憲法改正が必要なのか:選挙の争点ではなかった

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総選挙が終了し、維新の会は憲法改正を早々と持ち出しています。そもそも「憲法改正」は選挙の争点ではなかったにもかかわらず、突如と持ち出すことは国民を騙すに等しい行為です。何故「憲法改正」が必要なのでしょうか。「憲法改正」しなければできないことは戦争以外にはありません。災害時やコロナ禍を理由に「緊急事態条項」の必要性を主張しますが、福島原発事故後、福島県のほとんどの自治体の長は「緊急事態条項」は必要ないと明言しており、感染症対策でも現行法を作ることで解決できます。「緊急事態条項」が発令されれば、内閣は国会の審議を経ず法律と同じ効果を持つ政令を出すことができ、人権を規制することができ独裁体制をとることができます。

ヒトラー・ナチスが緊急事態条項を濫用して、「授権法」(全権委任法) 制定し議会政治を消滅させたという歴史を私たちはハッキリと確認する必要があります。2013年7月に現職の副総理で財務大臣であった麻生太郎氏が「あの手口を学んだらどうかね」とナチスが「緊急事態条項」を使って民主主義を破壊したことを持ち出したことは忘れてはいけません。その後の自公政権は2013年12月に特定秘密保護法を強行採決、2014年7月にこれまでの「政権が集団的自衛権は違憲」としてきたものを「合憲」と閣議決定し、2015年9月には安保関連法=戦争法を強行採決、2016年7月共謀罪法=共謀罪の創設を含む改正組織的犯罪処罰法を強行採決、2021年5月に官邸が国民の情報を一括して把握できるデジタル関連法強行採決、2021年6月には重要土地利用規制法を強行採決と、国民の人権や権利を侵害する法案が強行採決されてきました。いま「憲法改正」=「憲法改悪」によって「戦争する国」を実現しようとしています。

「戦争」は最大の環境破壊であり、人権侵害です。日本国憲法の平和主義こそ未来の子ども達に明るい希望を与えます。「憲法改正」しなくても必要の措置は法律を制定することで可能です。「憲法改正」しなければできないことは「戦争する国」にすることだけなのです。「憲法改正」=「憲法改悪」は絶対にさせてはいけません。自民党・公明党政権、それにすり寄る日本維新の会に政権を任してはいけません。