ウォーターフロント地区再開発は過剰投資になるのでは

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今年(21018年)8月にクルーズ船が2隻同時着岸できる岸壁が約40億円の公費をかけて完成しました。クルーズ船専用埠頭建設に続き、インバウンド受け入れ施設の整備、賑わいのまちづくり、サンパレスを壊し代替えのホールを建設、第二展示場の建設を予定しています。しかし、クルーズ船の寄港数は2016年をピークに減少に転じています。主たる利用者は中国の人であり、中国経済も転換期に来ており、今後ともクルーズ船の寄港が増えるとは考えにくい状況となっています。

また、国際会議の開催数は2012年252件から2016年383件と増えており、国内では5年連続東京に次いで開催件数2位です。しかし、ICCA(国際会議協会)の基準による開催数は2014年15件、2015年30件、2016年25件、2017年17件と、2015年をピークに減少しています。JNTO(日本観光局)の基準とICCAの基準は基本的に同じ50人以上の会議で、3ヶ国以上が参加する会議としていますが、JNTOとICCAの基準の違いはICCAの基準には定期的に開催され会議となっている点です。ICCAの基準での国際会議数が減少していることは、大きな国際会議の開催は都市間の競争が激しくなっているものと考えられます。このような状況を見ると、ウォーターフロント開発は過剰投資になる恐れがあります。同時に、超高齢社会に突入しており、福岡市においても近い将来人口減少が始まることを考えれば、ウォーターフロント開発は優先すべき事業とは言えません。加えて、サンパレスは1981年に建てられたものでまだ37年しか経っておらず、アセットマネジメントの視点からも建て替えることは問題です。まして建設費が約400億円ともいわれるロープウェイは必要ありません。ロンドンではオリンピックに併せて建設したロープウェイは破綻しています。