第211回国会閉会に臨み、平和主義、人権擁護、民主主義を取り戻すことを訴えます。

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ふくおか緑の党代表 荒木龍昇

 6月21日(水)第211回国会が閉会しました。今国会では原発の60年超え稼働及び新設を進める「GX脱炭素電源法」、マイナンバーカードと保険証を一体化させマイナンバーに公金の受取口座を紐付けするなどマイナンバーの紐付けを拡大する「マイナンバー法」改悪、難民認定を厳しくする「入管法」の改悪、当事者が強く求めていた差別禁止を求めることから大きく後退した「LGBT理解促進法」、防衛関連三文書改訂による敵基地攻撃能力など軍備拡張のための43兆円を確保する為に基金を作り増税する「防衛力強化財源確保法」など重要法案が、多くの国民の反対の声を無視して可決しました。また、今国会では軍備拡張のため国自身が製造施設等を保有し、企業に管理・運営させることを可能とする「装備備品等基盤強化法」、オーストラリアおよびイギリスとの道路運送法及び道路運送車両法の適用除外、刑事手続等の特例、国の賠償責任の特例並びに特殊海事損害に係る賠償の請求についての援助に関する措置など、地位協定のような協定の実施に関する法律など集団的自衛権行使に係る法律も制定されています。

 脱炭素化を口実に福島原発事故がなかったかのような原発回帰政策、入管法改悪やLGBT理解促進法など人権を抑圧する政策、マイナンバーの紐付けの拡大とマイナンバーカードの強制による監視社会、軍備拡大と集団的自衛権行使を拡大する戦時体制化と軍事費の増額・増税、閣議決定による国会を無視、重要土地規制法の指定の拡大、日本維新の会や国民民主党などの自公政権の補完勢力が拡大している今日の状況は、まさに昭和10年代の2・26事件、治安維持法制定と極刑化、国家総動員法、大政翼賛会による国会の解体、日中戦争・アジア太平洋戦争へ突入していった時代雰囲気に重なっています。今、アメリカの戦略の下、沖縄では沖縄本島だけでなく、与那国島、石垣島、宮古島、更に鹿児島県の奄美大島に自衛隊のミサイル基地が建設され敵基地攻撃可能なミサイルが配備されようとしています。沖縄は再び戦場となり、78年前の沖縄戦の惨状を再現することになる蓋然性は高くなっています。更に、日本本土においても自衛隊基地の地下化と強靱化が進められ、日本版海兵隊の水陸機動団の設置と佐賀空港のオスプレイ配備、築城基地やニュー田原基地の米軍共用の基地機能強化が進められており、核戦争をも想定した基地機能強化が進められています。今国会の動きはこのような岸田・自公政権の戦争政策を促進させる国会と言えます。

G7が広島で開催されましたが、そこで議論されたことは核禁止条約批准・核軍縮ではなく核の抑止力の再確認と、ウクライナ戦争の停戦の協議ではなく戦争継続でした。被爆者、平和都市広島の市民・県民を侮辱するものでした。日本はどこに向かうのか、今国民がしっかりと日本の現状を見極めなければ、後戻りができない戦争への道を突き進むことに繋がります。解散総選挙が年内にもあると言われています。戦争政策を進め、人権を抑圧し、原発回帰を目論む自公政権、そして日本維新の会、国民民主党、参政党など自公政権の補完勢力にNOの声を突きつけ、平和主義、人権擁護、民主主義を取り戻す必要があります。来る選挙では立憲野党と市民の共闘で選挙に勝ち、改憲を阻止しましょう!時代を後戻らせては日本の未来はありません。