決算特別委員会分科会(建築局)

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決算特別委員会
17日(月)、18日(火)
分科会:第4委員会所管 建築局03年度決算審査
1)公営住宅について
03年度の市営住宅の抽選状況は、募集戸数1012戸に対して応募者18、342人、競争率18.51%と高倍率の状況が続いている。厳しい経済状況の中で、市営住宅希望者が増えており、退去者数も減る傾向にあり、この状況は変わるようには考えられない。平均的家賃は同程度の規模で、市営住宅2万3千円、公社、公団で4万3千円、それに比べ民間は5万3千円(非木造住宅であれば6万6千円とも)とされ、益々公営住宅希望者が増えることが考えられる。公営住宅を増やすよう求めたが、福岡市としては現在3万1千戸余ある市営住宅をこれ以上増やす考えはないことを重ねて表明した。財政面からも、古い住宅が多いため建て替え及びバリアフリーなど住宅の質を向上させるとして全面改装ならびに中層住宅へのエレベーター設置を進めている。
国も新たな公営住宅建設を認めない方針という。しかし、公営住宅の必要性が高まる中で、新たな校住宅を造らない替わりに、国は政所得者に優先的に公営住宅を提供するとして、職制源を引き下げ、基準を超える所得の人や財産を保有する人を追い出すとしている。しかし、市営住宅に入居している人の3/4は第1階層の方たちであり、仮に住み替えが進んでも公営住宅が足らない状況はあまり変わらない。住宅は生活の基盤であり、市民に安心して住める住宅を提供することは市の責任である。厳しい経済状況が今後も続くことを考えれば、公営住宅を増やすことが必要である。

2)公営住宅全面改装ープロポーザル方式による発注
福岡市は耐用年数が迫っている住宅について、財政上の問題から建て替えではなく駆体を残した全面改装を実験的に十六町団地と城浜団地で実施した。設計施工を一体で発注するプロポーザル方式で入札が行われた。このことについて、①入札が点数による総合評価になっているが、必ずしも技術水準が最も高い企業が落札することにならず、施工者の意欲を高めることにならない上結果として高いものになるのではないかという指摘、②全面改装が建て替えに比べて本当に安いのか、間取りの変更等を考えるとかえって高く付くのではないという指摘、③建て替えならびに改修のペースが計画に比べて遅いのではないかと指摘された。
市は、初めての実験であり経費対効果などの検証を行う、また、整備計画は5年ごとの見直しとしており、来年見直しをするとした。厳しい財政難の中、入居者の40%は独身、二人家族をを含めると約50%、高齢者が増えている状況も勘案して、最も効率的な事業方法を検討すべきである。

3)高齢者賃貸住宅支援事業について
福岡市は03年度から高齢者賃貸住宅住居支援事業を始めた。利用者は03年度1件、04年度は11件ということである。事業内容は、①社会福祉協会が身元引受人になる(社会福祉強化に毎月500円払う)、万一の場合(死後の葬儀など)に備えて希望者は預託金を払う、②高齢者を受け入れる不動産業者を登録する(現在13社、約4万戸)となっている。この事業は家賃の債務補償制度ではない。国土交通省が行っている高齢者住居支援センターは業者の登録と家賃の債務補償を行っており、債務保証はこの制度を利用するか、遠方でも連帯保証人を求めているという。しかし、川崎市や東京都世田谷区は債務保証をしており、さらに、川崎市は障害者、外国人についても家賃の債務補書をしているという。福岡市は今後制度を検討するとしているが、アジアに開かれた都市、人に優しい都市を標榜するならば、住みやすい環境作りのために実施すべきと考える。

4)不法建築物の対応について
決算特別委員会でも公明党の議員から質が出された問題について再度公明党の議員からその後の対応について質問がなされた。
市街地調整地区における不法建築物は34件69棟ということである。ひどいところは大規模な無届けの林地開発がなされ、11棟もの住宅や建造物が建っているにもかかわらず、また課税もされす、10年間放置されてきた。近隣に迷惑をかけ、下水道工事にも支障をきたしているが、市の対応は鈍いことが総会質疑で指摘された。早良区非違が強いる部でも不法建築について市が再三撤去を命じているにもかかわらず、居座っていることが指摘され、市はようやく刑事告発を検討すると答えていた。翌日新聞に市が東入部の住人を刑事告発するという記事が出されたことについて質問があり、市はまだ告発はしていないが告発の予定であると答えた。不法建築部の監視体制も不十分であることと、初期の調査から勧告、除去命令、告発と是正のマニュアル化の必要性が指摘された。私もこれに関連して、旧千石荘周辺の不法建築物の調査と是正を求めた。

5)住宅新築資金等買付事業特別会計
金利が下がり民間での対応で十分として貸付事業は02年で終了し、貸付金の回収だけが業務として残っている。貸付金の収入率は00年度47.0%、01年度45.4%、02年度42.1%、03年度41.1%と年々収入率が下がっている。リストラなどで失業者が増える、賃金が下がるなど、社会状況を反映して支払い能力が下がっていると考えられる。海外では失業中は住宅の借り入れ元本の支払いを止め、その期間金利については国が金融機関に支払う国もあり、日本においても国で検討されてきた経緯がある。住居は生活の基盤であり、生活が立て直せるよう支払い能力に応じた対応をするように求めた。