ケヤキ庭石裁判傍聴記

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ケヤキ庭石裁判傍聴記
2005年12月19日(月)

 今回の裁判は、西田被告についての被告弁護士よる尋問と、検察にによる尋問がなされた。西田被告の主張は、
①産廃の石膏ボードを人工島にリサイクルの土壌改良愛として搬入することを志岐被告に依頼したが、現場の鮫島工営部長が断った。現場の判断が最終的に資材購入を決定するものであり、ケヤキ庭石を無理矢理買わせた訳ではないと主張。しかし、志岐被告を通じて販売の働きかけをしており、これまでの裁判の証言に見られるように、市議という立場を利用し、志岐被告をはじめし幹部職員を通じたさまざまな商品を売り込んでいる。このこと自体が問題である。
 
②平成13年にケヤキ100本を博多港開発が購入したのは、西田被告が売りつけたのではなく、博多港開発が買うということで売ったということ。その経緯として、当時福岡地所が所有するゴルフアリーナの土壌を人工島に入れる協議がなされていた中で、西田被告が600円/トンでは公共残土受け入れ価格810円/トンに比べて安いので後で問題になると行ったために最終的には1200/トンになった。当初契約より高くなった差額の見返りとしてケヤキを博多港開発が買って福岡地所側の歩道の街路樹として植えてやる、また庭石を使って歩道を整備してはと提案したことがケヤキを買う発端になったと言っている。

③庭石930トンを東浜から人工島中央公園に移動させるために3717万円かかったことについて、博多港開発今池工務部長が無駄な出費と証言している。このことについて、直接工事費は2233万円であることから発注価格は1.66倍になっていることをあげて、石も含めて発注すると石の価格も60,000円/トンとなり、もっと高い工事になるとし、庭石を買い付けて資材提供することで工事費が安くなっているとこれまでの主張をした。また、ケヤキ庭石を無駄な買い物と言っているが、山崎市長が告発しているので事務方が使えないことから無駄にさせられている、また、設置および運搬費は博多港開発持ちになっているので博多港開発が使いたがらないからと都合がいい理屈をつけている。

 今回の裁判では、西田被告が産廃を土壌改良材として購入させてお大もうけを目論んでいたこと、福岡地所の残土処理にも絡んでおり、当時の市から出向していた小塩営業企画部長とおよび営業企画課長代理との人脈があったこと、また福岡地所からも援助を受けていたことが明らかとなった。

④検察官の反証
 ケヤキについての価格も物価本の価格は販売希望価格であり、実勢価格とは異なること、また売りつけた木も規格に通るAランクの木は11本しか無いことが改めて示された。また、ケヤキを購入する根拠も、本数もいい加減であることが明らかとなった。
 西田被告は五木石について何も知らず、売りつけた庭石の中の変成岩全体は10.8%、緑青変成岩は5.8%しかないことが検察官によって明らかにされた。西田被告は変成岩は約8割と言っており、市の職員も見ただけでは分からなかったのだろうとウソを言っていた。また、石を使う計画もなく、五木石である必要性がないことも明らかになった。

 詳細は以下の通り。
1、産廃の石膏ボード購入依頼の経緯
 石膏ボードは産業廃棄物であり、処分場に処分しなければならない。西田被告は石膏ボードはCaSO4が主成分であり、Caが塩分のNaと交換することで塩害をなくすことに目をつけ、解体業者から処分料を取り、人工島に投棄することでお金儲けを目論んだ。産業廃棄物のリサイクルであり、処分場の延命になると言っているが、要はケヤキを売りつけ、更にケヤキが塩害に弱いことに目をつけ、法の網をかいくぐり人工島を産廃処分場に仕立て上げようというものある。
 西田被告は志岐被告に依頼し、志岐被告は橋本工務部長に「人工島にとってもいいことだから検討してくれ。西田が来るので話を聞いとくれ。」と指示した。西田被告は三苫氏と一緒に部長室で橋本工営部長に会い、福岡地所のゴルフアリーナの土壌を入れているなら、産廃の石膏ボードも土壌改良材として使ってもらうよう話した。有価物でなければ人工島に入れられないので、1円でも10円でも買うかたちにしないといけないが、ただ同然で土壌改良ができるいっている。鮫島工務部長は分かるが石膏を入れると硫酸基が残るので後々コンクリートに問題がでると断わった。この件について海浜振興の三苫氏を使って九大の学者に調査を依頼し、1%、5%、10%石膏ボードを混ぜて試験したがコンクリートには影響ないという結果を示した。しかし、工営部長は人工島に産廃を入れるのはイメージが悪くなると断った。橋本工務部長は取り調べで、石膏ボード搬入を断ったことを挙げて自分はイエスマンではなかったといっており、西田被告はこのことをもって、現場が最終判断をしており、ケヤキも庭石もみんなが同意して購入したと主張、もし問題があるならどうしてその時いわなかったのかと避難している。
 東大教授が中国で石膏ボードを使って土壌改良をした事例があることを後から知ったと述べ、また人工島の中央公園は土壌改良のため土を入れ替えており、数億円かかっているとして、この売り込みの正当性を主張した。しかし、地位を利用した商売がありありを見えてくる。  

2、平成13年にケヤキ100本を買わせた経緯
 小塩元常務が平成12年4月1日付で博多港開発に営業担当として出向、平成13年1月1日に営業企画部長に就任し、平成13年6月に取締役営業企画部長に就任した。西田被告と小塩元常務は旧知の仲で、西田被告が小塩元常務が博多港開発に出向してきたことを知り早速会いに行っている。そこで、小塩元常務に西田被告は都市計画にくわしいものはいないかと尋ねたら、(上崎)営業企画課長代理を紹介した。西田被告は課長代理とも面識があり、平成12年夏頃に、福岡地所のゴルフ亜里奈ーの残土を人工島に搬入する交渉をしていることを聞いた。橋本工営部長に営業企画課長代理から福岡地所からゴルフアリーナの残土を人工島に入れさせて欲しいと言われていた。課長代理と福岡地所の担当が知り合いであったので、残土の搬入の話が始まったということであるが、このようなことは担当者レベルの話ではなく、福岡地所榎本社長と志岐被告との関係が想像される。ゴルフアリーナの残土搬入の話は、当初無料で搬入することを福岡地所が求めたが、平成12年3月31日時点では博多港開発は600/㎡で決着していたという。西田被告が公共残土の受け入れは810円/㎡だから600円/㎡では問題になると小塩元常務と営業企画課長代理に何度か話をした。最終的に7月3日のコンペにより残土の搬入価格は1192円/㎡となった。
 平成13年9月頃、西田被告は小塩元常務に会い、福岡地所にお世話になっており、西田のおかげで残土搬入費が高くなったといわれても困るので、捨て賃の差額に見合うように、人工島に繋がる香椎浜の香椎アイランド線の街路樹にケヤキを植えてやり、歩道を敷石で整備してはどうかと提案した。東側は市の公園化の所管なので、既に購入しているケヤキを使い、福岡地所側には新たにケヤキを買って植えてやればよいのではないかと言ったと証言。小塩元常務はまたケヤキを買ってくれと言うことと理解したと証言している。この時小塩元常務はなぜ人工島の外に使うのにケヤキを買わなければならいのかと思ったといってる。
 平成13年11月頃に営業企画部から工営部長にケヤキを香椎アイランド線の街路樹にに使えないかと提案があった。本来営業企画部から来る話ではないが、営業企画部から話が行ったのは、西田被告が福岡地所の捨て賃に絡んだ話をしていたからだと西田被告は主張した。土木部は香椎浜の部分は歩道が狭くケヤキは大きすぎると断った。営業企画部が話を持ち込んだときには既に工事が始まっており、着工前に言わなかったことが問題であったと言っている。
 ケヤキ購入の話は平成13年11月頃、西田被告が志岐被告にあったとき、志岐被告から今度1億円の予算でケヤキを買うことになったと言われた。すぐに三苫氏にケヤキを買うらしいと電話した。三苫氏はすぐに大成産業の橋口氏に調達できるか電話した。数日後に工営部長から三苫氏が呼ばれ、消費税込みで1億円の予算でケヤキを買うことになったと言われた。三苫氏は西田氏に電話をかけ、1本100万円を95万円に値引きしてもいいかと電話があり、西田被告は1億円の予算では仕方がないと同意したという。西田被告はケヤキを買う話は全く知らない、急に志岐被告から聞いた、売りつけたのではなく依頼されたと主張。平成7年にときには3年かけたが、これまでは時間をかけて売り込んでいたが今回は突然だと強調。私が売りつけたのではない、買うことになった背景には西田被告が福岡地所のゴルフアリーナ残土の捨て賃をめぐり小塩元常務に提案したことがあると言っている。これもおかしな話だ。ここでもう一つ注目すべきことは、西田被告は小塩元常務と親しかったこと、福岡地所とも繋がっていたこと、市の関係する事業の利権に深く関与していたことが窺えることである。
 
3、今池工務部長が庭石を東浜から人工島中央公園に移動させた経費が無駄と言っていることに関して
 博多港開発今池工務部長は人工島中央公園に庭石930トンを東浜から移動させるために3717万を支出したことについて、石材も含めて発注すれば運搬費および設置費も含まれており、今回のように別途移動させたことは無駄な経費であったと言っている。設置だけであれば2100万円なので1600万円、930トンなので17,000円/トンの無駄と言っている。このことに西田被告が反論した。西田被告はまず今池工務部長が移動のために発注した工事費は直接工事を2233万円余であり、発注工事費は1.66倍になっていると指摘。また、設置費も直接工事費は1200万であり、発注工事は2100万円であれば1.73倍になっている。石も含めて工事を歯注すれば当然石の価格も1.73倍の60,000円/トンになり、もっと高くなると主張。資材提供は工事発注が1/3安くなると再び主張。福岡市では先行取得すると管理費や人件費がかかるので先行取得はしないと言っていることについて、市はぎりぎりまで叩くという発想がないと批判。
 また、価格についてはどこの価格を言うのかで大きく異なると、魚を例に、漁師→漁協→卸売市場→仲買→小売り→消費者と転売させるたびにマージンがかかっているとして、繰り返し転売益の正当性を主張した。イゴス、時習館、海浜振興がペーパー会社として転売利益を得たことについては、企画、立案、営業、管理などを行っており、当然の対価と主張。ケヤキについて、市の規格に合わないものが売られたことについては、市の職員が確認していると正当性を主張した。
 また、荒嶽氏は庭石を1万トンを1億5千万円で売ったが、輸送費を含んだ粗利益は7500万円といっており、運搬費は7500円/トンになる。運搬のトラックは1日いくらで契約するので、東浜から人工島への運搬は1日6、7回往復できるので、熊本からは1日1回しか動かせないことから、今回のケースは1200円/トンでできると言えると主張。
 次にケヤキ庭石が無駄担っているのは山崎市長が無駄なものを買ったと告発しているので、事務レベルでは使えないのではないかと反論。市との協議で、公共に使う物は無料にする、設置・運搬費用は博多港開発が負担とするとしているため、会社が負担をしたくないために使おうとしていないと言っている。そもそも博多港開発が整備して福岡市に寄付するとなっていたものが、福岡市が事業をすることになり、福岡市が採算性を重視することからこのような協定になったことに問題があると主張。これは福岡市が道路公園を公共事業として整備することで博多港開発の土地造成費用を軽減していることには、全く思慮されていない身勝手な理屈である。
 人工島中央公園に宝満石(18,000円/トン)を使っていることについて、五木石を使った方が見栄えがいいにもかかわらず使わなかった理由は、福岡市との協定で博多港開発が設置費用を負担しなければならないので、博多港開発が経費を出したくないというけちな考えがあるからだと主張。事件後の監査委員会の報告書や議会でもケヤキ庭石を有効に使うように言っていると主張。利用状況についても庭石930トン、ケヤキ337本が使われているとし、無駄になっていないと主張。しかし、庭石は9千トンが庭石は東浜に置かれたまま、ケヤキは250本が使われずに鹿児島の鹿屋の圃場に植えられており、管理費が必要となり枯れ補償も無くなるという状況については全く無視している。
 ケヤキや庭石を1万トン確保した理由は、もともと志岐被告が人工島に変化をつける、山崎市長は海の上に森を作るなどの基本構想があり、これに基づいて実施設計をするが、あらかじめ確保していなければ使えないと主張。昭和記念公園の例を挙げて、企画した井上花子氏がダムからでた石を使う、既存の樹木を使う、残土を活用するなどの基本構想ががあり、これを基に実施設計をして1万トンの石を使った公園をつくったと説明。また、石の利用については人工島の外周護岸や対岸に護岸についてエコパークゾーンとして自然石を使うということになっていると主張。道路や公園の計画をを建てるには博多港開発が実施設計し、これを基に福岡市と協議する。各局と事前に協議するのに半年から1年かかるので五木石は入手困難なので事前に確保する必要があると主張。しかし、なぜ五木石なのかの説明にはなっていない。
 平成11年当時日向山公園という石と桜を使うプロジェクトがあり、それを聞きつけて売りつけに言った。転売益を選挙資金に使ったことは事実と認めたが、計画がなかった訳ではなく、大庭元常務が石を使いたいと言っていたので、三苫氏と相談し計画をつくり提案した。計画がなければ協議できないので具体的計画をつくり、設計しても調達できないことがないように五木石を確保したといっている。
 その他、冒頭陳述の反論として以下のように発言。平成4年、営林署の井上所長からお願いされ、西田被告が要請文を預かって当時の港湾局長であった志岐被告に渡した。平成5年の要請については当時の石橋参与や志岐被告とも相談していない。協議しないで購入すれば利用することを拒否されるので具体的計画をつくった。市は予算の関係で断ることがあるので博多港開発がお金を出した。また、支払い方法として契約時に半額、納品時に半額というやり方は、通常の行為であり、キャナルシティでの納品でも同じようにした。市の工事発注でも契約時に4割を前払いをしている。ケヤキの売買時に管理費、運搬費を5年分前払いしたことについて、これは前払いでなく、管理費・運搬費用を値引きして100万円としていると主張。これも彼特有の詭弁で、要は管理・運搬費用が前払いになっていることには変わりないのだ。

4、検察官の反証
 検察官は大庭被告の裁判で瀧証人がケヤキ600本の内Aランクのものは11本で、その平均単価は43万6千円と証言していることについて質問。しかも11本はやっとAランクになるものでBランクに近いものも含んでいるとしている。1本145万円との落差について質問した。西田被告は43万円は孫請けの価格であり、瀧証人も半値7掛け(35%)と言っているように、原価は43万円だと弁明。検察官は重ねて、物価本の価格145万円は販売希望価格で実勢価格とは異なると瀧証人が言っていることについて質問。西田被告は、緑化センターが物価本を監修しており、緑化センターの人間である瀧証人が異なることを言うのはおかしいと反論し、43万円は半値7掛けの孫請け価格と理解しているとした。
 平成11年のケヤキ300本を売りつけたことについて、具体的計画が中田のではないか、また、どうしてケヤキでなければならなかったのか検察官が質問した。これについて西田被告は以下のように答えた。特に計画があった訳ではない、またケヤキでなくても高木でも良かったと答えている。ケヤキを売った理由を、平成4年に営林署から良いケヤキがあるので売って欲しいと頼まれて200本売った。平成7年に売った200本のケヤキを市が使わないことになり、人工島に使うことになったので、人工島ではもっといると思っていた。ざっと1000本ぐらい必要と思っていた。平成11年のケヤキ300本は大庭被告と相談して数を決めた。具体的に500本いるから300本にした訳ではない。漠然と決めた。
 また樹種について西田被告は普通の市の予算では樫の木のような常緑樹であるが、良いものをということでケヤキにを売ったと答えた。これに対して検察官は、売ったケヤキは生長途中のもので決して高品質のものといえないのではないかという質問に、木の幹まわりが大きいからその値段と答えている。平成7年、11年についてはケヤキ以外の話は出なかったし、していない。また他の樹種については考えてもいなかった。
 平成13年に100本ケヤキを売りつけたのではないのかとの検察の質問に、西田被告は売りつけたのではなく、志岐被告からケヤキを1億円の予算で買うと聞いたと答えた。具体的な計画は知らない、志岐被告にお願いした訳ではない。たぶん、福岡地所のゴルフアリーナの残土処分価格の差額を埋め合わせる話を自分が提案したことが出所かもしれないと答えている。
 九大移転先の街路樹に博多港開発が購入したケヤキが使われており、使い道がなくて人工島以外でも使ったのではないかという検察官の質問に、西田被告は山崎市長が無駄な買い物をして使い道がないという演出ではないかと答えた。100本売ったときにはケヤキはほとんど使われていなかった。ケヤキが入手できるから売り込んだだけで、ケヤキは必要なかったのではないかという質問に繰り返し必要であったと主張。小塩元常務、営業企画課長代理には残土の差額の埋め合わせに福岡地所のが炉寿として整備するよう提案したが、買ってくれといった訳ではない。志岐被告が1億円分ケヤキを買うといってきており、三苫氏が呼ばれ100万円を95万円に値引きして100本を売ったと繰り返し答えた。
 検察官は西田被告にケヤキは塩に弱いと知らなかったのかと室もしたが知らなかったと答えた。前回の裁判で西田被告はケヤキは塩に弱いが海岸からの距離の問題でだめと言うことではないと主張していることについて、検察が資料を示しケヤキは潮風に余話のではないかという質問に大差ないと繰り返し主張した。しかし、福岡市はケヤキは深く根を張るので浚渫土砂の部分まで根が届き枯れるおそれがあるとして、ケヤキを土盛りした公園以外は使わないとしている。検察は平成13年に産廃の石膏ボードを土壌改良材として志岐被告に売り込んだことについて、浚渫土砂を使用していることを知っていたからではないかと質問。これについて、西田被告はどんな土壌かは考えてなかった、植栽するときはどんなときでも植栽できるようにするからだと居直っている。
 ケヤキを植えることで人工島に付加価値がつくと考えていたのかと言う検察官の問いについて、西田被告は植栽すれば付加価値がつくのは一般的な常識だと答えている。しかし、ケヤキでなければいけない理由にならない。まして、計画もなくケヤキを購入する理由にもならない。
 前回の裁判で西田被告が庭石の内約8割が変成岩で2割が花崗岩などと言っていることについて、その根拠について質問をした。西田被告は現地に見に行ったことや三苫氏から話を聞いていたと答え、市の資料に緑泥変成岩が10.8%とか書かれてあったことから8割が変成岩と答えた。しかし、変成岩は全体で10.8%で緑泥変成岩は5.8%しかないこと、市の職員が変成岩10.8%と鑑定書に書かれているものを緑泥変成岩10.8%と間違って報告していたことを検察官は明かにした。このことについて、西田被告は約8割が変成岩といってきたことの間違いを認めた。このことはこれまで西田被告が五木石はCランク、Dランクでも景石として遜色ないと主張してきたことの根拠が崩れ、石の価格の根拠も崩れた。物価本の景石の単価0.5トン級、1トン級が4万円/トンの価格には運搬費が組み込まれているが、据え付け費は含まれていない。この場合発注工事費の石の単価は6万円/トンになるのか、また景石を一律に扱うことができるのかという問いに、高い石は特別な扱いになると答えている。
 平成12年に庭石を売り込んだことについて、具体的に庭石を使う計画があったのかを検察官が質問。これについて西田被告は平成11年5月に大庭被告に石と桜を使った日和山公園の計画があり、石を使いたいと聞いた。具体的には1万トンぐらい使う計画を出した。実施計画後に石を買えばよいのの先行取得する理由があったのかという問いに、五木石が入るのはこの時期だけだと大庭被告に話した。五木石を使う理由は無かったのではないかという問いに、西田被告は全国で五木石がとれるのはこの時期だけであったからだと答えたが、同時に別の石でも良かったと答えている。また、どうして使われずに放置されているのかという問いに、市長が無駄なものを買ったということを見せていること、運搬費と設置費は博多港開発が負担することになっているので博多港開発が使いたがらないからだと言っている。これの対して検察官が当初から計画があればこのようにはならなかったのではという質問に、事件がなければ人工島中央公園の周囲に使えたと言っている。
 西田被告は五木石については知らなかったし、一般の人も知っているかどうかも知らなかったと答えており、要は石であれば何でも良かった。日本庭園のようにすれば名勝地にでき、付加価値が上がるとしているが、平成12年の時点では人工島には中央公園の計画もなく、日和山公園の公園の計画もなかった。人工島の中央公園は平成14年、銀行団に福岡市が損失補償するために新事業計画に計画変更をし、必要もなく土地を買ったために公園にしたものである。当然庭石を買うとには大規模公園の計画はなかった。付加価値についても検証もなく、要はこじつけで石を売りつけ、後付で言い逃れをしているに過ぎない。