こども病院PFI事業にきな臭いにおいが!

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 福岡市はこども病院整備等のPFI事業者を公募しましたが、1社しか公募がなかったため、落札者決定基準に則り、入札を中止しました。改めて6月中旬に公募するとしていますが、応募者を増やすために資格を「一般病床300床以上の設計を受注した実績があるもの」から「一般病床200床かつ3室の手術室の設計を受注した実績があるもの」に基準を引き下げ、しかも「応募者がいないとき又は一人であるときは、入札手続きを中断するものとする。」と言う項目を削除しました。26年3月1日開院に間に合わせるために、入札応募者は公表せず、1者でも決定するとしています。

 まず基準緩和は何を意味するのでしょうか。そもそも福岡市はベット数は260床を計画しており、県の認可では233床ですが増やすよう働きかけるとしています。手術室も6室を計画しており、今回の基準緩和は単なる応募者の水増ししかならないことは見えています。というよりも、今回応募した1者の提案水準は変わらないわけですから、仮に基準緩和を受けて他社が応募しても、入札に勝つ見込みはありません。つまりアリバイづくりでしかないと言うことです。そこで「応募者がいないとき又は一人であるときは、入札手続きを中断するものとする。」と言う項目を外した意図が見えてきます。しかもこの決定過程が見えないようにするために、公募状況を市民に公表しないというのです。全く市民を愚弄するものです。

 今回の応募者は九電工とのです。この九電工は破綻したベイサイドプレスの後始末を請け負った会社です。ココに何かきな臭いにおいを感じざるをえません。政治は貸し借りと言われますが、もしそうであるならば、こどもの命が救えるのか多くの市民が心を痛めていることに、こんな利権のやりとりがあっていいのでしょうか。

 そもそも、厳しい財政状況の中でこども病院を人工島に移転させる計画自体が問題なのです。高齢化そして人口減少は避けられず、日本の経済は基本的に縮小せざるを得ません。税収が減り続け、義務的経費は増え続けることが明らかな状況で、過大な病院事業を計画すること自体が間違っています。このままでは市民負担が増すだけでなく、こども病院の存立さえ危ぶまれます。将来を見据え、市民のために必要な病院は何か、福岡市の医療状況を見据えて現場の医師と共に身の丈にあった病院を考える必要があるのです。