福岡空港の総合的な調査PI(ステップ4)懇談会

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 日時 2008年10月21日(火) 10:00~12:20
 場所 福岡県吉塚合同庁舎602号会議室

 出席 説明者
    国土交通省地方整備局、国土交通省大阪航空局、福岡県空港計画課課長、
    福岡市総務企画局空将来方策担当課長 福岡空港調査委員会次長
    参加市民団体
    C&C21(新空港建設推進)、博多21の会(新空港推進)、
    地球のめぐみ(新宮町在住、新空港建設反対)
    新福岡空港を考える会(新宮町在住、新空港建設反対)
    博多夢松原の会(出席者から出された意見は新空港賛成らしきものと反対の意見)
    博多湾会議(増設・新空港建設反対)新福岡空港ストップ連(増設・新空港建設反対)

    説明者からはステップ4における新空港建設案と現空港増設案について代表案を説明。
    
    需要予測の見直し→GDP推移の修正(ケースBとケースCの中間)
    GんPの伸びと平行して需要は伸び続けることになっている
    ※ケースB(構造改革が進まない)、ケースC(90年代と同じ状況)

    近隣空港との連携については「利用制限型」は航空自由化に反し、また近隣空港による
    需要を喚起させる「需要誘発型」は効果が薄いとして排除。

    新空港建設案は新宮沖案(海岸に平行)
    ・水深(12m)が浅いことから建設費が新空港案中建設費がもっとも安い(9,200億円)
    ・ウィンドウカバレッジが高い(風の影響が少ない)
    ・騒音区域が市街地にかからない
    ・効果 現空港容量(14.5万回)の1.47倍(22.5万回)
        天神地区の高さ規制がなくなる、騒音区域がなくなる、24時間使える

    現空港増設案は国際空港ターミナル側に2500mの滑走路を平行、滑走路を1.5m嵩上げ
    ・移転物件、買収用地が少なく、現空港増設案で最も工期と費用が少ない(2,000億円)
    ・効果 現空港容量の1.27倍(18.9万回)

   出された質問意見
    ・1~8月の概算で5000回の離発着回数が減っていることは確認、原因についてはまだ
     不明と回答。
    ・新空港建設を推進し、九州の玄関口としてのグランドデザインを考えて欲しいという意見
    ・自然環境への影響、地域の雇用への影響について記載がほとんどないことについて、まだ
     実地調査はしておらず文献調査だけであること、計画が決まればアセスを行うと回答。
     これについて、計画後にアセスはおかしいと意見
    ・貨物便の容量が足りなくなっていると言うことについて誤解されている、正確に伝えるべき
     福岡空港には貨物便の定期航路はない、旅客機を使用。
    ・新空港建設には10数年かかりその間どうするのか。完成時には経済状況や社会状況が
     変わりいらないと言うことになるのではないかという意見。
     完成までは誘導路の複数化するなどで対応する。結果的には他空港利用もと回答。
    ・新空港建設になると騒音対策が必要なくなると言うが、そうはならないのではないか。
     新宮沖案では75デシベルの騒音区域は市街地にはかからないようにしている
    ・新宮沖案が最も安いというが、水深12mはおかしい。海図では平均17mほどになる。
     工費は1.5倍になるのではないか。
     実測調査をしていないがこちらの1~2㎞のメッシュの海図ではそれくらいだ。仮に
     17mとしても、水面上5㍍有るので工費は1.5倍にはならない。
    ・新空港建設となれば市内からの移動時間は20分ではすまない上、費用もかかり、
     利用者は他の交通機関に移るのではないか、また利便性が悪くなることは福岡市の
     都市力を低下させるのではないか。
     他の交通機関への移行は数%と見込んでいると回答したが影響は大きいと思う
    ・新空港を作ることで天神地区の高さ規制がなくなるとしているが、高さ制限があることが
     悪いことではない、天空率が高いことは都市の魅力であるという意見。 
    ・多額の工事費をかけても容量が1.27倍、1.47倍にしかならないことを市民は
     知っているのか。
    ・人口減少、少子高齢化、世界経済の低迷、産業構造の変化、エネルギーの限界・価格高騰、
     をどう需要予測に織り込んでいるのか。空港会社の意向調査をしているのか。
     また建設費について、国・地方の財政悪化、経済の低迷により民間の負担能力は有るのか
     現在の金融危機については反映されていない。少子高齢化により国内線は頭打ちとなると
     見ているが、海外から増えると見ている。人口減少する中で都市力を維持するためには
     海外から人を呼びよる必要があると考えている。
     空港会社とは懇談しており、福岡空港は儲かる路線なので、ターミナルのセットバック
     などの投資は前向きだ。
     負担の問題はこれから。
     エネルギー問題は答えず。
    ・誰のためのPIかわからないという意見
    ・最終的な対応策の決定時期についての質問に、年度末の見込みと答えている。
     また、構想・施設計画段階でPIを行うとしている

     説明では需要予測はGDPが伸びれば航空需要も伸びるとしており、現状と
    乖離している認識は見られない。エネルギー問題、人口問題、経済問題、財政問題、
    いずれの視点も需要予測に反映されておらず現実離れしている。前述の問題を見れば
    航空需要が今後伸び続けるとは思われないし、航空各社は効率化を図り、機材の小型化、
    便数削減を進めており、今後便数が増えるとは考えられない。空港増設も新空港も必要
    とは考えられない。
     福岡市の都市力をどう考えるのか。新福岡空港建設はこの日の意見も出されたように
    福岡市の都市力を低下させる。福岡市の50年先、100年先のグランドデザインを
    どう考えるのか、都市膨張政策を止め、福岡の歴史・文化・自然を生かした都市づくり
    を進め、都市の魅力をつくることでる。スロー、スモール、シンプルな街を目指すべき
    である。