争という視点でしかでしか都市の成長が発想されていないことにあります。この様な状況で、福岡市が市民のために発展出来るのか疑問を持ちます。

 投機の資金が創るバーチャルな金資本主義の世界は実体経済と大きく乖離し、2008年のリーマンショックは世界経済崩壊の危機を創りました。その後も金融資本主義がはらむ不安定さは世界経済の先行きを不透明にしています。日本経済はグローバリゼーションが進む中で、かってのように金融緩和や大企業優遇税制を行っても円高により輸出が抑制される構造が出来ており、従来のような景気対策はもはや通用しない状況になっています。お金が偏在する状況を変え、国民の所得を引きあげ購買力を高めなければ経済は回復しません。GDPで見られる経済成長と雇用の関係は崩れて、大企業優先の政策は必ずしも雇用を生ます国民生活が豊かにならないことはバブル崩壊後の日本経済を見れば明らかです。

 桑原元市長時代、元気な福岡市と言われてきましたが、借金は2兆7千億円にまで増え、今日その負担にあえいでいる状況です。この時期に多くの社会資本が整備できたという評価がありますが、一方で人工島事業や五ヶ山ダム建設など必要性・緊急性に乏しい事業や、七隈線延伸計画や焼却場整備など問題がある事業が進められてきました。これらの事業の検証がないまま、行財政改革おいて不足する財源を確保するために市民負担を求めていることに反対します。

 破綻が明となっている人工島事業において、売れない土地を売るために立地交付金を上限30億円に引き上げ、4年間で260億円も投入する政策には反対します。この様な費用は地域地場産業や福祉や教育現場での雇用を生み出す投資に使うべきです。議案第254号ないし256号の土地処分については、立地交付金を伴う土地処分のあり方に反対するものです。

 次に議案第229号福岡市市税条例の一部を改正しする条例案及び議案第231号福岡市グリーンアジア国際戦略総合特区の推進に関する条例案は一体のものです。企業誘致やグリーンイノベーションを推進する起業支援に助成する政策を否定するものではありません。しかし、今回の政策を見たとき、人工島土地処分のための特区指定が大きく目につき、グリーンイノベーションにつながるのか極めて疑問です。この様な支援措置は大企業ではなく市内中小零細企業にこそ必要であり、イノベーションの芽を育てるために重点施策をシフトすべきです。

 また議案253号第1給食センター(河床)整備事業に係る契約の締結については、学校給食センター事業の見直しが経済性のみが優先され、食育や働く職員の身分などを考慮せず行う事業の進め方そのものに問題があります。学校給食センターは単なる食べ物製造所ではなく、作る人とが見える、食事を通じたいのちの関わりを実感できることが大切であり、そのためにも働く人たちの身分も保障されなければなりません。また、雇用条件を悪化させることは福岡経済の視点からも問題です。加えて、先般議案質問したように、こどものためではなく身内の都合で破綻した土地開発公社の救済をし、地理的にも環境的にも問題ある土地を多額な費用で購入する事業は認められません。

 議案第241号、242号、自転車駐車場の指定管理者の指定についてです。自転車駐輪場の管理は指定管理者制度が導入されるまではシルバー人材センターが受託していました。シルバー人材センターはそもそも高齢者の生き甲斐づくりを目的として作られた制度です。経済性だけで指定管理者として競争入札させることは問題です。実体的にも、企業が落札してもシルバー人材センターの方が再雇用されるケースが多くあり、しかも賃金が切り下げられているという話も聞いています。いま福岡市が求められていることは政策の選択と集中であり、市民のためという行政目的を実現するためには、自転車駐車場の管理は従前のシルバー人材センターに委託すべきと考えます。

 議案244号きらめき通りの自転車駐車場に係る指定管理者指定の問題は、そもそも付置義務による駐車場管理と公設の駐車場借りを同一の事業者に委託することに問題があります。接合する施設での管理において単一の菅理者で管理した方が効率的と一般的に考えられますが、きらめき通り自転車駐車場は他の施設における管理に比べ異様に高いという事実は必ずしも効率的・公正な契約になっていないと思われます。契約のあり方を再検討すべきです。

 最後に、今回議案で職員供与の削減が上がっています。今般の財政状況ではやむを得ないと考えますが、職員数の削減には反対です。教員や司書、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなど市民生活を支える現場の専門職が圧倒的に足りない状況です。人工島事業や五ヶ山ダム建設、七隈線延伸事業や、南部清掃工場などの事業を見直し、市民生活向上に必要な職員雇用に使うべきです。安心して暮らせる市民生活を支えるために、職員を増やし市民サービスを向上すべきです。そのためにもワークシェリングを検討すべきと考えます。
 以上で反対討論を終わります。