2023年代表質疑

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 私は緑の党と市民ネットワークの会を代表して市政全般について質疑を行います。

 コロナ禍は3年目を迎え、行動制限がなくなり経済活動や社会活動が回復し始めているとはいえ、影響は続いています。加えて、昨年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻に伴い資源高が継続し、安倍政権時の金融緩和政策による円安の影響で、エネルギー価格高騰や食料品の価格高騰に歯止めがかからず、家計の負担増が続いています。総務省の発表では、総給与額の実質賃金はマイナス0.9%と賃金上昇は物価上昇に追いついていません。帝国データバンクの調査では2023年の値上げ品目数の見通しは1万2000品目を超えるとしています。賃金の底上げと物価対策が急がれていますが、政府の対応だけでなく、福岡市としても対策をとる必要があります。

 また、気候危機対策が急がれており、昨年「福岡市地球温暖化対策実行計画」が策定されましたが、具体的施策がとられているのか問われています。都心部再開発に伴うエネルギー消費の削減、都心部の緑の確保とクーリング、物流・人流に伴うエネルギー消費の削減、原発に頼らないエネルギー政策が求められています。

開発優先の市政を転換し、市民生活を優先する政策を求め、以下質疑を行います。

1、まず、「都市の成長」を優先する政策の転換について質問します。

市長は選挙の公約で「『とりもどせ元気』と銘打って、スタートアップ支援や国際金融機能の誘致を掲げ、『より大きい企業をどう生み出していくかが課題だ』と述べた。」と報じられています。相変わらずの新自由主義政策、経済成長優先の政策を掲げています。しかし、企業誘致や再開発事業でトリクルダウンは起こっていません。「元気を取り戻す」ためには格差と貧困の拡大を止め、地域で循環する経済をつくることが必要です。また開発優先の政策は市民のウェルビーイングを奪っています。そこで、

○PFIや指定管理者制度が低賃金構造を広げたと考えられます。PFIや指定管理は同額の費用で事業を実施したと仮定すれば、直営では生じない法人税、株主配当等が生じ、その費用は必然的に人件費に転嫁され、本質的に低賃金構造を生み、サービス向上にも繋がりません。また、リスク分担や事業内容が議会でも検証できない、契約終了でなければ評価できないなど問題があります。PFIや指定管理については直営とすべきと考えますが所見を求めます。

○また、市と契約する事業については公契約条例を作り、地域における賃金上昇を図るべきと考えますが所見を求めます。

○地域で循環する経済をつくるためには、大企業優先の政策ではなく、住宅リフォーム制度、小規模事業者登録制度など地場中小企業を支援する、地域の文化や芸術等を振興することで、地域循環経済政策に重点を置くべきと考えますが所見を求めます。

○福岡市は千人当たりの正規職員は政令市で最も少なく、専門職に会計年度任用職員が多い。これは低賃金構造を固定化し、キャリアが必要とされる福祉や教育の質を低下させます。会計年度任用職員を正規職員に採用し、市民の所得を増やし市民生活の質の向上を図るべきと考えますが所見を求めます。

○スタートアップ支援をするとしていますが、非正規雇用が全国平均よりも多い状況の一因に「解雇特区」といわれる「雇用労働相談センター」による解雇指南があるのではないでしょうか。低賃金雇用を容認するスタートアップ支援の在り方を見直すべきと考えますが所見を求めます。

○福岡市は世帯収入300万円以下40%、全国平均34%より多い。物価上昇が続いており、生活困窮者に対する支援が必要と考えますが、所見を求めます。

○開発優先の政策は乱開発を誘致し、環境を悪化させています。都心部再開発やウォーターフロント地区再整備は抜本的に見直し、都市の成長管理政策をすべきと考えますが所見を求めます。

○開発優先の政策により、建築紛争は後を絶たず、無秩序な住宅開発に伴う過大規模校の増加によって教育環境は悪化しています。建築紛争予防条例の抜本的改正と神戸市、兵庫県西宮市、埼玉県戸田市のように住宅開発の規制をすべきと考えますが所見を求めます。

○賭博によるまちづくりはすべきでないと考えます。これまでIR誘致は検討していないと市長は答弁してきましたが、未だに水面下では動きがあります。市長はIR誘致をする考えがないことを表明すべきと考えますが所見を求めます。

○市長は当選後の記者会見で交通体系について検討する旨を発言していますが、費用対効果が極めて低い都市高速道路を空港へ延伸する事業はやめるべきと考えますが所見を求めます。

○また地下鉄七隈線を福岡空港国際線ターミナルまで1200億円も掛けて延伸する必要はなくやめるべきと考えますが所見を求めます。

2、次に、環境保全、地球温暖化政策、2040年ゼロカーボンの実現について質問します。

 昨年のエジプトでのCOP27では現状では2100年までに気温上昇を1.5度以内に押さえるのは困難で、もっと厳しい対策が必要とされています。福岡市も実効ある温暖化防止対策を実施する必要があります。そこで、

○国の2050年カーボンゼロ宣言を受けて、昨年都市の低炭素化の促進に関する法律の施行規則等が改正され、省エネ誘導基準のエネルギー消費量を、改正前用途に応じて20%から40%以上削減するとともに断熱構造を強化すること、また、認定基準に太陽光発電設備や風力等を利用する発電設備、太陽熱・地中熱を利用する設備などの再生可能エネルギー利用設備を設置することを義務づけています。これを一歩進め、全ての新規の公共施設についてはZEBにしていくこと、都心部開発での建設される建築物はZEBにすべきと考えますが所見を求めます。

○ロシアのウクライナ侵攻を機にエネルギー危機が生じています。エネルギー危機を乗り越えるために再生可能エネルギー100%実現に向けて、すべての公共施設における太陽光発電の設置と、購入電力を再生可能エネルギー100%にすべきと考えますが所見を求めます。

○福島原発事故を忘れず、原発廃炉と二酸化炭素排出量が最も多い石炭火力発電はやめるよう九電に申し入れるべきと考えますが所見を求めます。

○EV購入費の助成や充電設備の設置助成など、様々な国の制度を活用し、事業者や市民に広く働きかけるべきと考えますが所見を求めます。

○樹木は都市の気温を下げ、エネルギー消費を削減させ、良好な景観を形成します。都心部再開発による街路樹の減少、須崎公園の拠点文化施設建設、観光政策による福岡城址での樹木の伐採など、都心をはじめ市内の樹木が減少していることを肌感覚で感じています。まず実態調査を行い、新・緑の基本計画を早急に改定し、永続性がある緑を増やすべきと考えますが所見を求めます。

○温暖化ガス削減のために公共交通が利用しやすいように、基幹交通とフィーダー交通を組み合わせ、公共交通料金をさげるなどすべきと考えますが所見を求めます。また、その財源として市内の駐車場料金に交通税を付加することについて所見を求めます。

○湿地は多様な生態系を保持しており、地球温暖化防止の機能も高いといわれています。博多湾の環境保全のために和白干潟をラムサール条約登録湿地にすべきと考えますが所見を求めます。

3、次に、子育てしやすく、子どもや若者に希望がある未来について質問します。

 市長は公約で「少子化対策のロールモデル都市となることを目指す」と掲げていますが、その内容について質問します。

○3歳未満児の保育料について第2子から無償化を実施すると発表していますが、全ての3歳未満児の保育料を無償化すべきと考えますが所見を求めます。

○物価上昇と賃金が上がらない状況で、子育て世帯の生活は厳しい状況にあります。子育て支援に保育園の副食費と学校給食費の無償化、高校生までの医療費の無償化が全国の自治体で広がり始めており、福岡市も実施すべきと考えますが所見を求めます。

○また、食育と第一次産業の育成の視点から給食食材のオーガニック化を促進すべきと考えますが所見を求めます。

○保育の受入は充足されてきましたが、保育の質の問題が課題となっています。乳幼児に対する保育士の配置基準を多くすることや、更なる保育士の処遇改善を図る必要があると考えますが所見を求めます。

 市長は記者会見で「今日よりも明日が明るくなっていく未来がある。そう希望を持ってもらうことが一番大事だ」と語ったと報道されています。そこで、

○大学や専門学校を卒業する時に半数の学生が300万円から500万円の奨学金という借金を抱えているといわれています。若者が未来に希望を持つためにこの借金を減免することが重要と考えます。給付型奨学金の制度拡充と既に返済義務が生じている奨学金については減免を国に要請するとともに、福岡市も他都市に習い給付型奨学金の拡充と減免措置を実施すべきと考えますが所見を求めます。

○若者の自立支援に、単身の若者の住宅支援、若者の相談体制、居場所づくりはどのように整備するのか所見を求めます。

○子どもが自分らしく育つためには、家庭環境とともに学校教育についても改善する必要があります。家庭や学校が子どもを自立した個として認知し、子どもの権利を認めなければ虐待やいじめはなくなりません。子どもの権利条例をつくることが必要と考えますが所見を求めます。また、川崎市のように子どもの人権オンブズパーソン制度をつくることについて所見を求めます。

○コロナ禍で不登校が増えていますが、不登校が増えている背景には、子どもの多様性が認められない状況があると考えられます。企業人育成を目指すアントレプレナーシップ教育などが重視され過度な競争が強いられていることと、自然とのふれあいや遊びが奪われていることにあると考えます。子どもの多様性を重視する教育、相手を思いやるエンパシー教育を重視する教育に転換すべきと考えますが所見を求めます。

○子ども一人ひとりを大切にするためには、教職員や学校司書、図書館司書の増員、およびSCやSSWなど教育関係職員や児童福祉司など福祉関係職員を会計年度任用職員から正規職員にし、増員する必要があると考えますが、所見を求めます。

○子どもが健全に育つために、読書と居場所が重要な要素としてあり、学校図書館を登校時から下校時まで開館し司書を配置すべきと考えますが所見を求めます。

○デジタル化が進む中で、子どもの視力低下、電磁波過敏症、学力の低下問題、依存症対策など、健康対策についてどのように取り組むのか所見を求めます。

○また、SNSによるいじめや人権侵害をなくすためにデジタルリテラシー教育をどのように取り組むのか所見を求めます。

○障がいのある子どもが希望する学校に就学できるよう、学校設備の整備と必要とする教職員や学校生活支援員を配置すべきと考えますが所見を求めます。

○子どもの地域での見守りや若者自立に向けて、子ども、若者、ひきこもり、障がい者などを支援する民間団体に対する市の支援が重要と考えますが、今後どのように拡充するのか所見を求めます。

4、次に、高齢者や障がい者に優しい社会について質問します。

○超高齢社会の進展とともに高齢者だけの世帯と単身高齢者世帯が増えています。誰もが住んでいる街で住み続けられるよう、見守りや生活支援、相談体制の充実など地域包括ケアシステムの拡充について所見を求めます。

○また、超高齢社会を支える介護職員の処遇改善が必要と考えますが所見を求めます。

○物価上昇が続き、年金も増えない状況において、国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険の負担を軽減すべきと考えますが、所見を求めます。

○移動の自由は基本的人権です。高齢者乗車券及び福祉乗車券を拡充するとともに、オンデマンド交通の実験が行われていますが更に一歩踏み込んだドアtoドアのオンデマンド交通を検討すべきと考えますが所見を求めます。

○全ての住民がウェルビーイングな生活が実現できるよう、高齢者や障がい者の生き甲斐づくりと就労支援の拡充について所見を求めます。

○住宅福祉は福祉の基盤です。市は誰でもが低家賃で良質な住居を確保できるようにする責務があります。生活困窮者に対する住居費の助成、住宅セーフティネットの充実と公営住宅を拡大すべきと考えますが所見を求めます。

5、次に人権が守られる社会について質問します。

○ヘイトスピーチ解消法が施行されて6年を経過しますが、部落差別、在住韓国・朝鮮籍住民や外国籍住民に対する差別は未だになくなっていません。差別・排外主義をなくす人権教育の推進と、川崎市のようなヘイトスピーチに対する罰則がある差別禁止条例を制定すべきと考えますが所見を求めます。

○福岡市はアジアを中心に外国籍住民が増えており、よりよい多文化共生社会の実現に向けて当事者の声が市政に反映できるように川崎市のような外国人会議の設置が必要と考えますが、所見を求めます。

○また、外国籍住民の相談及び支援体制、外国籍児童の就学支援・促進、外国籍住民の言語教育の支援が必要と考えますが所見を求めます。

○民族教育を受ける権利は子どもの権利条約及び国際人権規約でも明記されています。福岡市は以前朝鮮学校への助成をしていましたが現在は助成をしていません。インターナショナルスクールには助成しているにもかかわらず、朝鮮学校に助成しないことは差別でないのか、所見を求めます。

○福岡市ではパートナーシップ制度ができていますが、LGBTQ等の多様な性については未だ差別解消が進んでいるといえません。LGBTQなどの多様な性について学校教育の状況と今後の取り組みについて所見を求めます。

○また、市においてジェンダー平等の進捗状況及び今後の推進の取り組みについて所見を求めます。

6、次に住民自治の実現について質問します。

 住民自治は憲法第92条ないし第94条で定められた地方自治の下、主権者である住民が一定の地域社会の公事的事務を住民みずからの意思に基づいて自主的に処理するとされています。そこで、

○主権者である住民の権利を明記した市民自治基本条例の制定が必要と考えますが所見を求めます。

○市長や市議会議員は選挙によって選ばれますが、白紙委任をしたわけではありません。住民生活に大きな影響が及ぶと考えられる一定規模以上の公共事業について、住民に直接意思を問う常設型の住民投票条例制定が必要と考えますが所見を求めます。

○地方自治法252条の20では区の課題について協議する区地域協議会の設置が出来ます。主権者である住民の声が市政および各区における事業について住民の声が反映できるよう区地域協議会を設置することについて所見を求めます。

○また市民参画予算の推進について所見を求めます。

○地域における住民間の交流・連帯を担っている自治協議会の負担軽減と、区の地域担当職員とは別に地域資源を結ぶ役割を担うコーディネーターの配置など人的な支援について所見を求めます。

7、次に防災に取り組むまちについて質問します。

 1986年に起こったチェルノブイリ原発事故の被害は36年経ったいまも継続しています。2011年の福島原発事故は改めて原発が過酷事故を起こすと長期に亘り甚大な被害を及ぼすことを示しました。ところが、政府はロシアのウクライナ侵攻を機に起こっているエネルギー危機を口実に原発を60年以上稼働させることと新設を進めようとしています。原発に頼らない社会は可能であり、気候危機対策・エネルギー安全保障の観点からも再生可能エネルギーへの転換が急がれています。そこで、

○玄海原発で過酷事故が起こればたちまち住めない街となり、私たちの日常は瞬時に奪われます。私たちの意思とは関係無くこのようなリスクを追わされることは理不尽であり、市長は玄海原発廃炉を求めるべきと考えますが所見を求めます。

○防災計画では過酷事故についての想定がなく、屋内退避しかありません。2次避難及び長期避難を想定した避難計画を立てるべきと考えますが所見を求めます。また、帰宅困難者対策と来福者への避難対策について所見を求めます。

○また、50キロ圏内の市民に対するヨウ素剤の分散配置を更に進めていますが、全ての市民にヨウ素剤を事前配布すべきと考えます。所見を求めます。

 地球温暖化が進む影響で、局地的豪雨や巨大台風など風水害が甚大化しています。そこで、

○風水害の早期警報体制と地域での避難訓練の充実についてどのような取り組みをしているのか所見を求めます。        

○年々災害が甚大化しており、地震や風水害の大規模化に備えた備蓄と長期避難を想定し 応急仮設住宅建設用地の確保について所見を求めます。また、避難所となる学校体育館の空調設置について所見を求めます。

○要支援者に対する避難支援及び避難先の確保について、また外国籍住民及び来福外国人等に対する避難誘導及び避難所での処遇についてどのような取り組みがなされているのか所見を求めます。

○風水害の被害軽減対策として、河川流域での林地の整備と家屋や施設での貯留施設を設置するなど流出抑制を組み合わせた総合治水について所見を求めます。また、学校施設や公共施設等での貯留設備の設置は流出抑制とともに、災害時の水確保にも繋がり、他都市の事例等を研究する必要があると考えますが所見を求めます。

○都心部の内水氾濫抑制のために、流出抑制機能を持つ街の構造を促進すべきと考えますが所見を求めます。

○新型コロナウイルス感染症により社会・経済は甚大な影響を受けました。また、医療体制が逼迫し、医療従事者、保健師等の市職員、介護従事者などが疲弊する事態が生じています。感染症は災害として認知し、日常的に医療体制を充実させるとともに、感染症に対するBCPを策定すべきと考えますが所見を求めます。

8、次に監視社会から市民を守ることについて質問します。

 2021年にデジタル関連法が策定され、デジタル庁が国及び地方の行政情報を一元的に把握することが進められています。マイナンバーに様々な個人情報への紐付けが拡大されており、地方自治体の情報管理は全国共通のプラットホーム形成が進められていること、また個人情報保護法が改正され、自治体の関与が弱まり、匿名化された個人情報が収益活動に使われ、事実上直接的な保護の対象とならなくなったことなど、監視社会化と情報漏洩のリスクが高まっています。そこで、

○マイナンバーによる個人情報の紐付けの拡大は監視社会に繋がり、また情報漏洩した時の被害は甚大となる事から、国にマイナンバーによる個人情報の一元管理をやめる様要請すべきと考えますが所見を求めます。

○個人情報の目的外利用を厳格に運用し、市民に自己の個人情報がどのように使われているのか透明化を徹底すべきと考えますが所見を求めます。

○また、匿名化された個人情報が他の情報と突合されることは防げないことや、全国が同じプラットホームで繋がれば個人情報漏洩のリスクは高まります。セキュリティの強化について所見を求めます。

○個人情報は行政サービスを受けるためのものであり、目的外利用は人権侵害です。自衛官募集のための名簿提供に公益性はなく、同意を得ない18歳、22歳市民の名簿を自衛隊に提供することは憲法で保障されたプライバシーの侵害・人権侵害であり、同意がない名簿提供はやめるべきですが所見を求めます。

○教育現場や福祉の現場で子どもの支援として個人情報の収集と活用するとしていますが、AIによるプロファイリングは人権侵害に繋がる恐れがあり、対策が必要と考えますが所見を求めます。

○町内会等への補助事業により、防犯カメラの設置が行われていますが、肖像は個人情報であり、特定の個人の監視につながらないようにするとともに、撮影された画像の適正な管理が必要と考えますがどのような対策をとっているのか所見を求めます。

○また、箱崎で進められているFukuoka Smart Eastでの路上カメラによる同意無き個人情報収集は人権侵害であり禁止すべきと考えますが所見を求めます。

○昨年9月に重要土地利用規制法が施行され、12月には58カ所が注視区域・特別注視区域に指定されました。指定された区域の1キロ圏内の住民や業者の個人情報が強制的に国に提供されることになります。これは戦前の軍機保護法等と同じで人権侵害です。2024年秋ごろまでに600カ所以上の指定を完了させる方針とされ、福岡市には福岡空港に米軍基地があり、背振山のレーダー基地があるなど注視区域に指定されると考えられます。重要土地利用規制法の廃止を国に求めるべきと考えますが所見を求めます。

9、最後に平和に貢献する市政について質問します。

 戦争は最大の環境破壊であり人権侵害です。戦争しない国・平和な国際社会の形成こそが若者が希望をもてる社会への基礎です。地方自治体は憲法によって国の恣意的な権力支配に対峙する民主主義的統治機構として設置されていると解されています。そこで、

○岸田政権に戦争する国への政策、軍備増強政策をやめるよう求めるべきと考えますが所見を求めます。

○戦争がない国際社会の形成に向けて、学校において平和教育を充実させ、また戦争の悲惨さを語り継ぐために平和資料館を建設すべきと考えますが所見を求めます。

○福岡市が率先して平和な国際社会形成につとめる市政を現すために、非核平和都市宣言をするべきと考えますが所見を求めます。

○また政府の核兵器禁止条約を批准するよう求めるべきと考えますが所見を求めます。

○福岡空港を完全な民間空港にすることと博多港の軍事利用をさせない取り組みについて所見を求めます。

○また、港湾施設使用については、艦船の核搭載がされていないことが確認できないと使用を認めない神戸市と同じような取り組みをすべきと考えますが所見を求めます。

 以上、市長及び教育長の真摯な答弁を求めて、代表質疑を終わります。