市長選の行方

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 周知の通り、元佐賀市長木下氏が民主党に公認願いを出し、片や吉田現福岡市長が民主党に公認願いを出すという状況で、市長戦況は混沌としているように見えます。現時点で市長選に名乗り出た方は5名、それ以外に2名の話があり、更に自民党候補の動きも見え隠れしています。まさにいまの国政を反映するかのような状況といえます。これはこれまでの国民の意識が村社会から成熟した市民社会への脱皮の動きといえるかもしれません。
 今回の市長選挙における最大の争点は「こども病院人工島移転撤回」を巡るものと考えます。「こども病院人工島移転」は医療問題だけではなく、財政問題であり、まさに市民の知る権利が奪われるという市民自治・地方分権の問題、そして街づくりの問題です。勿論それ以外の争点として、財政健全化をどののように進めるのか、そして元気な福岡市をどのように創るのか課題は山積です。この事は同時に「こども病院人工島移転」とリンクするものです。歳入が減る中で市民の生活を守り、将来の展望を切り開くためには大胆な政策が必要です。その痛みが共に共有できる施策をするためには、まず自らの身を削る事から始めなければなりません。
 市長選挙は従来の党派やしがらみを超えた瀬強でなければ福岡市は変わる事はできません。民主党の公認を巡るコップの中の争いが本当に市民のためになるのか、又と党派の推薦を受けなければ選挙ができない事が本当に市民の意思を受け止める事できるのか、これまでの市民の戦いを見ればとてもそのようには思えないしそうあるべきではないと考えます。
 高齢化が進み、人口減少が始まる状況で、日本経済の停滞は避けがたく、同時に市民の暮らしを守るために歳出は増え続けるという厳しい財政状況が続くと思われます。市民が自ら住む街をどのようにしていくのか、まさにそういった意味で、福岡市民が近代市民社会へ脱皮に向かうのか否かが問われる市長選挙ではないでしょうか。