12月議会

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明けまして
  おめでとう
    ございます

 昨年は自民党・公明党の強行採決により民主主義を否定する「特定秘密保護法」が成立しました。安倍政権は教育への政治介入の強化、原発再稼働、そして集団自衛権など「積極的平和主義」として国民を戦争に巻き込もうとしています。危険な安倍政権打倒の国民的運動が必要です。
 福岡市政では、こども病院裁判は証人尋問が始まり、福岡市が市民を騙し続けている実態が明らかとなっています。また、中央保育園移転問題では住民訴訟が提訴され、高島市長への刑事告発が受理されました。市民の声を聞こうとしない・膸埓・鯤僂┐泙靴腓Α」
昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。1月26日告示の糸島市議会選挙に藤井芳広君がチャレンジします。ご支援をお願いします。

**** 新年に向けて ***********

2014年市政取組方針・市民自治の仕組みを実現すべき
 2014年市政取組方針は、一昨年の有識者会議行財政改革に関する答申である「局・区の自律経営」を具体化したものです。要点は、①各局・区は人件費をポイントに換算し、割り当てられたポイント内で職員配置が出来るともに、割り当てられた予算内で自由に配分できる、②市長二役は独自にトップマネージメント費用と行財政革推進等を奨励する費用を持ち局・区をコントロールする、③区役所機能を高めるというものです。
この狙いは、今後とも歳入増が見込まれない中で、局・区で新たな事業を行う場合は局・区の重要度が低い事業をやめる、また人件費削減のために課・係を統廃合し、職員を削減し事業の外注化を進めるものです。業務の外注化を進めることは官制ワーキングプアーを生み出すことになる懸念があります。公契約条例を作り、市契約事業従事者の雇用条件を保障すべきと考えます。また、事業の外注化を進めるのではなく、局・区でポイント内での職員配置が出来るということを活用し、業務を整理して司書、ソーシャルワーカー、地域コーディネーターなど専門職員を増やし、雇用創出と市民サービス向上が図ることを求めました。
また、市政取組方針では、区役所機能の強化と地域・NPO・企業の連携による新しい福祉サービスを謳っており、その目的の一つは、地域資源を活用できるようにし、介護保険の一部を市町村に移管されることへの準備と言えます。その財源の一部に赤い羽根募金が使えるよう自治協議会の中に校区社会福祉協議会を組み入れる提案をしています。市民ニーズを反映させ、事業の必要性・妥当性・透明性を市民が検証できるよう、川崎市が実施している区民会議の設置、事業の優先順位を市民が評価する市民参画予算、市民生活に大きな影響を及ぼす事業については住民投票で決める仕組みが必要であると主張しました。これらは今後市民自治の課題として検討が必要です。

*****  12月議会報告 ******
12月議会の主な議案は消費税値上げに伴う条例改正、待機児童対策、防犯条例案、人工島の新青果市場建設工事契約などでした。消費税値上げに反対する立場から使用料改定に反対しました。待機児童対策として幼稚園に1、2歳児を預ける保育を計画していますが、幼稚園では受け入れ体制が整っておらず、拙速な施行はやめるよう求めました。新青果市場建設工事契約については、人工島建設時に地盤改良していたにも拘わらず改めて地盤改良が必要であったこと、入札で4社が予定価格は実勢に合わないという理由で辞退し1社のみの応札になった問題がありました。人工島の地盤改良は経費節減のため工期が後になるほど水抜きのためのドレーン打ち込み間隔を広げるなどしているために地盤強度が落ちており、警固断層による地震時には液状化が生じる恐れを指摘しました。防犯条例案の質疑では、本来自治活動は自発的なものであり、市民や地域組織、NPO、事業者などの役割を条例で位置づけることには問題があるとして反対しました。

***** 反対討論  ******
2013年12月議会反対討論

 私は本議会に上程された諸議案のうち議案第201号、議案第214号、議案第217号、議案第218号、議案第220号、議案第221号、議案第224号ないし議案第226号、議案第233号、議案第247号、議案第248号、議案第251号、議案第257号ないし議案第262号に反対し、討論します。
 
 議案第201号一般会計補正予算案のうち、歳出予算3款こども育成費1項こども育成費2目こども育成支援費について反対します。これは待機児解消対策として国の「待機児童解消加速化プラン」を活用し、年度内に350人の待機児童をなくすというものです。具体的には3才未満の児童を保育ママを拡大させた小規模保育事業で150人、幼稚園での長時間預かり保育で200名というものです。小規模保育事業においても幼稚園での長時間預かり事業おいても施設や保育士の配置の基準は通常の保育園と同じ基準とするので保育の質に問題はないとしていますが懸念が残ります。何よりも幼稚園での長時間預かり保育事業については、幼稚園での受け入れれの見通しがないまま補正予算を組み、強行する姿勢に問題があります。事業受け入れを求めている市は幼稚園との十分な協議を行い、保育の質を確保できる状況を作ることが先決です。待機児童解消は重要な課題ですが、拙速に進め受け入れ体制が出来ていない幼稚園に強要することは、幼稚園にとってもこどもにとっても不幸な結果を生じます。むしろ市は私有地の貸与や保育士の待遇改善など新設保育園の支援を充実させることが重要と考えます。よってこの議案に反対するものです。

 次に議案第214号福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例案について述べます。地域の住民や事業者、諸団体、関係各機関が協力して犯罪のないまちづくりを進めることは必要であると考えます。また市民一人ひとりが犯罪に巻き込まれないよう日頃から心がけることも必要です。しかし、この様な条例において市の責務はあっても条例でもって市民や地域団体や事業者に役割を定めることが妥当なのか疑問があります。地域の活動はあくまでも自発的であるべきもので強要されるものではありません。行政としての防犯活動及び地域の防犯活動を支援する取組に関する市の責務はあっても、市民や地域団体、事業者の意思を条例でもって束縛することは問題があります。よって今回上程されている条例には反対するものです。

 次に議案第217号、議案第218号、議案第220号、議案第221号、議案第224号、ないし議案第226号については来年4月に予定されている消費税率値上げに伴う議案です。現時点では多くの国民が消費税率値上げに反対しています。グローバル化した一部大企業等の業績がよくなったとはいえ多くの中小企業では行政の改善は見られず、多くの勤労者の所得は上がっていません。また、年金も引き下げられ、介護保険料や国民健康保険が重くのしかかっている現状で、国の施策によるものとはいえ福岡市が消費税率値上げ分を転化することは市民生活に一層の負担を強いることになります。安倍政権は脱デフレと称して大企業への減税や株取引の税制優遇など富裕層優遇策を進めていますが、けれまでも明らかなようにトリクルダウン理論は破綻しています。また、消費税率を上げても税収が増えるどころか、消費が冷え込み税収減を招くことは前回の消費税率値上げでも明らかです。福岡市は消費税率値上げ分を市民に転嫁するべきではなく、国に消費税値上げをやめるよう求めるべきです。以上の理由からこの諸議案に反対するものです。

 次に議案第233号及び議案第251号について反対の理由を述べます。議案第233号はボランティアセンター、議案第251号は駐輪場の指定管理の指定に関する議案です。公の施設の管理に関して、指定管理者を指定すること民間の活力を生かした効率的な管理と市民サービスの向上が求められています。しかし、実態は経費削減が重点で選定されており、指定管理者の管理実態はこれまでも様々指摘されてきました。駐輪場の管理は指定管理者制度が導入される前まではシルバー人材センターが担っていました。シルバー人材センターはそもそも高齢者の生き甲斐づくりとして国が推奨してきたものです。ところが、この様な経過を顧みることなく単に経費削減のために競争入札するという全く貧困な政策しか採ってきていません。では実態はどうか、民間企業が採用する高齢者はシルバー人材センターに登録していた方が多く、仕事がなくなるためやむなく民間に移り、しかも賃金が引き下げられているのが実態です。一方シルバー人材センターでは仕事が減り、登録者は従来の半分しか仕事に就けないという声も聞きます。経費削減だけで指定管理者を指定して良いのか、私は指定管理者の指定は政策的に取り組む必要があると考えます。ボランティアセンターはどうか、ここでもかっては非営利法人が単独で運営を担っていました。ところが今では民間企業とタイアップしなければ落札できな状況になっています。市民活動を支えるボランティアセンターなればこそ市民活動を実践している非営利団体が担うべきであり、また支援策として指定管理者に指定すべきです。福岡市は指定管理者指定のあり方を見直し、政策目的に沿った指定をすべきです。官制ワーキングプアーを生み出すことはやめ、希望を持って仕事が出来るように指定管理者のあり方を変えるとともに、公契約条例制定により市発注事業従事者の生活を守ることを求めます。

 議案第258号ないし262号についての反対の理由を述べます。議案第258号、議案第259号は新青果市場建設請負契約です。新青果市場建設は多くの市場関係者の反対があったにも拘わらず人工島土地処分のために統合移転が強行されたものです。また議案第260号ないし議案第262号は人工島の土地処分の議案です。現に竣工している土地処分は必要ですが、厳しい財政において多額の立地交付金を使って土地処分を進めることの妥当性はありません。また、事業そのものを抜本的に見直さず従前どおりに埋立事業を進めることを追認することは出来ません。
 議案第257号卸売場新設工事については応募申請5社のうち4社が辞退し1社のみの入札となっています。辞退の理由が実勢価格に合わないとのことです。この工事請負契約は積算のあり方の問題、また工事の品質確保の問題、下請け業者へのしわ寄せの懸念などがあります。今後、東日本大震災復興需要にくわえ東京オリンピックに向けたインフラ整備などで人材や資材が東京に集中することが考えられます。応札事業者が1社のみの場合は入札について見直しが必要ではないかと意見を述べておきます。
 
 来年度政府予算では地方交付税は削減されるとのことです。今後市歳入が増える見込みがない中で、福祉関連経費や公共施設及びインフラの維持管理など増え続ける行政需要、更に介護保険の一部を市町村に移管させようとしていることなど、計画的・効率的な市政運営が求められています。高島市長は201年度に向けた市政取組方針で、局・区の自律経営として局・区に職員配置及び財政運営について大幅な裁量権を与えていますが、他方では厳しい経費削減を求めています。また、取組方針で区役所機能の強化を謳っていますが、これらの取組が市民のために生かされるには、目指すべき理念が地方自治の本旨である市民福祉の実現でなければなりません。しかし、福岡市の基本計画基本構想は大企業誘致の経済成長志向であり、成長のための投資として使われ、市民のためのに予算が使われていません。破綻した人工島事業、五ヶ山ダム建設等の見直しを行わず、更に、多くの市民の声を無視したこども病院人工島移転及び中央保育園移転など、利権がらみの市営運営を進めるなどみると、市長が進める行財政改革は市民にしわ寄せするものでしかありません。グローバル化と少子化が進む中で日本経済は縮小せざるを得ず、成長なき持続可能な社会を目指さなけれはいけません。そのためには、幅広い市民が参画できる市政運営を行うべきです。
 以上で反対討論を終わります。