検察審査会の「不起訴相当」の議決は制度本来の趣旨に反する議決

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 昨年3月2日に私たちが「公用文書毀棄、公的電磁気録毀棄」罪で福岡地方検察庁(福岡地検)に刑事告発し、福岡地検はこれを受理し捜査を行いました。福岡地検は昨年11月19日に「不起訴処分」としました。私たちは直ちに福岡第一検察審査会に異議申し立てを行いました。検察審査会の議決が去る7月2日に届きました。その議決は「本件不起訴処分はいずれも相当である。」とし、その理由は「検察官がなした不起訴処分の裁定を覆すに足りる証拠がない」としています。この議決には全く納得がいきません。これではまさに「やり得」を追認するものです。

 今年3月29日に福岡市情報公開審査会は次のように言っています。
「検証・検討チームによるこども病院の現地建替え工事費用の概算額算出過程に関する情報のうち,事務局担当職員によるゼネコン聴取メモ等(手書きのメモ及びパソコン入力データ)については,これに基づいてPwC社の報告書とは異なる「簡易的な試算」に取りまとめて,検証・検討チーム会議に報告されたというのであるから,それが「軽微なもの」に当たるとは到底いいがたい。」

更に
「検討過程の情報は,こども病院問題という市政の重要施策に関し,市民に説明する実施機関の責務を全うし,市民の監視と参加による公正で開かれた市政の推進という条例の上記目的を達成するうえで,市民の知る権利の対象とするため,これを公文書に作成したうえで,公文書規則に基づいて保管する必要性が高いものであった。」

結論として
情報公開の目的は,「市政に関し市民に説明する市の責務が全うされるようにするとともに,市民の監視と参加の下にある公正で開かれた市政の推進に資すること」(条例第1条)
「本来残されるべきであった情報が「個人的なメモ等」の形のまま廃棄されてしまったことは,条例の本旨にもとるとの評価を免れないと思われる。」

 このように福岡市情報公開審査会は、ゼネコン聴取メモ等(手書きのメモ及びパソコン入力データ)については福岡市公文書規則には該当しないものの政策決定に重要なものであり、検討経緯が記録に残されていないと言っているのです。つまり、福岡市は市民の知る権利を奪う重大な犯罪を犯していると言えます。今回の検察審査会の議決は、証拠隠滅を図ったものの「やり得」を追認するものであり、検察審査会制度の趣旨を否定するものと思われます。市民の目線で「やり得は許さない」という姿勢を見せて頂きたかった。

 今後は住民訴訟の場で関係者を証人として召喚し、証人尋問を行い、真実を明らかにしていくことになります。また、来る11月の市長選挙では「こども病院人工島移転撤回」を実現する市長を選ぶために市民を結集させる取り組みをします。いまこそ「市民力」が試されます。