イラク派兵反対!

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 自衛隊のイラク派遣基本計画が閣議決定しました。いまなぜイラクに自衛隊を派遣しなければいけないのか、怒りを感じています。日本が国際貢献すべきことは、世界に戦争をなくすことであり、貧困と不正をなくすことです。今回のイラク戦争はアメリカが国連および国際世論を無視し、独善的な理屈でしかけた先制攻撃による戦争です。その意図は、イラクの石油資源の確保と戦後復興の利益をアメリカ企業が独占する、アメリカの軍事産業の利益を図る以外の何ものでもありません。アメリカ企業の利益のために、イラク国民、子どもたちの多くが傷つき、死んでいます。犠牲者はイラク国民だけではありません。アメリカ兵をはじめとする名も知られない兵士たち、国連職員、そして先日、日本の2名の外交官も犠牲になったのです。
 そもそも戦争に大儀はありません。第二次世界大戦以前も、そして第二次世界大戦後の世界の戦争も大儀がない戦争であったことは明らかにしています。フセインの独裁を認めるものは誰もいません。しかし、アメリカはイラン・イラク戦争ではイラクに武器や資金を供与し、アフガンでは反政府勢力に武器と資金を提供しました。自国の利益(それはアメリカの軍事産業であり、アメリカの多国籍企業の利益)を守るために、内戦に介入してきたのです。この大儀がない戦争に憲法9条の理念が合致するはずはありません。小泉首相は今回の自衛隊派遣は憲法9条の理念に基くといっていますが、どうして人道支援に自衛隊を使わなければならないのでしょうか。自衛隊の派遣はイラク国民にとっては軍隊の派遣であり、侵略者である米英軍への荷担として受け止められるのです。これまで、戦争に荷担しなかった日本国民の意思が踏みにじられることになります。
 いまこそ国際貢献のとして、憲法9条の理念を具体化し、平和主義を貫くべきです。イラクの復興支援は、国連を中心にすべきです。日本は人道支援として、自衛隊派遣ではなく、国連の要請に応じた支援とNGOをはじめ民間の協力を進めるべきです。自衛隊派遣に断固反対します。アメリカ追随の小泉内閣の姿勢に反対します。

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                   2003年12月10日

  自衛隊イラク派遣基本計画の閣議決定について(声明)

               みどりの会議代表委員 中村敦夫

 私たち「みどりの会議」は、12月9日に行われた政府の自衛隊
イラク派遣基本計画決定に抗議し、速やかなる全面撤回を求める。

 もとより、米国によるイラク攻撃は、でっち上げを根拠とする大
義なき侵略戦争であり、これを支持した小泉政権は、率直にその誤
りを認めるべきである。自衛隊を現地に派兵することは恥の上塗り
をするようなものだ。

 百歩譲って人道・復興支援を口実にしたとしても、それは戦後に
イラク国民及び国連によって、検討されるべき問題である。イラク
戦争終結は、米国が一方的に宣言しただけであり、イラク政府が降
伏したわけではない。現実は、戦争が本格化しつつあり、死傷者は、
日増しに増加している。この状態での派兵は、「憲法違反」のイラ
ク特措法にすら反している。

 ブッシュ米大統領は「テロと闘う」と言うが、米国のやっている
ことは、テロを誘発し、拡大させる結果になっている。米国及び派
兵している国々への反感は、イラク軍やテロリストばかりでなく、
イラク全土の国民に広がり、広範なレジスタンス運動に変化する兆
しが出ている。

 そうなれば、日本はイラク国民を抑圧する、文字通りの「侵略軍」
となる。これは、小泉首相が引用した憲法前文の精神とは、まった
く正反対の行為であり、戦後日本がもっとも自らに戒めてきた行為
である。

 つまり、イラク派兵は、世界のためにも日本のためには無意味で
あるばかりでなく、悲劇の再生産を促すだけである。

 こうした小泉政権の愚行に対し、私たちは、「国際社会において、
名誉ある地位」を確保するためにこそ、強く抗議するものである。

                            以上