2009年予算に関する請願審査の口頭陳述

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 第三委員会港湾局関連予算で、人工島埋立関連予算を否決を求めて口頭陳述を行いました。2009年度予算では市5工区土地改良費47億円、市5工区都市計画道路実施設計費820万円、人工島と香住ヶ丘地区への人道橋建設費2億1800万円などがあります。アメリカサブプライムローン破綻に端を発した世界同時不況、そして世界同時不況が進行する中で、人工島の土地処分が進む見込みはありません。破綻が明らかな人工島にこれ以上ムダな税金を注ぎ込むことはやめるべきです。まして、子どもを犠牲にするこども病院の人工島移転はやめなければいけません。
 そもそも、少子高齢化、人口減少と社会構造が変化し住宅需要は減少、世界の向上は東南アジア・中国に移り経済構造も変わり、構造的に土地需要がない中、今回の金融恐慌、世界同時不況により土地処分が進まないことは明らかです。委員会質疑では市5工区の土地処分に向けて研究施設・新産業を誘致するとしていますが、誘致そのものも困難なことに加え、九大移転後の九大周辺に研究施設を集積することの関係で政策的にも誤りがあります。厳しい財政状況で分散投資は市の将来に足を引っ張ることになります。人工島事業が福岡市の政策を歪めている典型的な事例です。
 人工島の現状を見ても埋立が終わっていないところがまだ多く残っています。埋立を強行しても売れない土地を抱え、借金を残していくことになります。これ以上ムダな埋立は止めて、埋立が終わっていないところは干潟に再生し、博多湾の自然を生かした街づくりをっすめることが市民の財産となります。これまで今日した費用は、政策の誤りとして市長以下職員、議会が責任を取るべきです。
 委員会審議で、埋立が進むということで現在人工島に来ている野鳥対策として、和白海域に人工干潟か筏を設置し、将来的に野鳥が本来の生息地に移動できるようにする計画を検討していることが説明されました。しかし、人工島によって生息域を奪われた鳥はどうなるのか、また現に人工島の擬似干潟に飛来している野鳥がどこに行くのか、「本来生息するところへ行くでしょう」と全くいい加減な計画としかいいようがありません。
 また三島地区に海岸の風景を再生する計画が説明されました。しかし、それは元の生態系を復元するのではなく、新に塩性湿地を作り出すというものです。「環境の創造」をし環境教育にも役立てるというのです。しかし、どこかおかしいと思いませんか。自然を破壊し、そこの新たな「自然環境?」を作ると自慢げに進めているのです。これまで福岡市は「環境の創造」といってきました。しかし「想像」のウラには「破壊」があります。博多湾の自然を破壊し続けたことの反省がひとかけらもないままに環境教育があり得るのでしょうか。