人工島事業の不正解明に向けて議長へ申し入れ

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 ケヤキ庭石事件の公判で次々と人工島事業の不正が明らかになってきました。①1999年(平成11年)山崎市長が人工島見直しをした時に、博多港開発は200億円の赤字になるという収支見通しを出したにもかかわらず、福岡市は約40億円の黒字になるよう改ざんさせたこと、②1999年12月に福岡市が見直しの結果事業期間を延ばせば従来通りの計画で採算に合うと発表した翌2000年(平成12)3月には旧日本興業銀行が「このまま事業を進めると100億円の赤字になる。福岡市が損失補償をしなければ融資できない。」として融資を拒否し続け、福岡市と博多港開発が説得していたこと、③2000年(平成12年)には新生銀行、2001年(平成13年)鹿児島銀行、あおぞら銀行が融資をやめたこと、④2001年12月28日、福岡市は銀行団とようやく融資条件が折り合い、新事業計画なるものを策定した、その時に福岡市は銀行団に損失補償の念書を渡したとされていること、これらを付き合わせると、人工島事業は当初から破綻しており、銀行公団は損失補償を福岡市にさせ、その結果人工島の土地を福岡市が買い取り、公園や学校、病院を作る、とどのつまりは第2工区を396億円で埋立権を福岡市が買い取る直轄化まで行いました。博多港開発救済に投じてきた税金は既に1000億円ほどであり、今後も増え続けます。同時に、市長は市民に対して失敗すると分かっていながら税金を使い続けるという背任行為を続けていたことになります。私は全ての公文書の開示と特別委員会の開催を求め、真相解明するよう議長に求めました。
 以下、申入書です

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                                 2005年7月27日
福岡市議会議長 妹尾俊見様

                                 福岡市議会議員 荒木龍昇

福岡市および博多港開発株式会社が保有する公文書の開示請求に関する議会への要請
            ならびに公共工事不正再発防止調査特別委員会開催の申し入れ

1、福岡市および博多港開発株式会社に人工島事業の融資にかかる契約書および念書等銀行との取りかわした文書全てを開示させて下さい。

 私はこれまで福岡市に、銀行と福岡市および博多港開発(株)がかわした人工島事業への融資に関する契約書および協定書等の文書の開示を求めてきましたが、開示しようとしません。博多港開発(株)は福岡市が51%出資しており、かつ人工島事業は多大な税金が使われ市政運営および市民生活に重大な影響を及ぼす事業です。銀行とどのような契約がなされていたのか、どのような約束がなされていたのか、市民に付託されている議会は知る責任があります。先日の新聞で志岐元博多港開発(株)社長がケヤキ庭石事件の裁判にて、福岡市が銀行団に博多港開発(株)に対する人工島事業への融資に損失補償をするという念書を銀行に渡したと証言しています。真実を明らかにするためには、全ての情報を開示するべきです。福岡市議会として、市民の負託に応え、議会としての責任を果たすために福岡市および博多港開発(株)が有する全ての文書を公開するよう請求することを求めます。

2、公共工事不正再発防止調査特別委員会開催を申し入れます。

 先日の読売新聞の報道によると、1999年の人工島点検時に、福岡市は博多港開発(株)が示した人工島事業の収支見通しが200億円の赤字になるというものであったにもかかわらず、約40億円の黒字になるよう改ざんさせたとされています。後日、共産党市議団の質問状への福岡市の回答でもその事実を認めたとされています。またケヤキ庭石裁判で志岐元博多港開発(株)社長は福岡市が博多港開発(株)に対する融資に損失補償するという念書を書いたと証言しています。これらが事実であれば、福岡市は違法行為を行ない、市民に対する背任の罪を犯したことになります。議会として責任を果たすためには真相解明が必要であり、直ちに公共工事不正再発防止調査特別委員会を開催することを求めます。
 また、事実の解明のために当時の関係者全てを特別委員会に招致し、調査することを求めます。その上で、必要があれば100条委員会の設置、また、責任の所在を明確にして必要な措置を執ることを重ねて求めます。